2024年11月9日土曜日

京都の夜は居酒屋「たつみ」

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「ウェスティン都ホテル京都」にて
 朝食ブッフェ
いつだって最高な、「ウェスティン都ホテル京都」の朝食ブッフェ。
 
けれど来る度、「あ、あれ、無くなっちゃった(or変わっちゃった)んだ?」みたいなのはちょこちょこあって。
 
八代目儀兵衛のお米(とその場で握ってくれるおにぎり)がいただけるのは変わりなく、小鉢に詰まったお惣菜がずらりと並ぶ美しいブッフェ台は変わらずだったけれど。
 
でも美麗な盛り合わせ済の炊合せだったものがブッフェ式になったのが今回の大きな違いだったかも。
 
こんな感じに、ちょっと殺風景な炊合せコーナー。
 
個人的には
「うずら玉子が食べ放題!」
と、その部分にテンション上がってしまったのだけど、飛竜頭・小蕪・結びこんにゃく・うずら玉子という盛り合わせ。
 
もうちょっと、別容器にでも色味がほしいなあとは思ってしまった。きぬさやとかね。
 
ともかくも、"第一陣"はこんな感じに。
 
鯖とヤングコーンの蒸し物に筑前煮、洋風コーナーの温野菜、温泉豆腐に自家製豆腐に蒸し豆腐、ひじきの煮物、蒸し茄子。
 
おにぎり具材の選択肢も変更なしで(多分)、ツナマヨネーズ・塩鮭・梅干し・ねぎ味噌・ちりめん山椒・昆布・牛しぐれ煮という品揃え。
 
ちなみにドリンクコーナーにあったお水が、伏見の酒蔵の仕込み水だったのがなんだかちょっとすごかった。
 
そしてなんとなくだけど、年々おにぎりが小さくなってきているような……?
 
初めてこのホテルで朝食を摂った時のおにぎりはもう少し大きかったような気がしている。
 
一口半ほどでぱくっと食べられるサイズ感なものだから、ついつい3個。
 
ねぎ味噌、ちりめん山椒、牛しぐれ煮でいただいて、ぱりっぱりの海苔と共に今日もおいしくいただいた。
 
で、そこで止めておけば良いのに、
 
「ここのコーンスープすっごくおいしいんだよ……」
 
などと言いつつ、ミニサイズのパン・オ・ショコラとコーンスープの第二陣。
 
フレッシュのを絞ってくれているミニグラス入りのオレンジジュースもついついおかわり。
 
でも、このコーンスープが本当においしいんだ……持ってきて少し置くと表面に薄膜が張るほどの濃厚さで。
 
そして最後にフルーツと、フルーツヨーグルトを。
 
オレンジ、グレープフルーツ、パイナップル、りんご、メロンという、よくある風な組み合わせのフルーツではあったものの、これもどれもしっかり熟れていておいしいものばかり。
 
パイナップルがびっくりするほど甘かった。
京都 「キッチンゴン 京都六角本店」にて
 全部のせスペシャルピネライスS \1300
 プリン \300
 ドリンクセット \250
京都大好きだけど、京都の寺社仏閣が好きというわけではない私たち。
 
いや、風光明媚な場所に行くこと自体は好きだけど、京都のインバウンドのお客さんはもう明らかに増えていて。
 
去年の秋と比べるだけでも、1.5倍?いや2倍?そのくらいに、本当に外国人客が溢れていて、なんだかもう、これという用事のあるお店に買い物に行く以外、特段行きたい場所もないわねえという感覚になってしまった。
 
ホテルのそばだから京都動物園に行ってみる?なんて話もしていたのだけど、結局、昼間のお出かけでかなり疲れてそれも叶わず。
 
というわけで午前中は京都駅方面に出かけて、「ジェイアール京都伊勢丹」でお買い物してきた。
 
私の"栗活"は相変わらずで、買ったものは、
 
鳴海餅本店」の
栗赤飯300g \778
緑寿庵清水」の
焼栗の金平糖 \1950
鼓月」の
姫千寿せんべい 栗モンブラン \1400
本家西尾八ッ橋」の
あん生八ッ橋 栗 \251
聖護院八ッ橋総本店」の
旬菓くり八つ橋 \270
京都銘菓 おたべ」の
個包装おたべ(栗あん) \300
 
と、笑っちゃうほど栗尽くし。
 
そして伊勢丹は、色々な店の漬物を1つから買うことができるコーナーが嬉しくて。
 
なるべく関東では買えないお店のを……と選びに選んで、いかにも秋っぽい漬物をいくつか選んでみた。
 
赤尾屋」の
繭味大根 \600
ゆず入り長いも \400
京つけもの処 近為」の
柚こぼし \460

あとは、日本酒。
 
伊勢丹内和洋酒コーナーで試飲させてもらって「あらこれおいしい」と買ったのと、錦市場、「津之喜酒舗」さんに寄って購入したものと。
 
錦市場は去年よりも格段に、"串焼きもの"のお店が増えていた。
「え、以前あなた、こんな業態でしたっけ?」風なお店がやたらと増えていて。
 
前からそんな気配はあったけれど、今はもう本当に、"地元民の台所"の雰囲気は消えてしまったなという印象で、私たちも、この酒屋さんが無かったらもはや錦市場には足を向けないと思う。
 
店頭には、外国人客にはそのプレゼンテーションが効くんだろう、食品サンプルのマグロのお寿司や海老天などがずらりとテカテカ艶を放って並べられていたりして、とっても下品。
 
そういう店に群がるわかりやすく外国人客。
そんな図式が、通りのそこここ、うんざりするほど展開されていた。悲しいなあ。
 
そんな中、気に入りの酒屋さんは変わらぬ佇まい、充実の品揃えで安心したわけだけど。
 
JR京都伊勢丹和洋酒コーナーで購入
伏見 金鵄正宗 純米吟醸 原酒 限定氷冷貯蔵 \1980
錦市場「津之喜酒舗」で購入
滋賀 松の司 2023(R5BY) 生酛純米酒 限定生原酒 \1782
滋賀 松の司 尾花 純米酒 \1782
伏見 英勲 真向 純米吟醸原酒 生 \1980
 
熟成酒をブレンドしたという面白い趣向の松の司の"尾花"は、R3BYが24%、R4BYが17%、R5BYが59%というブレンド酒なんだって。
飲むのが楽しみ。
 
で、昼御飯にと訪れたのは、錦市場からほど近い、「キッチンゴン 京都六角本店」。
 
開店直後くらいに店に赴けばすんなり着席することができたけれど、退店する時には10人以上のお客さんが入店待ちで並んでいた。
 
ここは名物"ピネライス"のお店。
 
この店発祥の、"夢の大人向け洋食プレート"のようなこの品は、公式サイトの解説によると、
 
チャーハンにポークカツレツにカレーソースをかけた三位一体の欲張りメニュー! !
 
又六角本店では仕上げに色々トッピングもご用意していますので是非貴方だけのオンリーワンのピネライスでお召し上がり下さい。
 
(中略)
 
ピネライスのピネですが創業者の権藤吉彦が海外での修行中にトンカツを出した所、フランスの方からカツをもっと小さく小さく(フィネ、フィネ)スラングで(ピネ、ピネ)と聞こえていたことからピネライスのピネがついております。
 
というものだそうで。
 
スタンタードなピネライスをいただこうかなと当初は思っていたのだけれど、メニューにあった"デミソースのピネライス"がどうにも魅力的で、だんなも私もこちらをいただくことにした。
 
だって、"チャーハン&トロトロ玉子+ポークカツ+デミソース&トロトロチーズの組み合わせ、しかもガーリップチップつき。完全無欠すぎて。
 
そして入口近くの壁にはこんなかわいい掲示もあった。
 
プリン始まっちゃったんなら食べずにはいられないなあと、これもいただくことにして。
 
そしてやってきた、夢のピネライス、こんな感じ。
これに、デミタスカップの小さなコーンスープもついてくる。
 
だんなも私もSサイズにしておいたけれど、それでちょうど良かったと思う。
 
ケチャップライスのオムライスにトンカツ、デミグラスソース、上からとろけるチーズたっぷりという、禁断の洋食盛りに、駄目押しのようなガーリックチップ。
 
セロリの風味の千切りキャベツと、福神漬けまで添えられているのがちょっと面白かった。
 
カツはゴーゴーカレーのトッピングを2mmくらい厚くしたくらいの薄切り感で、デミグラスソースが適度に染みて。
ご飯も玉子もカツもソースも、諸共口に入れて食べるのがめっちゃ幸せだった。おいしかったー。
 
そしてこちら、デザートプリン。
 
足つきの銀のカップに缶詰チェリー、ホイップクリーム、もう完璧な絵面。
 
ねっちり固めのプリンはとても好きな方向で、カラメルソースがしっかり苦くてたっぷりだったのも好印象。
 
けどこれ、卵もちゃんといっぱい入ってそうなのに、ゼラチン特有っぽいような、むっちりした食感も感じられたのが若干違和感で。
 
なんか、卵の力だけで固めた食感じゃない気がする……?と、そこだけが微かな残念感だった。見た目はパーフェクトなクラシックレトロプリンだっただけに、この食感だけが残念で……。
京都河原町「たつみ」にて
 牛すじどて焼 \580
 鳥きも煮 \380
 スタミナ揚 \280
 焼厚あげ \280
 かんぱちかま焼大 \880
 揚げだしなすび \380
 丹波紫ずきん \380
 鯖へしこ \380
 香住産岩のり \280
 蒸し焼売 \380
 どぼ漬けきゅうり \280
 ライス大 \280
 宍道湖産 しじみみそ汁 \380
 瓶ビール大(サッポロラガー) \580
 日本酒(新潟 鮎正宗「毘」 純米にごり酒) \580
 日本酒(秋田 刈穂 秋 純米吟醸) \750
 日本酒(京都 蒼空 純米吟醸こうじましまし) \850
 日本酒(高知 酔鯨 しぼりたて生酒) \600
 日本酒(奈良 春鹿 超辛口 中取り 熟成生原酒) \750
 日本酒(京都 蒼空 純米ひやおろし) \850
そしてホテルの部屋に戻っての午後は、のんびりと他にほとんどお客さんのいない大浴場を心から満喫して、部屋でのんびりごろごろして。
 
夕方になってから再び四条河原町方面にお出かけした。
 
今日は「京都の三大名居酒屋」の1つと名高い(残りは去年行った「神馬」さん、そして「京極スタンド」さん)「たつみ」さんに。
 
予約はできるらしいけれど、最初自力で取ろうとしたら、とにかく電話が繋がらなくて。
前回「神馬」さんの予約もお願いした、ホテルのコンシェルジュさんに泣き付いたら、華麗に予約を取ってくださった。
 
予約取れましたの丁寧なメールをお願いした翌日頃にはいただけて、チェックイン時にも印刷した店へのアクセスルート等のレターをくださり、至れり尽くせり。
 
ちなみに、「御予約後のキャンセルに関しましてはお一人様に付き¥5,000のキャンセル料が発生致します」ということだけど(「神馬」さんもそんな感じだった)、もう全然構わないので。予約を取ってくれるのだからそのくらいはね。
 
案の定、店頭には10人ほどのお客さんが待っていて、そして特段時間制限も無いお店だから、奥のテーブル席に通されてしまえば長いこと滞在する人も少なくないだろうことが察せられた。
 
そしてこの店の名物と言えば、この、壁の一面に貼られたメニュー紙の山。
 
1枚紙のメニューはなく(けど海外からのお客さんにはそれらしい英語メニューを出してはいた)、ひたすら周囲をきょろきょろして「あれおいしそう」「こっちもおいしそう」という感じに注文していく。
 
ご覧の通り値段はお値打ち、ビールもサッポロアサヒキリンと選べる手厚さで。
 
で、日本酒は10種類ちょっとくらい。
 
秋上がりにひやおろし、季節のお酒もしっかりあって、京都のお酒から東北、北陸と色々あった。
 
すごく選んだ結果のこの品揃えっぽいぞ……?と、飲んでみたお酒はどれもおいしくて。
 
一番の気に入りは左の写真、右側の鮎正宗の純米にごり酒"毘"だったかな。
京都のお酒、"蒼空"の"こうじましまし"もとっても良かった。
 
そしてなんと言ってもお料理が、どれもこれも、素朴な風合いながらおいしくて。
 
写真のように見た目はまあまあ地味目で、量も控えめ。
 
けれどこのご時世、1品300円以下のおつまみがいっぱいあるのは素晴らしいし、何を頼んでもおいしかった。
 
人気メニューは"牛すじどて焼"のようで、こっくり味のこちらはもちろん、更にシンプル見た目の"鳥きも煮"も臭みのないおいしさで。
 
"スタミナ揚"はにんにくの素揚げ、そして「揚げだしは何を食べてもおいしい」と口コミで見たのも納得の、”揚げだしなずび”のおだしのおいしさ。
 
若干見づらいところにメニュー紙が貼られていた"かんぱちかま焼"は、記載の金額は770円だったのだけど、大きなサイズもあってそちらは880円なのだそう。
 
「どっちがおいしいですかね?」
と店員のお兄さんに尋ねて悩ませてしまいつつ、どうせだったらと大きい方を選んだら、これが最高においしかった。食べ応えたっぷり。
 
塩とレモン、そしてポン酢+もみじおろしが添えられて、ほっくほくの身は脂もしっかり乗っていて。
 
このあたりでは日本酒に移行していたので"へしこ"と岩海苔の佃煮もいただきつつ、そして初めて食べた"丹波の紫ずきん"。
 
「紫ずきん」とだけメニューにあって、これ何?お芋?とググってみたら、黒豆の枝豆なんですって。
 
JA京都の「紫ずきん|京の産品図鑑」によると、
 
“紫ずきん”は最高級の品質を誇る丹波黒大豆を品種改良した枝豆専用の品種で、デビューし約10年(※記事は2007年10月のもの)たった今、独特の風味を持つことで高く評価された新しい秋の味覚です。
 
豆の薄皮がうっすら紫色で形が頭ず巾きんに似ていることから命名されたこの“紫ずきん”の魅力は、通常の枝豆にはない粒の大きさと甘味です。ビタミンCと、甘味や旨味を呈するアミノ酸が多く含まれ、また糖分も多く、ゆでることにより一層増加します。これは紫色に色づき始める頃から増え出す大豆オリゴ糖が一部ショ糖に変化するためと考えられています。
 
“紫ずきん”の販売は9月中旬からごく限られた期間となっており、今がまさに食べ頃です!まずは塩ゆでで秋の味をお楽しみください。
 
だそうで、なるほど、茹でてあってもさやも実も黒々としている。
旨味しっかりで、とてもおいしい枝豆だった。
 
"どぼ漬け"と呼ばれている京都のぬか漬けもいただいたり。
 
でも終盤に貰った焼売ははんぺんベースの海老入りみたいな、ちょっと化学調味料風味を感じるもので、これだけはちょっと残念だったかな……うっすら漂う出来合いの味わい。
 
最後は、へしこも海苔の佃煮もあるしと、ライスの大としじみ汁を貰って、ぬか漬け傍らに、"ご飯のお供"セットでお米もしっかりいただいた。
 
居酒屋だけれど、こうして普通にライスがある(しかも大が選べる)のって面白いなあ。
 
そんな感じで、日本酒6杯にビール、おつまみもいっぱい頼んでお会計は11000円。
 
「神馬」とどっちが好きかは、方向性が違いすぎるので一概には言えないけれど、こちらの方が緊張せずに肩の力を抜いて楽しめるところはあったかなと思う。
 
さて、それじゃあ次回は「京極スタンド」に……ということになるんだろうか。相席上等という、なかなかディープな酒場らしいのだけれど。