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お雑煮
麦茶
2012年、元旦。麦茶
なんとなーく一人朝早く目が覚めてしまい、テレビをつける気にもなれず、いつも通りストーブつけていつも通りこたつに入っていつも通りネットサーフィン。ほどなく息子が起きてきて、だんなは9時過ぎに起きてきた。
朝とも昼ともつかないのんびりな時間に、やっぱり正月はこれで始めないとね、とお雑煮の支度。
息子は餅が今ひとつお好きではないのであるらしい。(あんなに美味しいのに!あんなに美味しいのに!)
特に汁に浸ってる系の餅は「前向きに嫌い」なのだそうで、故に雑煮は餅料理の苦手極まるものなのだそうだ。
「……じゃあ、お餅は焼くけど、磯辺にしようか?磯辺プラス、雑煮用の汁物ということでどう?」
と聞けば、それなら食べるということで、息子はそれを。
餅、美味しいのにねぇ。雑煮はもちろん、磯辺、あべかわ、おろし醤油。磯辺+チーズというのも美味しい(海苔とチーズ重ねて、醤油に浸した餅を巻く)。普通の醤油の代わりに砂糖醤油やバター醤油も美味しい。冬の一人の昼御飯は毎日餅でも良いわってくらい、私は餅が好きなのだった。
我が家の雑煮は、だんなが「これがいい、これが好き」と言ってくれたこともあり、結婚以来私の母の郷里の「きりたんぽ風」。
基本の具材は鶏肉、豆腐、ごぼう、舞茸。で、きりたんぽ鍋には芹を入れるけれど、吸物には通常三つ葉を入れる。……けれども今回は芹が手元に残っていたので芹を使用。
だしは鰹節と昆布、それに薄口醤油と塩をベースに調味して、あまり鶏のだしが出過ぎてしまわない程度に具材を炊く。餅は角餅を焼いてから最後に汁に入れる。
我が家のこれが秋田(狭くは角館)の雑煮スタンダードというわけではなくて、近所の血縁関係の家でも「うちは大根と人参も入れる」とか「ぜんまいやわらびも入れる」とか「餅は焼かずに汁に入れて煮る」とか、色々。
私が「うちの雑煮」……というか「毎冬の定番吸物」を作るようになってもう10年以上も経つわけで、すっかりそれは「良いとこ取り」みたいな感じになっているかなと思う。自分の好きなように作っていたから、多分今のこの味は「母の味」とはけっこう違っているのだろうなぁ……と思いつつ、我が家の雑煮はこんな感じ。
生ハムとかパテとか蒲鉾とか黒豆とか
日本酒(新潟 白龍 吟醸しぼりたて新酒生)
大晦日も元旦も、普通に荷物を届けてくれる配送会社のサービスは本当にありがたい。ありがたいけれど申し訳ない……と思いつつ、昨日も今日もあれこれ荷物が届く我が家。日本酒(新潟 白龍 吟醸しぼりたて新酒生)
大晦日発送で今日の昼前に到着したのは浜松「弁いち」さんのおせち。
ここ数年の蔵王年越しで、唯一の残念事が「美味しいおせちを食べられない」ことだったので、今年はがっつり予約させていただいた。
今年の内容は、添付のリーフレットによるとこんな感じ↓
「達磨玉子が"達磨禅師のなぞらえ"」とか、知らない項目があれこれあったので備忘録がてら全部記させてもらってみた。
- 縁起物
-
黒豆(一年を「まめ」(まじめ・健康的)に暮らせるように)
数の子 子持ち堀川牛蒡(京都産)(子孫繁栄祈願)
昆布巻き(「よろこぶ」の語呂合)
田作り(五穀豊穣祈願)
伊達巻(書物巻物になぞらえ知識を養うことを祈願する)
海老旨煮(腰が曲がるまでの長寿祈願)
達磨玉子(達磨禅師のなぞらえ)
金柑(商売繁盛)
栗金団(金団は黄金色の丸い小判を意味して、財のたまる願いにかけたもの)
- 祝い肴
-
紅白膾 梅麩 手鞠麩 二色(錦)玉子 つく羽根 サーモン蕪巻
自家製からすみ(加羅寿見)
- 煮しめもの
- 冬子椎茸 蓮根土佐煮 慈姑 大徳寺麩 真つぶ貝大船煮
- 焼き物
- 鰆西京焼(春を呼ぶ魚) フランスバルバリー鴨ロースト
さすが弁いちさんと言うべきか、焼き物に「フランスバルバリー鴨ロースト」があるのが面白かった。懐石をいただくと「そういえばお肉は一切れも無かったわー」と思うことがままあるところ、「弁いち」さんの献立には短角牛のグリルであったり、赤ワイン煮込みであったり、果ては蝦夷鹿などのジビエまで登場したりする。
確か、2009年のお正月にいただいたおせちには「牛肉の白ワイン煮」が入っていて、その前は「鶉のグリル」。
「今年は鴨だー!バルバリー来たー!」
「バルバリー!」
と、夫と2人喜んでしまった。
すっかり鴨づいている最近の我が家。実は弁いちさんのお嬢さんは田中玉緒さんのところでアシスタントをしていらっしゃるという繋がりがあったりして、それもあって「ここで鴨か!」と受けてしまったという内輪の理由。
そんな美味しそうな(いや、美味しいとわかっている)おせちは夕飯に美味しい日本酒と共にまったりいただくことにして、お昼はだらだら、日本酒の小瓶を出してありものをちょこちょこと大皿に盛りつけてテーブルに出した。
肉福袋に入ってきた生ハム類をちょこちょこ盛りつけ、蒲鉾、黒豆も。
「案外こういうのも日本酒に合わなくはない、はずー」
と、パテも一口サイズにカットした。
2012年最初のお酒は、新潟の「白龍 吟醸しぼりたて新酒生」。
越後湯沢の「ぽんしゅ館」で、以前試飲して気に入ったお酒だった。お米の味がしっかりして、生酒ならではのこっくりした味わい。キーンと冷やして冬に飲むのが美味しい、こたつに入っていただくのにぴったりな味わいだった。
「……ハム、旨いね」
「日本酒と黒豆というのも幸せよ」
と、のんびりもぐもぐ。
「弁いち」さんのおせち
からすみ大根・蒲鉾・玉子焼き
すじぽん
鶏肉とごぼう、舞茸の吸物
日本酒(石川 菊姫 山廃純米限定酒 鶴乃里21BY)
日本酒(高知 安芸虎 うすにごり活性生酒 素)
柚子リキュール(香川 金陵 ゆず酒)
そして早めにお風呂済ませて、早めの夕御飯をテレビ見ながらだらだらと。からすみ大根・蒲鉾・玉子焼き
すじぽん
鶏肉とごぼう、舞茸の吸物
日本酒(石川 菊姫 山廃純米限定酒 鶴乃里21BY)
日本酒(高知 安芸虎 うすにごり活性生酒 素)
柚子リキュール(香川 金陵 ゆず酒)
「年末年始のテレビにはほとんど興味ないけど、一流芸能人Gackt様は別!」
と、テレビ朝日の「芸能人格付けチェック!これぞ真の一流品だ!2012お正月スペシャル」を18時から見ることに。ついでに、21時からはフジの「トリビアの泉」スペシャルも見ることに。
ガクト様すごい、相変わらずカッコイイ……と家族皆で「ガクトすげー!」と悶えながら、美味しく幸せなおせち料理を堪能した。
やはり年末年始、食べ続けられる「肉料理」があると重宝だよねと、年末に買ってきたのは美味しそうな牛すじ肉。購入したのは折しも、お肉屋の店頭でいかにも美味しそうな和牛すき焼き肉を販売していたタイミング。白いすじ肉には、見事なサシの入った肉部分もちらちらとついていて、このすじはあの美味しい和牛のものなのかな?と思われた。
これは俺が仕込むよー、と、味つけせずにだんなが味つけなしで丁寧に炊いておいてくれた牛すじには、刻み万能葱とポン酢をかけて。たっぷり食べられるおつまみは、からすみ大根とかまぼこ、「松露」の玉子焼き。大人は主におせち料理。
以前、webサイトで「業務用オムレツ」あたりの商品ページをみつけてしまって、「あ、これ、安いビジネスホテルの朝御飯とかでよく見るやつだ」と思ったことがある。そのサイトには、業務用ミニロールキャベツ、ハンバーグ、テリーヌなどなど、「あるある」なものがひしめきあっていた。あー、原価ってこんなものなのねー……とわかってしまって、けっこう愕然とした。
この手の品は、これまでは各飲食店、レストランに紙のカタログとして届けられていたものだろうから、消費者の目に触れることはなかったのだろうけれど、ネット通販全盛のこの時代では、探そうと思えば簡単にそんな資料をみつけることができる。安価なバイキング料理もさることながら、「カタログから選んで詰めるだけ」が簡単なのは、「おせち料理」。
プロの目で見れば、おせち料理の写真1枚見れば「これとこれが出来合い」とわかるものなのだそう。買う側も、お手頃価格のおせちが「自社工場or厨房で黒豆から煮ています、数の子の塩抜きからします」なんて状態ではないのは承知していることかもだけれど、じゃあ材料ってどこのものなのか、食品添加物がいかほど入っているのか、なんてことは把握できない。
その点、信頼できる料理店の手によるものなら間違いなく安心していただけるのだけれど、殊に「弁いち」さんときたら、頑固なまでに「手作り」を貫いている。生鮮品、調味料以外の加工品は「麩」くらいじゃないか、というくらい。毎年定番の唐墨も、お店の自家製だ(これがまた、超美味しい……涙出るほど美味しい……)。
今年は仕込みの具合を、twitterで日々実況してらして、それを拝見しておせちをいただくのを楽しみにする反面「うええぇぇぇ、単位がすごいぃぃぃぃ」と仰天していた。最初の頃にアップされた鍋に入った栗の写真を見て「これは、豆?」と思ってしまったほど(鍋が巨大すぎて、栗が豆のサイズに見えていた)。
おせち料理らしく、どれもこっくりめに味がついた料理の数々は、でも一つ一つが全く違った味わい。炊いたお麩ひとつとっても、甘く煮られた椎茸ひとつとっても、幸せに美味しかった。
「ちょ!鴨鴨鴨!鴨おいしい!」
「この魚が美味しい!」
宝探しをするようなわくわくを味わいながら、1品1品美味しくいただいた。
元旦、本番のお酒は私もだんなも大好きな「菊姫」、山廃純米限定酒 鶴乃里 21BY。旨味があってベタッとしない、気品があるけれど男臭さも感じるようなとてもバランスの良い美味しいお酒。美味しい肴もあるものだから、あっという間に4合瓶が空になった。
で、あとはゆるゆると、微発泡の「安芸虎 うすにごり活性生酒 素」を1本(といっても330ml瓶だし)を空けて、「なんか物足りなーい」と、金陵 ゆず酒をロックでグラス一杯。
そんなこんなで、もうすっかり良い気分になった元旦。
我が家らしく、今日はとにかく「美味しいもの始め」だった一日だった。