2012年7月12日木曜日

料理教室と黒猫の一日

※今日の写真はクリックすると大きくなります※
「Johan」のチョコブレッド
バナナヨーグルト
フルーツジュース
珍しくも今日食卓にのぼったのはフルーツジュース。
 
母が滞在中に何やらスーパーで買ってきたもので、「そろそろ飲むか」と食卓に。私がこの手のものを買うことはまずないから、とても新鮮な味わいだった。トロピカーナの「マンゴーブレンド」だそうで、りんご果汁にマンゴーピュレを加えたブレンドジュースらしい。……美味しいな。また買いたいけど、これはちょっと贅沢品だな。
 
「バナナヨーグルト」は、バナナブレッドを作った残りのバナナを適当に刻んでプレーンヨーグルトに混ぜたもの。甘みがちと足りないので自家製練乳を足した。そんな感じの朝御飯。
 
さて、今日はお出かけ。朝のうちにささっと家事を済ませましょ……と慌ただしくゴミを出しに行ったら、ゴミ捨て場のゴミの山の隣にうごめく小さな黒い紙袋がある……と思ったら、黒い子猫なのだった。
 
母猫の姿なし、兄弟猫らしき子猫の姿も全くなし。車通りも人通りもあるところで、うずくまってプルプルしている。手を出して逃げていくようなら(逃げる体力とか警戒心とかあるなら)それで良し……と手を出したらすんなり触ることができた。背骨のゴツゴツがわかるほどやせこけていて、「警戒していない」んじゃなく「動けない」といった様子。
 
こりゃマズいなぁ……と本格的に持ち上げようとしたら、「シャー!」言われて、ガブーッと思いっきり細い歯で指を噛まれた。
「いったあああああ!……こわくないーこわくないからー!何もしないからー!」
ナウシカのように感動的なシーンというわけにはいかず、子猫相手に「まあまあ、まあまあまあまあ」言いながら「噛んでくれるな」と拘束して我が家に移動。あまりにシッコ臭かったから「衰弱しているところ申し訳ないけど」と、軽く洗わせてもらった。
 
子猫を保護しました……が…… こんな感じの、真っ黒な可愛い猫。お腹のあたりと、両後ろ足の先だけが靴下履いたみたいに白い毛が生えている。
 
目は見えている、耳も多分大丈夫、声も「チー!チー!」という風に元気に出ている……けど、なんだかこの子、ちょっと、変。
 
なんだか目を回しているみたいに目線がゆらゆら揺れて定まらず、それと一緒に首もゆらゆら揺れている。後ろ足がふんばれない風で、逃げだそうと動くのに体がついていかない、みたいな。常にゆらゆら揺れているから写真もブレる。
 
「うーん……衰弱してるだけ?……病気?」
と、出かける前にさらっとネットで検索して「脳症……とかじゃないといいんだけど」と、とりあえずは手持ちのケージに入れて御飯あげて(子猫用フードなどはないので、一番柔らかで栄養価も良いと思われる「モンプチ」のパウチパックの具を細かくしてあげた)、予定通りにお出かけすることに。
田中玉緒さんの料理教室
 オレンジ風味の海老のベーコン巻き
 玉ねぎのフリッタータ
 冷製カペッリーニ グリーンアスパラのソース
 塩麹でマリネした鶏のロール焼き
 新生姜の香るチーズケーキ フレッシュマンゴーのソース
 台湾パイナップルジュースのワイン割り・赤ワイン・生プーアル茶など
今日は田中玉緒さんのお料理教室。
 
今月も素敵なメニューだなぁと思っていたら、「この日程は空きがあるのでよろしければ」とすべりこませていただけた。
 
仲良しの友人も参加することになり、教室に向かう道中でばったり落ち合い、おしゃべりしながらてくてく向かう。このところ、品数少なめ&参加費お安めのベーキングレッスンに参加することが多かったから、品数豊富なイタリアンレッスンは久しぶり。充実の内容に身も心も満足した。
 
夏らしい、冷たくいただける料理が多かったので、蒸し暑い雨模様の今日も美味しく楽しく味わえて、夏のヒントを色々いただけたのがとても嬉しい。
 
いつも通り、先生の調理を厨房前で拝見して、その席につきながら最初のお酒と前菜をいただき、パスタ・メインディッシュ・デザートは講習終了後、ドレスアップしたダイニングテーブルに着席してのレストラン風のサーヴィスで。
 
今日の参加者は8人。アシスタントさんもいるとはいえ、「家庭の台所」とさして変わらない設備でこれだけの内容を次々供する献立の組み立てや手際の良さは、いつもながら素晴らしいなぁと思った。
 
田中玉緒さんのお料理教室。緑色の冷たいパスタ♪ こちらは、ピュレにしたアスパラを使った冷たいパスタ。
 
「髪の毛」を意味する極細パスタ、私は長らく「カッペリーニ」だと思っていたのだけれど、「カペッリーニ」が正しいのだと、今日初めて知った。
 
確かに綴りを見ると「Capellini」だから、「カッペ」と跳ねる要素は入っていない……けど、日本人には「カペッリーニ」は言いにくいから「カッペ~」になってしまったのかな。
 
スティックタイプのパイが乗り、豪華に蟹肉も乗った冷たいパスタには、「ご家庭でいただく時にはこれは抜きでも大丈夫ですが」と、コンソメジュレを散らして。このジュレが良い存在感で、でも家でやるには……確かに面倒くさいかな……(でも美味しいな……)。
 
クリームベースなのだけれど、冷たいパスタにありがちなベタベタした口当たりではない、あっさりと心地よい舌触りの緑のパスタだった。
 
で、今日の一番上の写真は、「鶏のロール焼き」。
昨冬に遅まきながら私がハマッた塩麹、玉緒さんはそれに更に数ヶ月遅れてブームが到来したらしい。「お互いに、遅すぎです」と苦笑いしつつ、でも、お食事中に出していただいた塩麹入りのパン(バター抜き、牛乳も脱脂粉乳ととてもヘルシー!)もとても美味しく、焦がさずに焼く鶏のヒントも聞けばなるほど、の面白いものだった。
 
さりげなく添えられたトマトのコンポートがこれまた美味しくて、これにもびっくり。
 
これは是非とも作らなきゃ、のレアチーズケーキ。 デザートは、生のマンゴー果肉をふんだんに使ったレアチーズケーキ。
 
先生のブログでは、ケーキ型にカットされた盛りつけが紹介されているけれど、「ちょっと趣向を変えて」と、私の前には1人分の器に固めたプレゼンテーション。
 
シックな色合いのジェンガラのお皿が逆に涼しげで、夏っぽさも感じる。私はこちらの盛りつけの方が好みかな~。
 
簡単に作れるこのチーズケーキ、中にはなんと新生姜のすりおろしがけっこうたっぷり入っている。一口食べて「あ、生姜だ」とわかる生姜の存在感だけれど、新生姜ということで辛さはほとんどなく、ただひたすらに爽やかな感じ。でもしっかりと「チーズケーキ」。
 
方向性は違うのだけれど、食べて「辛い」と感じるほどの、香港の生姜風味の牛乳プリンを思い出した。私はもうちょっと生姜多めの方向でもウェルカムかも。
 
ぶっちゃけ、このチーズケーキは先日手作りした「ほぼ日」レシピのものよりもずっと好みな感じで、これはちゃんと復習しなきゃなと思ったのだった。
 
鶏肉は明日早速復習してみようかな、お菓子は……今日のレアチーズケーキも、前回のバナナップルパイもまだ作ってないぞ、どうしよう……(←パイは、単位が大きくできがちだから、「誰か食べる人がいてくれるときじゃないと」と作るのを躊躇しちゃうのです……)。参加したがるくせに不出来な生徒で申し訳ない。がんばります。
タコライス
夏野菜のスープ
ビール(シルクヱビス)
楽しく美味しい教室の後はダッシュで帰宅。
 
ケージに入れてやった御飯食べて落ち着いたら子猫の様子も良くなっているかなと期待して帰ったのだけれど、ケージの隅っこでうずくまる子猫は、やっぱりゆらゆらと妙な感じに揺れている。うーん、やっぱりなんか、これはヤバイかも……と、「明日行くか」と思っていたかかりつけの獣医さんのところに急ぎ連れて行くことにした。
 
「うーん……これは、脳に障害が出ちゃってますね……」
状況説明して診てもらうと、聞きたくない言葉を聞いてしまった。ああ、やっぱりそうですか……。
 
「こうして瞳を見るだけでもね、細かく左右に揺れているでしょう?おっしゃるとおり、ずっとめまいを起こしているような感じなんですよね」
曰く、
 
  • 体つきは生後1ヶ月くらいに見えなくもないけど、奥歯の具合からすると生後3ヶ月は経っている。
  • これは先天性ではなく後天的な病気で、ウィルスか寄生虫か、それは今の段階では判断しかねる。
  • でも場合によっては先住猫、更には人間にも伝染するものである可能性がある。
  • 潜伏期間を経て、発症したのはおそらく5日前とか1週間前とか、といったところ。発症してすぐ、という感じではない。
  • ここまでの症状になってしまうと、正直、手の施しようがない。ステロイド投与で改善するかもしれないが、改善するよりも半身不随になるなどの副作用の危険が大きいのでお勧めはできない。
  • 余命は1ヶ月、生きても2ヶ月。
 
「1匹だけゴミ捨て場にうずくまっていた」ということを考えると、
「多分、直前までどこかのお宅にいたんでしょうね。てんかんみたいなこの症状が出て、手に負えないということで、その場所に置いていった……と考えられます」
だって、歩けないでしょう?と。
 
既に猫を飼っていらっしゃるのなら、この子猫を保護し続け、治療をするのは……あまりおすすめできないです、と。動物保護指導センター に電話してみては?今すぐ電話すれば今日中に対応してくれるかもしれません、と、獣医さんはセンターの電話番号をくれた。「動物保護指導センター 」と言えば聞こえは良いけど……要するに「保健所」だ。
 
「安楽死しか助けてやれる方法はないんですね……」
この子の様子でなんとなく覚悟はしていたけれど、と言ったら、
「千葉市は、犬や猫の殺処分数の減少にとても力を入れていまして」
と、先生。
 
いきなりガス室に送り込むようなことはしない。飼える状態の犬や猫であれば里親をセンターで探してくれるし、引き取り手になってくれる人もとても多い。「この子は里子に出して、人に飼われて生きていけるか」も改めて診てもらえる。私の診断とは、あるいは別の結果も出るかもしれない……けど、正直それはないかなとは思う。でも、安楽死です。苦しませて殺すようなことはしません。
自分のペットを持ち込むような時には費用がかかりますが、保護した動物の場合は先方から引き取りに来てくれます、無料です……と。
 
「脳症」の覚悟はある程度していて、もしそうなら我が家で看取ってもいい、とも最初は思っていた。
でも、かすみさんやりゃんりゃん、まして息子などにも脳症感染のリスクがあるとなると、現実的に考えて、このまま我が家では飼うことはできない。「あと1ヶ月で死ぬ猫ですが、飼ってくれますか?」なんて他の人にも頼めない。かといって、「ゴミ捨て場に置いておく」なんてことはますますできない(明日の早朝にはカラスの餌よ……)。
 
獣医さんは言葉を選び、「この猫を保護した判断も、これからする判断も、貴女の判断は間違っていない」と宥めてくれたけれど、センターで里親がみつかるとはとても思えない。それでも私は「……じゃあ、センターに電話します」という結論しか出せなかった。
 
初めて連れて行った猫なのに、獣医さんは「再診料だけいただきますね、1050円です」と。子猫3匹保護した時も「1匹分の大きなノミ取り薬出しますからね、お母さん猫と子猫3匹に分けてあげてください。その方がずっと安いですから」とか、「猫4匹ですが、まぁご家族ということで新規診療は1匹分ということで」とか、これ以上なく良くしてくれるお医者さんだ。
 
今回の子猫の保護で、かすみさんとりゃんりゃんも多少ウィルス(的なもの)に晒された可能性がある。ワクチンは1週間以内に打てば大丈夫ですから、とのことで、数日内にもう一度,今度は先住猫の方を抱えて病院に来ることになった。
 
「……あ、そういえば、私、思いっきりこの子に噛まれてます」
思い出して慌てて訊ねたら、
「数日内に発熱や嘔吐、風邪っぽい症状が出たら医者に行ってください。野良猫に噛まれた、とちゃんと言ってくださいね。あと、今からで良いです。患部をぎゅうぎゅう押さえればまだ血が出ると思いますから、1滴でも2滴でも良いから絞り出してください。それでリスクはずいぶん減ります」
だそうで。でも先生、それ、めっちゃ痛いです……腫れてはいないけど、でも痛いです……。
 
ともあれ、病院の前からセンターに電話。経緯を話したら、ものの十数分で引き取りに来てもらえることになった。
 
作業服のお兄さんとおっちゃんの2人、檻のついたワゴン車。初めて間近で見る「保健所の車」だった。
「この子ですね」
「元気いいな」
「元気いいけど……うーん、確かに、目が、そうですね」
「うーん……膿んでるような匂いもしはじめちゃってるし、これは……うん」
 
性別確かめました?と言われ、
「いえ、フーとかシャーとか言われてずっと尻尾も内側に巻いてるんで確認してませんでした」
と言うと「あ、メスですね」と。クロたん(仮名)はクロ子さんだった。最後に知ってもなぁ……切ないなぁ……。なんでお前、そんな病気になっちゃったのかなぁ。
 
せめてもと車のところまでご一緒させてもらって、頭を下げて見送った。なんかこう、小さな命が手からすり抜けていく感じというのは、つらい。やってることは同じ事(=子猫の命を絶つこと)かもしれないけれど、「ゴミ捨て場に置いてこよう、それは殺したことにはならないし」みたいな事はしたくなかった。つらい決断をいずれ誰かがしなきゃいけなかったのなら、それは私が被ればいいや、となんとなく思ったのだった。
 
と、そんな顛末がありまして、夕御飯。
 
今日はバタバタするのがわかっていたので(予想以上に大変にバタバタすることになったわけだけど)、あらかじめ「タコライスにしよう」と決めていた。タコミートさえ用意しておけば、あとはレタスとトマトを刻んで盛りつけるだけ。
 
タコミートは昨日(だったかな?一昨日だったかな?)に500g量を一気に仕込んで、それを3等分にしてweckのキャニスターで「常温保存」用に煮沸消毒しておいたもの。多分2ヶ月くらいは、缶詰と同じような感じで常温保存が可能なはず。これがうまくいけば、冷蔵庫や冷凍庫を活用しないでもこの手の常備菜的なものが保存可能になるのでとても便利だ。
 
まだ「常温保存2日目」程度の今日は、もちろん問題なくいただけた。ゴムパッキンを引っ張って蓋を開けてから、レンジでチン。御飯の上にシュレッドチーズと共にそのタコミートを盛りつけて、あとはレタスとトマト、サルサを添えたらできあがり。
 
「やった!タコライスだ!……おかわり、ある?」
「残念ながらありませんなぁ~」
でも、タコミートをあと2回分保存しているから、週末のお昼御飯とかに簡単にタコライスが食べられるよ、と続けたら、息子はおおいに喜んでいた。
 
開封したタコミートが「うわぁ~がっかり~」な状態にならないよう、weckの保存性に期待。