2016年2月27日土曜日

3年ぶりの蔵王温泉!

※今日の写真はクリックすると大きくなります※
山形新幹線車内にて
 「ほんのり屋」の
     海老天むすび
     北海道石狩漬けむすび
     鶏の唐揚げ
 お茶
たいそう久しぶり、この週末は3年ぶりの山形蔵王スキー旅行。
 
今年は、いつものメンバー親子が受験年ということで、参加は我が家3人+友人夫妻2人の計5人。私はというと、昨秋あたりから肩の具合が悪くて(いわゆる「四十肩」というやつで……)、「この肩じゃ転んだら立つのが大変そうだし、そもそもストック上手く使えそうにないし」とスキーは断念、今回の旅行はひたすら「湯治」目的。
 
朝出発なので、いつも通りに東京駅構内の「ほんのり屋」で朝食おにぎりを買い込んでから、山形新幹線乗り場に向かった。横須賀線で人身事故があった影響で在来線にダイヤが乱れまくり、元々余裕をもって行動していた我が家も、友人夫妻も予定よりかなり逼迫した感じで新幹線ホームに到着することができた。
 
席について、さっそく朝御飯をもぐもぐ。定番の「海老天むすび」は、いわゆる「天むす」なのだけど、サイズが通常おにぎりサイズだから、見た目、かなりゴージャス。私もだんなも、これがたいそうお気に入り。
 
で、だんなと息子が定番の「鮭いくら」を頼む中、私はそれに似て非なる季節限定メニューの「北海道 石狩漬けむすび」を選んでみた。「石狩漬けとは紅鮭といくらを麹漬けにした北海道名産の珍味です」とのこと。麹のほの甘さを感じる、とろっとした食感の鮭が美味しいおにぎりだった。息子のリクエストで唐揚げも購入。
 
友人夫妻はモンハン仲間でもあるので、道中はせっせと狩に興じて、山形までおよそ3時間。
山形 「平田牧場」にて
 金華豚厚切りロースかつ膳 \2100→\1500
 庄内風芋煮 \300
山形駅に着くと11時を少し過ぎたところで、蔵王温泉まで移動してからの昼御飯だと飲食店が混むタイミングになっちゃうかなと、移動前に早め昼御飯にすることに。
 
山形と言えば「平田牧場」、ということで、駅コンコース内にある店舗でささっと昼御飯にした。
 
嬉しいことに、この週末は開店6周年記念キャンペーン中。「3日間の特別価格」とのことで、金華豚厚切りロースかつ膳の通常2100円が1500円というお値打ち価格になっていた。山形名物の「庄内風芋煮」のメニューが壁に貼られていたので、これも美味しそうだねと1つ注文してだんなと半分こ。お酒は自重。
 
卓上には甘口ソースと、辛口にんにくソース、キャベツ用のドレッシングが2種類。あと、お店の方に「ロースの脂に添えていただくと美味しいですよ」と勧められた、藻塩の小瓶。
 
山形駅「平田牧場」でおひるごはん。金華豚ロース、うまっ! さすがの銘柄豚は、その脂がとろけるような甘さと美味しさだった。
 
確かに勧められたとおり、藻塩を添えるとソースよりさっぱり美味しくいただける。
 
キャベツと味噌汁、御飯はおかわり無料とのことで、私はいつも通りにキャベツをおかわりして、せっせと食べまくった。
 
千切りキャベツがたっぷり食べられるお店は、良いお店!と断言したくなるくらい、私は千切りキャベツが大好物。
 
ちらっと試してみた、辛口にんにくソースも、思った以上にこってり濃厚なにんにく味で面白かった。美味しいとんかつに合わせると肉の旨味が損なわれそうな感もなくはないけれど、キャベツにかけるのも美味しい。
 
庄内風芋煮は、豚肉+味噌の組み合わせなのであるらしい。同じ県内でも内陸は牛肉+醤油なのだとか。確か、秋田の芋煮は鶏肉+醤油が一般的だったかな。
 
こんなに雪の少ない2月の蔵王温泉は初めてかも。春先のような光景でした。 で、食後は急ぎ蔵王温泉に移動して、私以外の一同は3時間ほどの午後スキーへ。
 
私は別行動で、「今日は共同浴場巡りしてきまーす」と、温泉街に向かうべく、バスターミナルで別れて温泉街の坂を上りはじめた。
 
今年の蔵王はびっくりするほど雪が少ない。
 
スキー場は麓のコースも全て営業できてはいるようだったけれど、温泉街の道路にはほとんど雪が積もっていなかった。歩きやすいのは何よりだけど、物足りなくて寂しくもある……かなぁ。
 
蔵王温泉「下湯共同浴場」。そこかしこから湯気がもうもう出ています。 財布に100円玉詰めて、いざいざと、最初に入ったのは「下湯共同浴場」。
 
まず体をあっためましょう、と、温泉街の坂を登って最初に辿りついたこの浴場に入った。
 
入り口のポスト風の集金箱に200円入れて入ると、女風呂のお客は私1人。やったー貸切だーと、人のいないうちにと写真数枚撮らせてもらって、さっそく入浴した。
 
蔵王温泉「下湯共同浴場」内部。良い感じに古びております♪ 源泉は複数あって微妙に肌触りや温度、PHが異なるものの、蔵王温泉は強酸性の硫黄泉。
 
難しい表現だと「酸性・含鉄・硫黄-アルミニウム硫酸塩塩化物泉(旧泉質名:含硫化水素強酸性明ばん緑ばん泉)」というもので、「卵が腐った匂い」の白濁温泉。
 
私が一番好きな、温泉らしい温泉の泉質で、蔵王に行きたいと思わせてくれる、大きな魅力のひとつだ。
 
ただ、蔵王温泉は、全体的に「熱い」。以前一度泊まった宿の大浴場は加水した適温の浴槽だったのだけれど、館内の別室にあった「源泉風呂」に入ってみたら、熱湯コマーシャルでもやらせる気なのかしらという温度で、かけ湯すらほとんどできなかったことがある。タイミングが悪いと、「明らかに45度どころか50度以上ありそうですよね……?」という湯温だったりする。
 
でも、今日の下湯はすんなり入れる適温だった。それでも多分43度くらいはあったと思うけれど、肩までしっかり浸かって3分くらいは入っていられる温度。
 
浸かりっぱなしで長湯はできないので、ちょいちょい湯船を出ては、洗い場(と言ってもシャワーも蛇口も石鹸も何にもない。あるのは洗面器だけ)で休憩しながらゆるゆる入る。
 
ほどなく、地元のおばあちゃんがやってきて、「や、さんびね、さんびね(=寒いね)」と入ってきたので「でも今日は良い天気ですねー3年ぶりに蔵王に来たけど雪少なくてびっくりしました」と返したら、そこからおばあちゃんのマシンガントーク開始。少しして、東京から来たのだという20代のお姉ちゃんもやってきて、3人でおしゃべりしながら40分くらい長湯してしまった。
 
おばあちゃん、東京出身で蔵王温泉に嫁に来たそうだけど、言葉はもう完璧に「地元のおばちゃん」。秋田弁のヒアリングスキルをもってしても、本格山形弁は6割くらいしか理解できない。でも、聞いた話は色々と面白かった。踊りの先生をしていたから色々な温泉街の芸妓さんに会っていたそうで、あすこの芸妓はだめだぁーあすこの芸妓はすんばらしかったーとか、色々。
 
今年の蔵王の雪は、雪自体はけっこう降るけど、それ以上に気温が高くて雨が降るからどんどん溶けていってしまってる、
とか、
自分はこの下湯が一番好きで毎日来ている、上湯は湯が強すぎて肌がブツブツになるから苦手、川原湯は改装して綺麗にはなったけど狭くて居心地悪いからやっぱり好きじゃない、
とか。
 
どこかで下湯の評価として「上湯ほど攻撃的ではない」という表現を見ていたのだけれど、なるほどなぁと思った。
 
蔵王温泉「河原湯共同浴場」入口。数年前に改装したばかりで、とっても綺麗。 じゃあその攻撃的な方も行ってみましょうか、と、2人とお別れして、手早く身支度整えてからまた坂を登って、次は「川原湯共同浴場」へ。
 
ここは「すのこ状の浴槽底から常に新鮮な湯が湧き出ている」という面白い浴槽で、そのすのこの目が粗い(隙間が広い)こともあって、なんだか不思議な入浴感。
 
下からふよふよと、熱い湯が沸いてくるのを肌で感じることができる。
 
しかしここ、めっちゃ熱かった。首まで浸かって、30秒もしたら体中が真っ赤になるくらい。
 
入り口に「この浴場は温度が安定しません」的な注意書きがあるほどで、どうやらタイミングによってはぬるく感じる時もあるみたいだ。
 
湯は他2つに比べてかなり透明で、湯の花も少なめ。浴槽の奥に、ほぼ1人分のスペースのタイル敷きの一角(ちょうどそこの床が湯の水面と同じくらいの高さで、ひたひたと表面だけ濡れて温かいようになっている風)があって、そこでは先客が、時折ざばざば肩に湯をかけながらくつろいでいた。ああ、その場所だったら長湯できそうで羨ましい……と思いつつ、下湯、上湯ほど広くない洗い場で休み休みするのも難しくて、20分ほどで退却。
 
蔵王温泉「上湯共同浴場」。立派な共同浴場だけれど、人影はまばら。 そして最後に「上湯共同浴場」。
 
私、ここが一番好きかも。湯温は下湯より高いけど、浴槽は一番広かった感。
 
おばあちゃんが「強い」と言っていた湯は、確かに肌にピリピリ来るほどの刺激があって、湯の花たっぷり。
 
浴槽の底の隅には、すくって泥のように体に塗れるほどの湯の花が積もっていた。
 
蔵王温泉「上湯共同浴場」。浴槽が一番広いのはここ。濃厚なのもここ。 「温泉で肌が荒れたこととか、一度もないし~♪」
と、貸切状態だったのを良いことに、たっぷり満喫。
 
「やったぁ、1人だ!」
と、脱衣場に入って早々、写真もしっかり撮っておいた。
 
入浴中、一度、スキーウェア着用の若いお嬢さんグループがどやどやと入ってきたのだけど、賑やかに
「げ、シャワーとかないんだ?」
「シャンプーとかは?」
「ないないない」
「えええー」
なんてやりとりの後、数分で退場。
 
蔵王温泉「上湯共同浴場」、浴室から上を見上げるとこんな感じ。美しい~。 木造の建物も実に味があって、吹き抜けの屋根近くは外気が入ってくる造り。太い梁が縦横に走っていて、なんとも良い雰囲気だった。
 
そうこうするうちに、宿にチェックインできる時間になったので、温泉街にある酒屋さん「伊東商店」でお酒3本買ってから宿に移動。
 
夜に飲む用の「山形 タケダワイナリー サン・スフル白」(\1944)と、お土産用は「山形 男山酒造 羽陽男山 無濾過本生 純米原酒 (出羽燦々・六割磨)」(\1404)と、「山形 羽根田酒造 羽前白梅 山廃 純米吟醸 無炭素生詰 24BY (阿波産山田錦・六割磨)」(\1728)を購入。
 
山形駅の酒屋さんで、多分「秀鳳」は買うだろうから……と、山形地米の出羽燦々のお酒と、2年熟成のお手頃価格の純米吟醸を選んでみた。どうかなー、だんなが好きな感じのだと良いのだけれど。
山形 蔵王温泉 常宿にて
 夕御飯
 
お部屋で
 「蔵王クリームチーズ」の
     ガーリック
     トマト&バジル
     ソーダクラッカー
 「舊振南」のパイナップルケーキ
 白ワイン(サン・スフル)
皆より一足先に部屋に入って、空いているうちにと宿のお風呂で髪や体を洗ってしまっているうちに、だんなたちがスキーから帰ってきた。
 
だんなたちが風呂に行く前に皆でちらりと買い出し(夜のおつまみとか、風呂上がりのビールとか)を買いに行って、夕食前に私はチューハイを1缶。美味しそう、と手にとったのがアルコール度数9%の「ストロングゼロ」だったものだから、思った以上に酔っ払い。だんなもビールを飲んだことだし、と、食堂で食べる夕飯は、お茶を傍らにアルコール無しで食べてきた。
 
  • 先附 茸ゼリー寄せとスモークサーモン 山葵菜 紫玉ねぎ
  • 前菜 赤貝生姜醤油漬け かに流し たらの芽揚げ 鴨ロース焼き 菜の花と海老旨煮
  • お造り 鮪 カンパチ 刺身こんにゃく 妻一式
  • 焼物 焼き鰤大根 はじかみ ライム 小豆南瓜
  • 煮物 ひりゅうずと鰊と筍の炊合せ 絹さや 梅麩
  • 鍋 国産牛肉しゃぶ鍋 ぽん酢 柚子胡椒
  • 酢の物 ハタハタ南蛮漬け パプリカ 針胡瓜 セルフィーユ
  • お椀 きりたんぽ汁
  • 食事 白米 山形県産はえぬき
  • 香の物 青菜漬 赤かぶ漬
  • デザート 抹茶ケーキ オレンジ いちご
  • お茶
 
いかにもな「温泉宿飯」なずらりと並んだ料理の数々、各席にちゃんと献立表が置かれていた。
 
出来合いのものも使われている風だし、焼物など含めて多くの料理はすっかり常温にまで冷めてしまったりはしているけれど、でも鍋物があったり、汁物が具沢山で美味しかったり、なにより米飯が幸せに美味しかったりで、私たちはここの食事をけっこう気に入っている。
 
ちょっと前までの息子は「ここの夕食、食うものないんだよなぁ」という顔をしていた息子も、赤かぶ漬を「これだけ要らない」と私に寄越してきた他は、全ての料理を平らげていた。
 
今日は、お椀がきりたんぽ汁、酢の物がハタハタと、ちょっと秋田寄りの品が入っていて嬉しかったなー。ハタハタ大好き。
 
夕飯が6時スタートだったので、それからは長い夜。
 
土産物屋さんで買ってきた、「蔵王クリームチーズ」のガーリック、トマト&バジル、それを塗って食べるソーダクラッカーをテーブルに並べて、昨日まで(!)出張で台湾にいたのだという友人旦那さん土産の台湾パイナップルケーキももぐもぐ。数時間前に買ってきたサン・スフルもあっさり空になった。
 
モンハンやったり、カードゲームやったり、0時近くまで遊んでから布団に沈没~。おつかれさまでしたー(温泉巡りだけやっていた私はあんまり疲れてないけども)。