2012年10月7日日曜日

秋休み:さぬきうどん!

だんなの大阪宅で
 「神戸屋」のスイートポテトパイ
 カフェオレ
欲張ったあげくにヘビィな行程になってしまった今年の秋休み。
今日は5時起きで、だんなが運転するレンタカーに乗っていざ高松へ!
 
高松で待っているのは大量のさぬきうどん屋なわけだけれど、何もお腹に入れずに出かけてしまうのも具合悪くなっちゃうよねと、昨夜買っておいたパンを皆でもぐもぐ。私が選んだのはスイートポテトパイ。
 
だんながコーヒー淹れてくれて、
「わー、大阪のこの家で家族3人で食卓囲めるなんて嬉しいなぁ」
と言っていて、ちとしんみりしてしまった。私や息子は「5人家族(含む猫2匹)から父ちゃんだけがいなくなっちゃった」という感じだけれど、だんなはひとりぼっちなんだもんねぇ……。
香川 丸亀市「純手打うどん よしや」にて
 かけうどん(ひやひや)小 \220
 ゲソ天 \100
 
香川 丸亀市「彦江」にて
 名物 肉うどん小 \400
 
香川 観音寺市「柳川うどん」にて
 卵とじうどん小 \340
 
香川 高松市「宮武うどん」にて
 だしかけうどん(ひやひや)小 \230
 
香川 高松市「ぶっかけうどん 大円」にて
 天ぷら卵ぶっかけ(冷) \530
連休中日、日曜ということで渋滞を心配していたのだけれど全く心配はなくて、するするーっと淡路島&鳴門大橋ルートで四国に上陸。
「うわー、目当てのうどん屋さんは早くても9時オープンなのに、まだ8時過ぎだよ~」
と、香川に入ってからパーキングエリアで休憩したりしながらゆるゆるお店に向かった。
 
でも、あいにく、香川のうどん屋さんは「日祝休業」のところが案外と多い。「田村」はお休み、「がもう」も日曜お休み。月曜は営業しているはずだけれど、たまたま地元のお祭りが重なって月曜はお休み。
「さぬきうどん、どれも美味しいけど"がもう"が至高!」
と断言してはばからない息子は、だから今回かなり萎れている。……まぁ、そういうこともあるよね……また来ようね。
 
で、最初に目指したのは「自分で葱切って食べる」で一躍有名となった「なかむら」だったのだけれど、これが呆れるほどの大行列。駐車場もいっぱい。
 
うわー、こんなに並ぶの嫌じゃーと、次にチェックしていたお店に向かうことにした。今日は香川の左上(=北西)あたりを主に攻める形で。
 
「もう良い年だしね、そんなに食えません」
「"無理はしない"ということで」
と言いつつ、回ったお店は5軒。私は1玉入りの「小」しか食べなかったけれど、だんなと息子は2玉入りの「中」をいきなり食べ始め、結果は私が5軒5玉(しかも食べきれずに手伝ってもらってる)、だんなと息子は5軒9玉!殊に息子は、揚げ物もおいなりさんもばくばく食べていた。育ち盛りの子の胃袋を今日ばかりは羨ましく思った私。
 
というわけで、回ったお店~。
 
丸亀市「純手打うどん よしや
手切りがウリの、宮武系のお店。ここ数年内にオープンした新しめのお店で、「宮武系と聞いては黙っておられません!」と、いざいざ。
 
ちょっと大きめなセルフのお店で、私はひやひや小、だんなは「かま玉」中(320円)、息子はひやひや中(290円)を注文。いきなり中かい!2玉かい!と男たちの注文に驚く私。でも私も、お腹空いちゃったのでゲソ天1つつけました。息子がちくわ天取っていたけど、これがなんだかすごく美味しそうだった(実際美味しかったらしい)。
 
がつんと濃厚ないりこだしで、麺もピシーッと折り目正しい風で「そうそうそうそう、これこれこれこれ!」という感じ。「さぬきうどん」と聞いて私が想像するうどんはまさにこんな感じ!という幸せな美味しさだった。
 
で、何が美味しかったって、だんなのかま玉。水で締めた「ひやひや」の麺と違って、ツルツルクニュクニュ、温かで柔らかな麺が生卵と絡んだその感じは、私もお代わりしてかま玉追加で食べたかったくらい。
 
丸亀市「手打ち 彦江うどん
次はそこからほど近い「斉賀製麺所」に行くぞー、ここは「田村」で修行した方のお店らしいぞー、と車を走らせたら、なんと閉店していた(今年1月に閉店していたらしい……)。あらららら、それはがっかり……と、同じ丸亀市内にある「手打ち 彦江うどん」に。
 
「彦江」というと、私たちにとっては今は無き坂出の「彦江」なのだけれど、それとは別の彦江。肉うどんが名物だった飯山町の彦江が復活した、「肉うどんの彦江」の方だ。
 
肉うどん、食べてみたかったんだよねぇ……♪と、わくわくしながら訪れたら、これがんもう幸せな感じだった。肉!すごい肉!たっぷりの肉!
 
私は肉うどん小、だんなは肉うどん中(450円)、息子はわかめうどん中(250円)、牛すじおでんは100円、おいなりさん2個で150円。男たちがまたも2玉サイズを注文し、息子にいたってはおいなりさんまで。
 
注文すると、うどん玉をどんぶりと一緒にチャッチャッチャッと熱湯にくぐらせて、隣の大鍋から薄切り牛肉を煮込んだものをがばーっと盛りつけ、最後に惜しみなくたっぷりのだしを溢れんばかりにバシャーッと注いで渡してくれる。席数たっぷりめのセルフのお店だ。
 
この肉が、反則だろってくらいに美味しかった。甘じょっぱくて、ほろほろと煮崩れるような煮え具合。その肉の味を引き立てるようなだしも優しい味で良かったし、うどんも主張しすぎないけど存在感がある、のびやかな味と食感。
 
観音寺市「柳川うどん店
うどん巡りの休憩スポット「道の駅滝宮」で休憩して、販売所でお目当てのいりこを購入。普通は1000円以上はするだろういりこの大袋が600円くらいで買えるので、そりゃもうたっぷり買い込んだ。1袋150円のすだちと110円のにんにくもうっかり購入。
 
買い込んだ後は、ちょっと足を伸ばして観音寺市へ。ここは細麺系の一般店。昭和2年創業の老舗のうどん屋さんだ。
 
こういう一般店だと「麺は余所から仕入れてきます」というのが関東人の思ううどん屋のありようなのだけれど、この店はスーパーなどへの卸しや地方発送をしまくっている製麺所なのだとか。
 
細い細い道をぐにゃぐにゃ進む厳しいアプローチで、住宅街の中に佇む風のお店にようやっと到着することができた。
 
私が頼んだのは卵とじうどんの小。息子は「冷しうどん」小300円、だんなは「うどん」小300円。「あ、これもください」とカウンターでもらってきたかき揚げは90円。
 
かき卵が乗った風な卵とじうどんは、値段の手頃さに反してけっこうなボリュームがあった。冷しうどんは、氷水にひたった冷たい麺に、別添で生姜の効いた冷たいおつゆ。「うどん」には、かまぼこ、お揚げ、ちくわなんかがトッピングされていた。
 
ここもまた、優しい感じのうどん。だしもうどんも優しい味わいで、麺は確かに普通のさぬきうどんの6~7割(ガシッとした宮武系に比べると半分くらい?)の太さしかない。細くて縮れも少なくて、ツルンとしているけれど、でもさぬきうどんならではのコシがある。箸で持ち上げてちぎれたりということは絶対にしない。
 
「かま玉」とはまた違った方向の美味しさだった「卵とじうどん」。さっきの肉うどんでちょっとお腹が苦しくなってしまってだんなと息子にちらっと手伝ってもらってしまった。あああ、全部食べたかったなぁ……(日記書いてる今なら中サイズを余裕で食べられるのに!)。
 
高松市「宮武うどん
「大変!3時までに戻らないと宮武に行けませんわよ、奥様!」「そっか、それは大変!」と、高松市に移動。
 
「さぬきうどんって、美味しいなあぁぁぁ!」と、10年以上前に私たちが開眼した、そのきっかけになったお店の一つが、今や伝説となりつつある「宮武」というお店。ぎゅぎゅっと、がっしりとした力強い麺と、麺に負けないしっかりとした味のだしは、後に「宮武系」と呼ばれる流派のようになっちゃってる。「ひやひや」「あつひや」「ひやあつ」「あつあつ」の表現も、宮武が発祥だったんじゃなかったかな?(違っていたらごめんなさい)
 
その宮武は、惜しまれつつ2009年に閉店してしまい、がっかりしていた矢先の2010年春にオープンしたのが新生宮武。宮武閉店後に弟子入りした方が、暖簾分けして開いたお店なのだそうだ。一時期、前のご主人宮武さんも厨房に立っていらして、当時のまな板や品札が店内に飾られている。
 
「あ!宮武のお品書きじゃん!」「そうだよねぇ、あれ見たことあるよねぇ」と、宮武好きにはたまらない復活の空間になっていた。お店は「大型セルフの店」という感じ。
 
宮武ならば、やはりシンプルに「ひやひや」でいきたいと思います……と、家族全員「ひやひや」小を。でもトッピングにだんなは鶏天50円、息子はちくわ天80円をつけていて、私は鶏天を一口いただくことに。
 
がし!どし!とした麺に、捻れるような縮れ、スパッと四角い麺の断面。
「おおお……ちゃんと宮武だ……」
「うん、だしもちゃんと宮武だ……♪」
こういう「復活の店」ってがっかりしちゃうことがままあるけれど(筆頭は「池上」……どうしてこうなった……)、これはかなり嬉しい感じ。
 
高松市内だからお店に向かうのも便利だし、これは嬉しいなー。
 
高松市「ぶっかけうどん 大円
さて、そろそろ、かなりお腹いっぱい。
 
「でも、大円に行きたかったら、閉店6時だから宿のチェックイン前に行くくらいじゃないと」
「だよねぇ」
と、時間つぶしに鎌田醤油の直売所覗きに行って、ついでにショッピングセンターでお茶など買い込んで、最後は本屋で『さぬきうどん全店制覇』の最新版買って、それからゆるゆると「大円」に向かった。
 
前回、2010年に「大円行こう!」と向かったら玉切れ終了で悲しい思いをしたので、今回は間違いなく行きましょうと、最後は「ぶっかけうどん」が名物の一般店に。
 
2000年に来た、当時からお店の雰囲気も何も変わっていない感じの店内だった。かの「麺出るすゾーン」も健在だ。
 
「私、スペシャルぶっかけにしようかなぁ」
「君、前回来た時もそれ頼んでなかった?」
なんて話をしつつ、そうなのよねお腹いっぱいなのよ私……と、ちょっと軽めのぶっかけにしておいた。私は「天ぷら卵ぶっかけ(冷)」、だんなは「天ぷらぶっかけ」480円、息子は「ざぶとんぶっかけ」370円。牛すじおでんは110円。牛すじおでんが大好きなだんな、何やらしょっちゅう食べている。
 
「さぶとんぶっかけ」は、大きなお揚げさんが1枚どーんと乗ったもの。ぶっかけは、いつもの透明ないりこのおだしではなく、醤油色の甘さのある濃いめのたれを少量麺と絡めていただく形。麺がちょっと平たい感じで、それがぶっかけだれをよく絡む。
 
ちょっと残念だったのは、天ぷらが揚げおきだったこと。前回、揚げたてのが乗ってきた記憶があって、ほんのりがっかり(揚げおきがデフォルトらしいんだけど、てか、香川のうどん屋の天ぷらはたいていが揚げおきで、常温まで冷めた天ぷらを乗せて食べるのがあたりまえではあるんだけど)。
 
天ぷらと生卵の他には、刻み葱と刻み海苔と胡麻とおろし生姜が添えられていて、それをざっぱざっぱと混ぜて食べると良い感じ♪
あああああ、今回もすっかりこれでお腹いっぱいに。じゃあ宿に向かいましょうか……とゆるゆる向かおうとしたら、いきなりすごい夕立になった。
高松 「とり料理 かど弦」にて
 とりももわさび焼き
 ハニーのチーズボール
 讃岐名物 骨付鶏 おやどり
 讃岐名物 骨付鶏 ひなどり
 鶏ガラスープ
 おにぎり
 卵かけ御飯
 瀬戸内青みかんハイボール
 生ビール×2
 コーラ
で、6000円くらいだったかなー
土砂降りの中到着した今日の宿は「ホテル川六エルステージ」。値段で選んだこのホテル、街中の繁華街にあって、素泊まりたったの1人5000円弱。でも、選べる枕があったり、女性客にはアメニティサービスがあったりで、清潔さも申し分なく良いホテルだった。
 
大浴場があるうえに部屋のバストイレもちゃんとあって、10畳ほどの部屋に数畳の「次の間」つきでかなり広々。最初から布団が敷かれていた。
 
「そして!この宿からは"一鶴"に歩いて行けます!」
ということで、入浴して少し休憩してから、アーケード街をてくてく歩いて「骨付鶏」の一鶴へ。……だったんだけど、一鶴はまさかの大行列。夜7時過ぎ、20人以上のお客さんが店頭に列を作っていた。人気のお店ではあるけれど、まさかここまでとは、と、びっくり。
 
もうすっかり一鶴に行くつもりで他に考えていたお店もなく、
「骨付鶏食べたいねぇ……ホテルの向かいにも、骨付鶏のお店あったよ?」
「じゃあそこ行ってみようか、試しに」
と、来た道をそのまま帰ってきて、入ってみたのは「かど弦」というお店。
 
骨付鶏ほか、鶏料理が充実していておつまみも豊富。卓上で炙って食べる焼き鶏メニューも美味しそうだ。
 
これがなかなか良かったお店。何しろうどんで満たされちゃったので軽め軽めでいただいたけれど、骨付鶏もちゃんと美味しかった。噛みきるのは至難の業の、歯ごたえのある「おやどり」は、キッチンばさみでじょきじょき一口大に切りながらいただいて、皿に残った焼き汁はおにぎりを浸しながらもぐもぐと。
 
ビールも飲んだし、調子に乗って「瀬戸内青みかんハイボール」もいただいちゃったし、すっかり良い気分で部屋に帰還した。
さあ、明日もうどん~♪