2013年1月1日火曜日

美味しいおせちで

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お雑煮
麦茶
元旦の起床、7時半。だんなも息子もまだ起きてこなくて、
「そうだ、洗濯しなきゃ……」
と、まずはお洗濯。
 
おせちが届くのは昼頃だから、まずはお雑煮で新春を寿ぎましょうかね~と、お餅を焼いた。
 
我が家の鶏肉入りの鰹だしの雑煮は、焼いた角餅入り。舞茸とごぼうが入る、母の郷里の秋田風だ。関東の雑煮では定番の小松菜は入らない。
 
吸い物としても頻繁に作るこの雑煮の汁は家族全員大好物ではあるのだけれど、唯一の難点が「舞茸が入ることで、汁の色がやたらと悪くなる」こと。どうしても黒っぽく濁ってしまい、時間が経つと鶏肉までが黒っぽく色づいてきてしまう。
 
なので、旨味も流れてしまうだろうけれど、今回、舞茸は軽く湯通ししてからだしで煮てみた。案の定、旨味はちょっと減った感があるけれど、汁は綺麗に澄んだ美しいものになった。
 
今年のお餅は、年末にお米と一緒に注文した秋田の「花咲農園」のもの。「秋田の奨励品種であるもち米"きぬのはだ"100%で搗き上げたお餅」だそうで、ちゃんと米の味がする美味しいものだった。朝から美味しくて今年も幸先良いね~。
「弁いち」さんのおせち料理
「宝華」のチャーシュー
里芋と蛸の煮物
自家製栗きんとん
菊花かぶ
日本酒(秋田 鈴木酒造 秀よし純米大吟醸)
午前中まったり過ごして、そして昼前に届いたのが「弁いち」さんのおせち料理。
 
秋になると、私たちの手元には3万円5万円といった価格帯の、有名料亭・レストランの豪華なおせち案内がデパートなどから届いたりするけれど、それとは別に「業務用おせちカタログ」が飲食店に広く出回るのであるらしい。
 
田作り、黒豆といった定番商品から手の込んだ煮物焼き物まで、予算に合わせて品を選べば、大袈裟じゃなく「後は詰めるだけ」でおせちができあがってしまうようなカタログなのだそうだ。ちょっとそれ、眺めてみたいな、なんて思ったり。
 
「まぁ、安いランチブッフェとか、ビジネスホテルの朝御飯とかでそんな品はお馴染みだもんねぇ」
と、今更驚きはしないけれど、普通に買うお弁当や惣菜よりはずっと値段の張るおせち料理で「化学調味料こてこて風味の、どこの国の食材使ったのかわからないような品」を口にするのはやっぱりちょっと悲しいものがある。
 
で、その点、全幅の信頼を置いている「弁いち」さんが、今年もクリスマスの頃からおせちの仕込みを始めていらした。
 
ご自身の目で選んだ食材を全てお店で調理する。大きな伊勢海老がドーンと入っていたりするわけじゃないから、派手な感じではないのだけれど、1つ1つがきちんと美味しい、「これぞ日本のおせち料理」というおせちなのだった。当然ながら日本酒にも素晴らしく似合うし、都心で売られているおせちの値段を思うと、送料をかけてもお手頃価格。我が家はこのおせちの大ファンだ。
 
数の子の仕込みは10kg、蓮根は8kg、クワイ450個という単位の仕込み。スタッフさんを多く抱えていらした頃よりも規模は縮小したらしいのだけれど、それでも「普段の割烹料理」とは全く違う正月料理の仕込みが早朝から深夜まで毎日毎日。
 
基本的にはお店に受け取りに来る地元のお客さまを主としているので、仕上がりは大晦日。千葉への配送の到着は、翌日元日の午前中になるのだった。
 
「届いた~♪おせち届いた~♪」
「年賀状も届いてるよ」
と、俄然元気に動き出す私たち。
 
届いたおせち以外にも、チャーシュー切ったり、自家製のあれこれも並べたりして、テーブルの上は「絵に描いたようなお正月の御飯」。
 
子供の頃は「全然美味しそうなものがないよなぁ」なんて思っていただろう光景だけれど、今は「うひょー!御馳走!」という感じ。魚や貝からいただかないとね、なんて話しつつも、結局は好きなものを好きな順序でいただいた。
 
今年のおせち、添付の献立表によると内容はこんな感じ↓
 
縁起物
黒豆、数の子、子持ち堀川牛蒡、昆布巻き、田作り、伊達巻、
海老旨煮、達磨玉子、金柑、栗金団
祝い肴
紅白膾、梅麩、手鞠麩、二色(錦)玉子、つく羽根、サーモン蕪巻、
自家製からすみ
煮しめもの
冬子椎茸、蓮根いとこ煮、慈姑オランダ煮、大徳寺麩、
真つぶ貝と鮑大船煮
焼き物
鰆西京焼、フランスバルバリー鴨ロースト
 
さりげなく「鴨ロースト」(しかもバルバリーの鴨……)が入っちゃうあたりが「弁いちさんだなぁ」という感じ。自家製からすみは今年も絶品だったし、しっかり甘いけれど上品な味付けの黒豆も美味しかった。ていうか何もかもが美味しい。
 
ちなみにお酒は、母が送ってくれた秋田の大吟醸。
「the大吟醸」!という風な、大吟醸のお手本のような上品な吟醸香漂う美味しいお酒だった。
 
うーん、幸せ♪
「弁いち」さんのおせち料理
フォアグラ大根
スモークサーモン
からすみ大根
なます蕪
ミニチャーシュー丼
日本酒(鳥取 諏訪酒造 諏訪泉 純米吟醸古酒1994)
お昼の日本酒4合瓶はあっという間に空になり、夕飯はだんなが買ってきてくれた鳥取の酒蔵「諏訪酒造」の古酒。
 
「夕飯にはフォアグラ大根出しましょ」
「フォアグラのパンチに負けないお酒を飲みましょ」
という事でこのお酒にしたわけだけど……このお酒がまた、めちゃめちゃ美味しかった。
 
古酒は好みが分かれるところだけれど(普通の日本酒のつもりで口に含んだら仰天する風味)、水色からしてブランデーのような琥珀色をしていて、独特のひね香が力強く漂ってくる。「フォアグラ大根+古酒」は、こんなの口にしたら人間がダメになりますってくらいに美味しかった。
 
ふろふき大根は、ごくあっさりめに。だしに酒と少量の薄口醤油を加えただけで、ほとんど塩気を感じない程度に白っぽく炊きあげて、フォアグラはスライスして塩胡椒、小麦粉をふって両面さっと炙る。
 
大根とフォアグラ積み上げて、最後に添えるソースはお店によって色々あるようだけれど、今回は醤油味醂だしの和風あんにした。大根を煮ただし汁を少量取り分けて醤油と酒と味醂を加え(ちょっと甘めに)、軽く煮詰めてから片栗粉でとろみをつけただけ。それを上からとろんとかけていただいた。
 
煮た大根はもちろん「ビオファームまつき」のもので、これが形の崩れにくいしっかりとしたものなのに、中までだしを含んだ最高の食感。苦さもかけらもなく、たいそう美味しい大根だった。最高の大根と最高のフォアグラで、私のシロウトの調理でもすばらしい御馳走に。
 
あとはおおむね「お昼の続き」みたいなものをだらだらといただいて、最後は軽くチャーシュー丼。
 
夜はお酒軽め軽めにしておいて、そして深夜、日付が変わる頃にTBSテレビで放映された「リアル脱出ゲームTV」に家族で挑戦。いきなり元日の夜から謎解きをするとは(しかも民放のTV番組で!)思わなかった。謎の作成は、もちろん大好きなSCRAP。
 
これが、問題はたったの2つなのに(2つだからか)、「いつものリアル脱出ゲームのクライマックス出題」に近い難易度。テレビを見ながらwebサイトの解答ページに答えを入力していくという試みで、結局最終問題正解率は1.8%という結果だった。テレビなのに容赦ない謎を出してきたSCRAPに新年早々完敗。1つめの謎はちょっと腑に落ちない感じだったけれど、2つめの謎は、いかにもSCRAPらしいものだった。
 
面白い試みだったから(それに多分放映局的にも成功だったのではないかなー……と)、また第2弾第3弾と続けて欲しいな。
 
色々と充実の元日でした。