2012年10月6日土曜日

秋休み:お伊勢詣で

鳥羽 「錦浦館」にて
 鰺の干物
 しらすおろし
 昆布の佃煮・貝の佃煮・海苔の佃煮
 焼き海苔・生卵
 あさりとわかめの赤だし
 御飯
 漬物
 お茶
昨夜あんまり早くに寝たせいで、案の定超早起きをしている私。まだ暗いうち、5時にならない頃に目が覚めてしまって、ぽちぽちと昨日の日記をつけたりしていた。
 
6時になったところで温泉に入りに行って、昨日買ってきておいたフルーツ牛乳飲んで、部屋出しの朝御飯はちょっと遅めの8時にお願いしておいた。
 
宿のおばちゃん曰く、
「明日神宮に行かれるんですかぁ?すごく混みますよ~、うちの宿のみなさん、けっこう早くにお発ちになりますよ?」
 
8時じゃちょっと遅いかも……だそうだけれど、まぁ帰りの列車は4時過ぎとけっこう遅めだし、早くから歩き回っても午後にスタミナ切れ起こしちゃいそうだしね、と、我が家はのんびり行くことに。
 
たいそうな格安プランの宿泊だったけれど、それでも朝御飯は「焼き魚と味噌汁は温かくいただけるように」と卓上簡易コンロで温める仕組みになっていたりして、かなり満足なものだった。
 
鰺の干物にしらすおろし、昆布に貝にあさりに……と、今日も朝から魚がたくさん。
「わーい、生卵だ!」
「卵かけ御飯が食べられるね」
と、朝から家族揃って御飯お代わりしてしまいながらもりもり平らげた。
 
で、宿をチェックアウトして鳥羽駅から近鉄に乗って15分ほどの伊勢市駅に。
 
駅のコインロッカーに大きな荷物を預けたら、まずは近くのスポットから……と、豊受大神宮別宮の月夜見宮(つきよみのみや)に参拝に。
 
今日は折しも「伊勢まつり」開催の日だったようで、駅界隈には屋台が並び特設ステージが組まれ、子供達が可愛い半被を着て行き来している。月夜見宮界隈は特に賑やかだったけれど、それでも鳥居をくぐると空気が変わる感じ。
 
日本の神社の総本山的な伊勢神宮そのものは、それはもうあからさまに「神域とはこういうものです」という独特な雰囲気があったけれど、内宮・外宮から少し離れた別宮でも、やっぱり同じような空気が流れていた。
 
お参りして朱印いただいて、じゃあ外宮に行こう、とてくてく。途中通りかかった麹のお店「糀屋」で、醤油糀(420円なり)をお土産に購入したりした。
 
そしていよいよ伊勢神宮。
伊勢市駅近くにあるのは豊受大御神(とようけおおみかみ)を祀っている外宮(げくう)。そこから車で(バスがばんばん通っている)15分くらいの距離にあるのが内宮(ないくう)。こちらのご祭神は天照大御神(あまてらすおおみかみ) 。
 
観光バスなどを使うと内宮のみの参拝になったりもするけれど、本来は外宮→内宮の順に参拝するのが正しい作法、なのだそうだ。
 
伊勢神宮の社殿、正殿は、別宮も含めて、とても質素に見えるもの。豪奢すぎるくらいに豪奢な日光東照宮のような建物を期待して参拝したりすると「ええっ!?」と肩すかしをくらうような、「木と紙でできています」という風な茅葺きの屋根と檜の柱が印象的なたたずまいだ。
 
なのに、正殿まで来ると「あ、もう普通の人間はここから向こうは行っちゃダメなんだ」という空気が流れている。次々と観光客が押し寄せてくる、「観光地」そのもののようなところなのに、橋を越えて鳥居を越えて進んでいくうちに、なんだか空気が違っていくのだった。明治神宮でも似たような気分になるけれど、明治神宮のそれが日本酒のアルコール度なら伊勢神宮のそれは焼酎くらいに感じるほどに濃度が違う。
 
朝早く、参拝客が少ない時に来たら、またとんでもない清浄な空気なんだろうなぁ……なんて思ったりした。
 
外宮参拝後は、首尾良く鳥居のすぐ近くにあるバス停から臨時バスに乗ることができて、ささっと内宮に移動。
伊勢 「寶来亭」にて
 ステーキ牛丼セット(松阪肉) \3,000
 地ビール(伊勢角屋麦酒・ブラウンエール) \1,000
内宮到着は、そろそろ12時になろうというところ。参拝前に腹ごしらえだ!と、
「ここね、松阪牛食べられるみたいだよ?……でも、それは値が張るから、たとえばフツーの和牛の牛丼とかでも良いかなって思ったんだけど」
と、バス停からほど近いところにある「寶来亭(ほうらいてい)」というお店のメニューを見に行ってみた。
 
ステーキ牛丼セット、「上」なら1700円、「極上」なら2400円、「松坂肉」なら3000円。
せっかくだから極上くらいにしておいてみる?いやいやそれだったらもう松坂にしちゃった方が?と家族会議の結果、家族全員「松坂肉」に。
 
瓶入り地ビールも1本もらってだんなと半分こ。更に近鉄の周遊切符「まわりゃんせ」の提示でソフトドリンクも1杯ずつついてきて、豪華なランチになった。
 
出てきたのは、珍味の小皿(牛しぐれ煮、きゃらぶき)と、伊勢海草の佃煮の小鉢。赤だしと香の物、そしてデザートに抹茶アイス。ステーキ丼にはレタスとフライドポテトと人参のグラッセ、というちょっと洋風な添え物がついてきた。
 
ちなみに伊勢海草は「あらめ」と呼ばれるものなのだそうだ。
 
「なにこれ!?この肉、超うま!」
息子が悶絶していたステーキ丼の肉は、「ステーキというにはちょっと薄っぺらいかなぁ?」という風ではあったけれど、確かに「ここ数年、こんなお肉は食べていなかったわ~」と感じるたいそう上質なものだった。口に入れるととろけていくような口当たり。サシがしっかり入った脂の旨味も上品で、「ほら、ここ3食魚ばっかりで肉ひとかけらも食べてなかったからさ?」なんて叩いていた軽口が「おいしい……」以外の表現できなくなってしまううくらいだった。
 
で、お腹も充実したところで内宮に参拝。
 
外宮も内宮も、正殿に来ると、最後の鳥居の前や石段の前あたりで「写真撮影はここまで」と決められたラインがある。
 
ここに掲載した写真も、当然そのラインの外側、撮って良いエリアのぎりぎりでカメラを構えたものだけれど、伊勢神宮は多くの鳥居や社殿の前に、木製の衝立があるのだった。
 
「この衝立みたいなの、東京とかの神社じゃあんまり見ないものだよね?」
「何か防ぐ意味があるのかね?」
と不思議に思っていたのだけれど、後に調べるところによると「蕃塀」と呼ばれるものなのだそう。
詳しくは、こちらのブログに詳しく掲載されていて、たいそう勉強になった。メインの目的は「不浄除け」ということになるのかな。
 
巨木が多いので森林浴という意味でも気持ちが良い伊勢神宮参拝。生えている木も、「全てが神木」という風に堂々としているのが印象的だった。
伊勢 おかげ横丁「団五郎茶屋」にて
 赤福氷 2×\500
 甘夏練乳氷 \500
参拝後はお買い物!とばかり、門前に広がる「おかげ横丁」をぷらぷら。
 
もう季節は10月だけれど、今日は半袖でも汗ばむほどの陽気で、おやつ時の横丁はそここでコロッケや串焼きものを食べ歩きする人で溢れている。かき氷やソフトクリームを売っている店もあちこちに。日本酒をさらっと飲める立ち飲みスタンドもあちこちに。
 
今日はあいにく、だんなは夜に車を運転する必要があったのでお酒は控えて「じゃあかき氷だ!」と、「赤福氷」がいただける「団五郎茶屋」に寄ってきた。
 
「餡と餅は赤福そのままではなく、冷たい氷になじむよう特製いたしました。抹茶蜜のかかったかき氷の中に入っています。夏季限定の商品です。」という赤福氷。甘めの抹茶蜜のかき氷の中に、こしあんのあんこがたっぷりと詰まっていて、氷に埋もれても固くならない餅が数切れ埋まっているというものだった。あんこの感じが赤福そのものなので、「宇治金時」とは違う感じ。
 
そして、実は赤福氷よりもツボだったのが、息子が頼んだ「甘夏練乳氷」。
 
「甘夏だよ?みかんよりほろ苦いんだよ?君、グレープフルーツ苦手じゃん……あと、柑橘と練乳が似合う風にも思えない……」
「いや、でも、注文している人けっこう多いみたいだし。お勧めメニューだし、美味しくないってことはないんじゃないかなぁ?」
僕は頼んでみるよ!と息子が頼んだその氷は、甘夏特有のほろ苦さも多少あるものの、練乳ともよく似合う不思議な美味しさだった。しっかり甘いし、でもさっぱりと食べやすい。
 
ミルクセーキに甘夏のほろ苦さを加えたような、どこか「ミックスジュース」的な美味しさも感じる不思議なかき氷で、汗をかいた散策後にはこれがすごく美味しかった。
 
食後はひきつづき横丁をぷらぷら。招き猫のお店「吉兆招福亭」で白猫のマグネットやストラップを買い、お香の店「くつろぎや」で「五十鈴川」の名を冠したお香を買ってみたりした。
 
最後に、まだぎりぎり時間がありそうだと皇大神宮別宮の「倭姫宮(やまとひめのみや)」も参拝。
 
こちらも質素なたたずまいの別宮。「内宮からも外宮からも車移動」という不便な立地もあってか、人気は全くなく、とても静かな気持ちで参拝できた。この別宮一つとっても、都心にあったりちしたら「強力パワースポット間違いなし」という雰囲気。風景に溶け込むような木の色そのままの鳥居も、神さびたような神々しさが漂っていた。
 
ああ、お伊勢詣で楽しかったなー。またぜひ来たいけれど、なにしろ遠いね。
京橋「鶴橋風月」にて
 とんぺい焼き \480
 ねぎごましょうゆ焼きそば \850
 チーたまぶたモダン \1150
 牛すじねぎ月見玉 \1050
 ジンジャーエール 2×\250
 ラムネ \250
伊勢を後にして近鉄特急に乗り込んで、今日は大阪に移動。
 
「近鉄は鶴橋で降りるから、そこで焼き肉とか食べる?」なんて話をしていた……んだけど、もう疲れ果てちゃって、荷物も多いし「あんまり繁華街を大荷物でぷらぷらしたくないね」という結論に。
 
だったら、乗換駅の京橋駅近くにお好み焼きの「鶴橋風月」があるからそこにしちゃう?と、お好み焼きをさらっと食べてから帰ることになった。
 
各テーブルに鉄板があって、でもお店の人が焼いてくれるスタイルのお好み焼き屋さん。私が選んだのは「牛すじねぎ月見玉」、息子はチーズ入り、だんなは「2人がソース味だったら醤油味のにしようかなと思って」と醤油味の焼きそばを。あとは「とんぺい焼き」などなどで。
 
なんとなく「ソース味のものが食べたい」という気持ちで盛り上がっていたので、満足だった夕御飯。仕上げに葱をぶわっとかける、半熟目玉焼きが乗った「牛すじねぎ月見玉」は、醤油系の味ではなく、普通にお好み焼きソース+マヨネーズの味付けだったのだけれど、それもまた良い感じ。店員のお姉さんが手際よくさささささーっと焼いてくれて、私も久しぶりに焼きたくなってしまった。
 
そして今日はだんなが一人暮らししている大阪の家にお邪魔することに。
「仮住まいだしさ、モノできるだけ増やさないであるもので頑張ろうとしているわけよー」
と、あちこち工夫している家の様を見させてもらいつつ、「あああ、あのへんとかこのへんとか片付けたい、代わりに片付けたい、でももう疲れて動けない……」と、早々にお風呂に入らせてもらって早々に就寝。