2012年10月9日火曜日

秋休み:今日は京都だ

クリームチーズマフィン
カフェオレ
楽しかった休日も、今日でおしまい。
 
息子は今日までが秋休みだけれど、世間では平日で、だんなも出勤。朝も早くからちゃんと起きて、洗濯機回して自分の弁当を用意している偉いだんなを横に、んぼーっとしている私。だんなが淹れてくれたコーヒー飲んで、だんなが温めてくれたパンを囓るという、大変だめな奥様なのだった。いや、まぁ、手伝おうにもどこに何があるかさっぱりわからないからさー……と言い訳。
 
昨夜、閉店間際のパン屋さんで「この棚、全部1個100円でいいですよ~」と言われて買ってきた地元のパン屋さんのパン。若干小ぶりながら手が込んでいて美味しそうなものが多かった。私がいただいたクリームチーズマフィンも、バターたっぷりチーズたっぷり。
 
荷物はあらかた段ボールに詰めて配送してもらうことにして、小さなキャリーにパソコンと上着と小物だけ適当に詰めたら、今日は息子と2人で京都散策。息子は小学校も中学校も修学旅行先が京都ではないので、「ではせっかくだから」と金閣寺&銀閣寺あたりも行ってみる予定を組んでみた。私のお目当ては伏見稲荷と晴明神社(と金平糖♪)。
京都 北区「Tentation d'Ange」にて
 日替わりランチ 2×\880
異世界に連れて行かれそうな赤い鳥居の「千本鳥居」がとにかく圧巻だった伏見稲荷をお参りして(時間もないので参ったのは奥社奉拝所までね)、京都駅に移動。キャリーはコインロッカーに突っ込んで、予約していた駅前のレンタサイクル屋さん「京都ecoトリップ」でささっとレンタサイクルを借りた。1日1000円の3段変速自転車に乗って、いざ出発。
 
「どちらまで行かれる予定ですか?」
とレンタサイクル屋のお兄ちゃんに聞かれ、
「えーっと、まず銀閣寺。そして午後金閣寺が一番遠い目的地になります」
と答えたら「それはなかなか大変ですねぇ」と。
 
事前で地図見て大体覚悟していたとはいえ、「もし行けたら行きたいな」とチェックしていた下鴨神社、八坂神社、平安神宮はちょっと無理だった。京都駅近くのお香のお店「薫玉堂」もちょっと無理だった。でも、他は予定のポイントをあらかた寄れて、目的時間きっかりに自転車返却できたから、私的には予定立案&遂行は成績優秀だった、という感じかな。後に地図サイトで計測したところによると、自転車総走行距離は30kmオーバー。がんばりました。
 
京都駅出て鴨川沿いの道路を目指し、「北上するよ~!銀閣寺目指しつつまずは金平糖!」というところで、そういえばと鴨川近くにある漬物屋さん「加藤順漬物店」に寄り道。
 
「今日一日自転車で散策しますが、冷蔵品持って歩いても大丈夫でしょうか?」
と相談して、「直射日光あたる自転車の籠に入れっぱなしとかにしなければ大丈夫ですよ~」言われていくつか買い物。おうちで食べるんだ♪と、「浅しば」「昆布〆こかぶ」「きざみ沢庵」「磯さんしょ」で計2520円のお買い物をした。
 
さっそく荷物を増やしつつ、「こんぺいとー!」と更に自転車こぎこぎ北上して、やっとこさ着いたのが金平糖専門店「緑寿庵清水」。
 
実は東京でも日本橋三越で一部の品は買える、このお店の金平糖。
でも人気の品・限定の品はすぐ売り切れるそうだし、朝イチで行けば買えるというものでもないらしいし、京都本店から取り寄せはできるそうだけれど、やっぱり現物をこの目で見てキャッキャ言いながら選びたいし、とどのつまり「やっぱりお店に行かなきゃ」と。
 
そろそろ、あの大通りの手前くらいにお店があるはずだよー!と自転車こいでいくと、あからさまに甘い良い香りが漂ってきた。洋菓子系の甘い香りではなくて、かき氷シロップのようなちょっと和風な甘い香り。あったぁ!と、テンション最高潮でお店に入った。
 
定番品の小袋入りのが10種類ちょっと。季節限定の品は「焼栗」と「おかぼ(かぼちゃ)」、「ゆず」「さつま芋」。
 
ご試食どうぞ、と、到着するなり1個くださった「焼栗」(1785円)が驚くほど栗味で、早速これをいただくことにした。
一番買いたかったのは小袋入りの「天然水サイダー」(小袋は各525円)と、可愛い牛型パッケージの「ミルク」(1470円)。棚にはたっぷり品が並んでいて、うっとりしながら選ぶことができた。
 
……で、滅多に来られないお店だし!と、調子に乗りに乗って、更に小袋入りの苺、蜜柑、林檎、生姜、バニラ、パイン、桃を籠に入れ、レトロな柄の携帯ケース(378円)もいただくことにしたら、お会計7833円!
 
もう「阿闍梨餅」も「お豆の旅」も無しね、お金ないから……と軽く呆然としながらも後悔はせず、お店を後にしたのだった。
 
ちなみに期間限定の金平糖、6月に「ヨーグルト」「涼竹糖」、7月「究極の梅酒」「完熟マンゴー」、8月「ココナッツ」、9月「らいち」、11月には「究極の日本酒」「ますかっと」「花梨」などなど、私が欲しいなと思うのを並べただけでも毎月のように美味しそうなものが。特に食べてみたいのは「ココナッツ」。あと「究極の日本酒」。
 
後に知ったところによると、休日などでは普通に行列ができてしまう店だったらしい。私たちが到着した時は、他にお客さんが1人いただけで、ゆったりのんびり見ることができたのだった。
 
素敵な金平糖を入手して鋭気を養ったところで、だらだら続く上り坂を自転車こぎこぎ、「銀閣寺(東山慈照寺)」に到着。
 
「おお~!教科書と同じ風景だ!」
と感動する息子に「着眼点はそこなんだ」と苦笑いしつつ、ぐるりと一周。
 
「さて、じゃ、11時過ぎたし昼御飯!」
と、今度は西に自転車こぎこぎ。京都御苑近くにある、町屋の建物使った洋食屋さんに行ってみよう~!と、調べておいた店を目指そうとしたのだけれど……お店が無い。というか、その店があるはずの場所が和食のお店になっている。
 
中学生男子が「おばんざい」などの店に興味があるはずもなく、というか私もすっかり洋食系の味のものが恋しい気分だったので、「じゃあ、他のお店探しながら金閣寺方面に向かってみようか……」と空腹抱えつつ北西に自転車こぎこぎ。
 
昼食処にありつける前に道中の「晴明神社」に到着することができてしまったので、ここを参拝してから更にお店探し。これまたずーっとだらだらとした上り坂で、そろそろ自転車がお腹いっぱいになってきた。空腹だけど。
 
で、そんな道すがら、「あら?なんか良い感じのお店発見!」と近寄ってみたら、それはケーキとパンのお店。でも軽食コーナーがあって、「日替わりランチ」はドリンク飲み放題、自家製パン食べ放題!
 
「おお……けっこう美味しそうかも」
「お店混んでるし、きっと美味しいよ?」
と、その店、「Tentation d'Ange(タンタシオン・ダンジュ)」に入ってみることにした。
 
ランチは日替わりメニューのその1択。プレートには、具沢山のカレーとグリーンサラダ、厚切りハムを添えたスクランブルエッグと、チェリーのコンポートを乗せたヨーグルトもついてきていた。
 
飲み物は、オレンジジュースとグレープフルーツジュース、コーヒー紅茶。種類豊富な食べ放題パンは、バゲットやテーブルロールなどの他、チョコを練り込んだ丸パンやメロンパン、あんぱんらしきものまで揃っていた。ジャムはないけれど、小分けされたバターは発酵バターとのこと。
 
中庭に面した窓からは気持ちの良い風が入ってきて、これでもかと水分補給してパンもたっぷりいただいた。サラダに添えられたクルトンも自家製パンを加工したものらしくこれがたいそう美味しくて、パンはカレーに浸したりもしながらもぐもぐ。
 
店内、私たちが入店した時はいくつかの空席が残る程度だったけれどすぐに満席になり、地元の人らしき若い女性で混雑していた。なかなか大ぶりだったケーキ類もすごく美味しそうだったものの、これから移動が更に続く中、買うわけにもいかなかったのが残念。
 
良かった良かった、満足なお昼御飯だったね~と、次なる目的地は「金閣寺(鹿苑寺)」。ここは私も初めてで、ピッカピカの舎利殿をしっかり眺めてきた。
 
そうそう、金閣寺には「一撞き 200円」の鐘楼があって、息子が打ってみたいというので打たせてやった。少々頼りなく、境内に「ぐももももも~ん……」と響く鐘の音。煩悩の一つ、おっちょこちょいの一つ(奴はこの旅行中、携帯電話を無くしました……まだ機器代も払い終わっていないのに……)も落とせたなら良いのだけれど。
 
さて午後2時!と、あとはちょっと早足気味に、「学問の神様だから!」と「北野天満宮」お参りして、「長文屋」で胡麻と青海苔多め(でも辛さは中辛)の七味唐辛子調合してもらって(小瓶つけてもらってちょうど600円)、ぐわーっと南下して錦市場目指して、ささっと「大國屋」でお茶漬用ぶぶうなぎとぶぶあられ買って(合わせて1310円)、「鳥清」で「とり山椒」(700円)買って、午後3時15分。
 
あと45分~!と、ちょっと焦りながらも「ここも息子に見せてあげたい」と思っていた「三十三間堂」は、そこそこゆっくり拝観することができた。
 
レンタサイクル屋さんに帰還すると、ちょうど午後4時。ばっちりでした。息子も私も、よくがんばった!
新幹線車内で
 「菱岩」の折詰弁当 \4725
 日本酒(上撰純米大吟醸松の翆 180ml) \604
新幹線の予約は午後5時過ぎ。
 
残り1時間は、予約していたお弁当受け取りに行かなきゃ!と、JR京都伊勢丹のデパ地下をぷらぷら。
 
亀屋清永」の清浄歓喜団(525円)買って、「原了郭」の黒七味缶(525円)買って、酒売り場も覗いた後は、他のお店もちょこちょこ見て歩く。
 
お弁当、休日明けということで扱いがなかった「紫野和久傳」の、せめてお総菜みたいなものは買えるかなぁと売り場を覗いたのだけれど、半端なく良い値段のものばかりだったので断念。おとなしく予約の弁当を受け取った後、駅構内でお茶を買って新幹線に乗り込むことにした。
 
「京都のランチにおばんざい屋とか料亭とかにはぜ~ったい行かないだろうし、せめて帰りの新幹線で食べるお弁当はこれでもかと和風なものを」
と元々思っていて、数週間前から予約していたお弁当。
 
ジェイアール京都伊勢丹のおすすめお弁当WEB承り」のサイトを全ページなめ回すように見て、奮発しちゃおっかな、おとなしく2000円くらいのにしておこうかな、とさんざん考えた結果、「紫野和久傳」の陶筥弁当(4725円)にしよかなと思ったのだった……が、あいにく今日は扱いの無い日。
 
で、同じクラスのお弁当、こちらも評判を検索したらたいそう良かったので、「菱岩」の折詰弁当を予約することにしたのだった。こちらも値段同じく4725円。この旅行中、一番の贅沢品だ。
 
ちなみに息子が「僕はこれ!」と指定したのが神戸コロッケの「オムライス重」(900円)。これでいいの?もっと肉肉しいお弁当とかにしても良いんだよ?と聞くも、これが良いとのことで、なんかすみません私ばっかり豪勢なもの食べちゃって……という感じになった。
 
というわけで、新幹線に乗って、30分くらいしてからゆるゆる楽しんだお弁当。(それが今日の写真)
 
こんな素敵なお弁当、缶ビール傍らにというのはいかにも申し訳ない感じ。申し訳ないとかいう以前に、どう考えたって日本酒をいただきたい感じ。しかも、ちゃんと美味しい日本酒をいただきたい。ワンカップにも最近は吟醸酒など色々あるのを知ってはいるけれど、絵面的にワンカップはどうよ?というのもある。
 
「まぁ、デパートの酒売り場に1合瓶や2合瓶があるだろうけど、でもそうしたら何で飲めばいいのかなぁ」
お酒売り場で試飲用のミニカップ分けてくれたりするかなぁ?携帯用折りたたみカップってシリコンや金属製じゃん?それで日本酒は飲めないしねぇ……と旅行前に頭を抱えていたら、だんなが
「ぐい飲み持ってくればいいじゃん、家から」
と。
 
「……へ?家から?ぐい飲み?」
「それで飲んだ方がぜ~ったい美味しいじゃん」
そっか、そうだよね、うん、そっか……と、「そうだよね、ぐい飲み1個、一眼レフの替えレンズより小さいくらいだもんね!」とわけのわからない理論を展開して、そんなわけで今回、旅行初日から今日この時のためだけにぐい飲みを持ち歩いていたのだった(一応、割れちゃってもいいような適当なやつをね)
 
伊勢丹で買った日本酒は、自重して1合瓶。疲れのピークなこの状況で2合飲んだら気絶してしまうわ、と、程よいサイズの「上撰純米大吟醸 松の翆」を買ってみた。山本本家、京都のお酒だ。
 
というわけで、一人晩酌、京都のお弁当。
 
吟醸香がしっかり感じられるお酒も好みな感じだったし、美味しい酒といただく手の込んだ料理の美味しさときたら、このうえなくうっとりするものばかり。
 
お弁当の器も持って帰りたいくらい(持って帰りました)作りのしっかりとしたもので、胡麻和えの入った器も陶器製のかわいらしいもの。弁当箱は深さもそれなりにあったので、見た目以上に食べ応えがあり、すっかりお腹いっぱいになった。
 
弁当箱に貼られたシールによると、内容はこんな感じだったらしい。
 
ごはん・出汁巻・鶏松風・鰻八幡巻・鯛笹巻寿司・鰆の幽庵焼き・いか黄身焼き・才巻海老・合鴨ロース・スモークサーモン・栗・レモン・枝豆・子鮎・千者唐・奈良漬・千代口(筍とうどの胡麻和え)・赤芋・炊き合わせ(建仁寺麩、小芋、南瓜、鶏丸、鳴門穴子、絹さや、木の芽)
 
材料の切り方、詰め方、冷めても美味しい味付けや調理法などなど、添え物のきぬさや1つ銀杏1つにも神経が行き届いている、素晴らしいお弁当。
 
おっきな出汁巻卵も上品なだしの味が感じられるものだったし、左下の炊き合わせも同じ系統の味なのに具材1つ1つがしっかりとした味わい。食感の違いもそれぞれ考えられていて、とにかくも「酒の肴として、んもう最高~」なものが詰め合わされていた。うん、ぐい飲み持って来て良かったなーこりゃ幸せだ♪
 
で、このまま眠ってしまえれば更に最高だったのだけれど、そうしたら無事に家に帰り着く自信がなかったので、眠気こらえつつiPhoneいじりつつ新幹線は無事東京駅に。
 
帰宅は午後8時を少し過ぎた頃で、「どこ行ってたニャ!」「さっさと猫トイレを掃除するニャ!」「さびしくなんかなかったけどニャ!」「悪いと思ったら美味しいごはんを出すニャ!」と怒ったり甘えたりで忙しい猫たちへの懺悔の禊を終えて入浴したらもう色々限界。
 
「片付けも、ぜんぶぜんぶあした~♪」
と、漬物とかだけは冷蔵庫にちゃんとしまって、ベッドに沈んだのだった。
 
なんかもう、色々大変に盛りだくさんな5日だったけれど、楽しかったなー。息子の思い出はどれが一番強烈だったのか、そのあたりにも興味ある(「うどん」だったりして……いや、「うどん」かもなぁ……)。