2014年11月9日日曜日

「ノヴェッロ」の夕べ

自家製スコーン
自家製ジャム&クロテッドクリーム
ミルクティー
だんながロンドンからクロテッドクリームを持ち帰ってきてくれたので、これは焼くしかないよね……!と、朝は久々に自家製スコーン作り。久しぶりだったものだからいまいち勝手を忘れてしまって、「超上出来!」とはいかなかったものの(何より見かけがいまひとつ……)でも、味の方はそこそこ美味しくできた。ほろりと崩れる感じの食感にはちゃんとできたので、まあまあ及第点かな、と。
 
「……いや、クロテッドクリーム買ってくれたって連絡あったから、土曜のうちにいっそどこかにスコーン買いに行こうかとも思ったんだよね」
でも千葉のデパートで「この店には確実にある」って店に心当たり無かったし、かといって引っ越しの作業もあるから銀座とかにまで出る余裕もなかったし、じゃあ自分で作った方が確実だな、って思ったわけで……、
などと話しつつもぐもぐもぐ。
 
「……いや、もう一つ方法があってさ、"おい、のび太ぁ、ロンドンでスコーンも買って来いよぉ!"って手段が……」
「ジャ、ジャイアン~」
「なんかそれ、本末転倒だし!」
 
だんなと息子にツッコミいただきつつ、いやいやさすがに私もスコーンまで買って来いとは言わないよ、崩れやすいしバターとは違う意味で持ち帰りにくいでしょあれ……と苦笑しながら2個目のスコーンに手を伸ばした。
 
日本のナカザワのそれよりは、ずっと黄色みが強いイギリスのクロテッドクリーム。
 
とても濃厚で、ミルクの風味、存在感が半端ない。やっぱり美味しい、このクリーム美味しい、尋常じゃなく美味しい……と、各自、こってりクリームつけつつ、あとは私が作ったあまおうジャムや紅玉りんごジャムなどを添えつつ、スコーンの朝御飯を堪能した。
 
お供は当然、ミルクティー。フォートナム&メイソンのロイヤルブレンド。
「すし銚子丸」にて
 生本マグロ5貫
 玉子焼き
 オリーブハマチ握り
 秋刀魚炙り握り
 クロウオ炙り握り
 あんきも軍艦
 いくら海苔つつみ
 お茶
などなど
「出張から帰ったら絶対銚子丸行くんだー」
と、強い決意をもって「寿司を食べる」と決めていただんな。夕飯は夕飯で「ワインとチーズ」と決めていたから、じゃあ今日のお昼に行くのが一番良いねーと、最寄りの銚子丸へ行ってきた。
 
混雑するのを避けて開店から十数分後くらいにさらっと入店。11時半を過ぎると満席になる、相変わらずの人気ぶりだったりした。朝が遅くて(しかも乳脂肪がたっぷりで)昼が早めということで、さらさらっと今日は軽めに。
 
期間限定メニューは、先日母と一緒に食べに来てから変わっていなくて、
「そうそう、この"まぐろ5貫"がかなり幸せだったよー」
と、まずはこれから。
 
とろけるような口当たりの「オリーブハマチ握り」とか、秋刀魚にクロウオにあんきもにと、今が旬の味を「少数精鋭」という感じで楽しんできた。
 
名前と反して、真っ白でねっとりと脂の乗った身だった「クロウオ」は、銀ダラの仲間だそう。「鯛醤油が似合います」とお勧めされていた握りを、鯛醤油も良いねと言いつつ、
「いや、これ、"炙り"も美味しいんじゃない?」
と、お願いして炙ってもらったり。
チーズ(ウェンズリーデイル、モンドール)
鴨のスモーク
子羊のトルティエーラ
パンプキンスープ(キャンベル)
羽釜御飯
赤ワイン(伊 Farnese Vino Novello)
そして夜は「チーズとワイン」。
だんなの出張中の10/30に、イタリアの新酒「ノヴェッロ」が今年の解禁日を迎えて、事前に予約していたお店からノヴェッロが2本、届いていたのだった。
 
出張土産にチーズがたんまりあったので(イタリアのチーズじゃなくてイギリスとフランスのだけど、そこは気にせず)、さっそくノヴェッロをいただくことに。
 
ボージョレヌーヴォーは、ボージョレ地方の、葡萄品種は「ガメイ」を使ったワインだけど、イタリアのノヴェッロは地方問わず品種問わずでバラエティ豊か。なんとなくノリでボージョレヌーヴォーを買って飲むよりは、美味しいノヴェッロ買って楽しもうよということになったのだった。
 
WINE MARKET PARTY」で買ったのは「Farnese Vino Novello(ファルネーゼ ヴィーノ・ノヴェッロ)」と「Velenosi Novello(ヴェレノージ ノヴェッロ)」。
 
今日飲んだ前者は「毎年この生産者から売り切れる」というもので、後者はガンベロ・ロッソでも高評価の生産者のものだそう。ファルネーゼは、華やかな水色でとてもフルーティ。甘さがあって飲みやすいけれど甘いだけじゃなくて酸やタンニンもちゃんと感じる、バランスの良いワインだった。くいくい飲めてしまって、これは危険。あっという間に1瓶が空になってしまったのだった。
 
寿司を食べての帰り道にお手頃価格のラムチョップを買えたので、メインのおかずはこれを。
 
「ハーブ焼きとか?……悪魔風、とか?」
と思いながら自作レシピデータベースを検索してみたら、そう多くない手持ちのラムチョップ料理レシピの中に、田中玉緒さんのレシピが4~5種類もあった。
 
そういえば年に少なくとも一度は羊レシピの月があったりするよねと思い出して(で、私がラム好きなものだから、料理教室の席に余裕があるときに「参加されませんか?」とお声がかかって伺うことも多いわけで)、じゃあ玉緒さんレシピから……と、作ってみたのは「子羊のトルティエーラ」。
 
本来は「バスクア(=感謝祭)」の時期に食べられる家庭料理なのだそう。だから本当は春の料理なのだけど(子羊自体が「春の食材」という感じだし)、材料は簡単、調理も簡単、きっとワインにも似合うことでありましょう、と作ってみることにした。
 
ハーブは使わず、味付けは塩胡椒とパルミジャーノ・レッジャーノ。じゃがいもと玉ねぎとラム肉を重ねるようにしてオーブンで焼くだけの簡単料理だった。
 
食べたいものを食べたいように並べたら野菜が全然なくなってしまったのだけど、あとは鴨のスモークとか、チーズとか。絶賛引っ越し荷造り中なのでなるべく時間も手間もかけない方向で、「でも美味しいものを」という感じの夕御飯。
 
ラムはばっちり美味しくて、ワインも美味しくて、1日の疲れもふっとんだ夕御飯。時差ぼけが未だ治らないだんな、良い気分になったようで早々にベッドに引っ込んでいったのだった。帰宅早々外出だ引っ越し準備だと、バタバタで大変だったよねぇ……12月末までしばらくばたばただろうけど、がんばろう。