2016年1月1日金曜日

秋田の正月。

※今日の写真はクリックすると大きくなります※
母特製お雑煮
菊花とアスパラ菜のおひたし
なます・黒豆
お茶
昨夜の就寝は、なんだかんだで日付がとうに変わってから。
 
早起きして新幹線に乗ったりの一日だったからすっかり疲れてしまって、案の定、息子は昼頃まで爆睡していた。私は7時半頃、だんなもその直後に起きてきた。
 
母手製の雑煮は、鶏肉と山菜、きのこ入り~。 旅行先でも早起きな母は、やっぱり家でも早起きで、母手製の雑煮で朝御飯。
 
このへん、私の方が頭が固くて「我が家の雑煮はこうあらねば」というスタイルが決まったらアレンジせずに同じものを作り続けてしまうのだけれど、母は案外適当。
 
「この地方のお雑煮って、こんな風だったっけ」
と聞けば、
「まぁ、適当よ~」
だそうで。
 
醤油味のすまし汁で、鶏肉が入るのがデフォルト。あとは「適当」で、今日のは山菜ときのこ入り。「三つ葉、切ってたのに入れるの忘れちゃった~」だそうで。
 
あとは菊花のおひたしと、母が最近お気に入りの野菜なのだという「アスパラ菜」のおひたし。おせちは後でね、ということで、なますと黒豆の小鉢だけ、テーブルに出てきた。
 
角餅は、近所のお米屋さんに支度してもらったものなのだそうで、これがたいそう美味しいもの。
 
いつだったか、「お餅なんて、どこのメーカーのも似たようなものでしょ」と、スーパーで特売されていた適当な餅を買ってきたところ、米の味が全然しない、プラスチックを食べているようなひどい味と食感のものだったことがある。
 
以来、お餅はそこそこの値段の、良いめのものを買うようにしているのだけれど、ここ数年、どこで食べたものよりも美味しいお餅だった。厚さがいまいち均一でなかったり、端のはピシッと四角じゃなくて丸っぽかったりしているけれど、それもまた良い感じ。
 
「大量にあるからねー私だけじゃ到底食べきれないから、持って帰りなさいね」
と言われて、喜んでいる私。
「弁いち」さんのおせち料理
角餅の磯辺焼き
日本酒(新政 生成(エクリュ)2014 純米 酒こまち)
日本酒(秋田 福乃友酒造 角館 純米吟醸)
そしてお昼に、満を持して静岡浜松の割烹料理屋さん「弁いち」さんのおせち料理を食卓に。
 
これまでは、関東への配達でも元日の午前中、遠方になると1月2日に到着、ということで、遠方向けの配達はなかなか難しい状況だったのだけれど、今年からは嬉しいことに、ほぼ全国、大晦日のうちに配達が可能になるとのこと。
 
いち早くその情報を知って(このお店のwebサイトの管理をさせていただいてるのが私ということもあって……)、だったらぜひぜひ秋田にも!と、4人用の大サイズおせちの宅配をお願いしていたのだった。
 
元旦に秋田でいただく、浜松のお店のおせち。対応してくれる社員の方達の苦労があってのものと思いつつ、流通の進化は本当に素晴らしい。本来は「店頭で大晦日にお客さんに渡す」スタイルでいたのを、30日のうちに仕上げてくれるようになったお店にも感謝感謝。
 
ホテルやデパートの高級おせちと比べて、外見は質素な風かもしれないけれど、詰まった料理、どれもこれもがうっとりするほど美味しいおせち。
 
「おせちなんて美味しくない」と、今は子供だけではなく大人も倦厭する人が少なくないそうだけど、それは「本当に美味しいおせちを食べたことがないから」だと思う。田作りも黒豆も、美味しいものは本当に美味しい。
 
お品書きには、「黒豆」「数の子」「昆布巻き」「田作り」「伊達巻き」「達磨玉子」「栗金団」「海老旨煮」「二色玉子」などの全国的に定番の品の他、「子持ち堀川牛蒡」「梅麩」「手鞠麩」「サーモン千枚漬け巻」「冬子椎茸」「蓮根いとこ煮」「慈姑オランダ煮」「大徳寺麩」「鮑大船煮」「堀川ゴボウ海老鋳込み」「鰆西京焼」「シャラン鴨ロースト」などなど。
 
お品書きにはなかったけれど、蒲鉾、鶏団子なども入っていた。
 
母も息子も、「おせち料理」は好きな方向ではないと言いつつ、
「あらこれ美味しい、この椎茸、立派ねぇ」
「この肉団子、うまっ!」
と、このおせちは喜んで食べていた。結局、この元日の昼だけで、おせちはほぼほぼ空っぽに。
 
そして私は、このおせちに入っている「金柑」が大好物。
 
丸ごと甘露煮にしたものではなく、果肉や種が抜かれてぺたんこになった、「皮だけ」な外見のものなのだけど、これが甘酸っぱくて香りが良くて、最高に美味しいのだった。「金柑は、ちょっと」という人の分まで、私がもぐもぐ。
 
観光地の武家屋敷も、今日はたいそう静か。 午後は、飲み物やアイスクリームを買いに、家を出て、最寄りのコンビニまで、だんなと息子と3人でてくてく。
 
角館最大の観光地「武家屋敷」の横を通るも、さすがに今日は観光客の姿も全くなかった。
 
しだれ桜が名物で、「東北三大桜名所」として桜の時期(と、あと紅葉の時期もかな)は大混雑のこの界隈、でもなかなかそういう季節には来られないのよね。
きんきんの鍋
おせちとオードブルセットの続き
鶏肉と舞茸の吸い物
御飯
日本酒(秋田 齋彌酒造 雪の茅舎 純米吟醸 しぼりたて生酒)
なんでも、
「大晦日に"きんきん"を焼いたのを食べて、食べきれない分は鍋にする」
のが、この地方のお約束なのだとか。
 
昨夜は結局、4尾あるうちの1尾食べるのがやっとだったきんきん、じゃあ鍋にしましょう私とだんなは少なくとも美味しく食べるよ!……ということで、昨夜のオードブルもたんまり残っていることだし(しかもオードブルセットにおせち的料理も入ってたりして)、それを出しつつ、食卓の中央は「きんきん鍋」。
 
「きんきん鍋」。野菜はやっぱり「芹」でしょう。根っこも入れて。 塩焼きの「きんきん」をどどーんと鍋に入れて、あとは白菜、長ねぎ、豆腐、そして芹。
 
秋田名物「きりたんぽ」でもそうだけど、芹は根っこまで入れるのがお約束。見た目はアレだけど、シャキシャキした歯触りも良いし、香りもたいそう良いしで、とっても美味しい。
 
秋田県内でも、地方によってはこれを味噌味でいただくそうだけど、母曰く「え、醤油でしょ?」だそうで。フツーに、寄せ鍋用の醤油味スープの素とか使ってしまったりするそうな。あとは「しょっつる」使うとか(母はしょっつる嫌いだから使わない……私は好きなんだけどなぁ……)。
 
塩焼きのきんきんは、そのこってりした脂が好き嫌い別れそうな感じだったけれど、鍋にするとその脂が溶けて、柔らかな白身がたいそう良い感じにほぐれてくれて、期待以上に美味しかった。
 
私は煮魚よりも焼き魚の方が好みではあるのだけれど、きんきんについては、この鍋の方が好みかも。
「あ、これは鍋にした方が食べやすいわ」
「ね、鍋の方が美味しい」
と、私とだんながせっせと食べて、1尾じゃ足りないよーと追加の塩焼ききんきんも新たに鍋の中に沈められたのだった。