2015年1月1日木曜日

ホテルのおせち

※今日の写真はクリックすると大きくなります※
「パレスホテル東京」内宴会場にて
 おせち料理
 お雑煮
 お屠蘇・日本酒
ホテルで年越しの、今年のお正月。
日付が変わってから寝たのだけど、起床はなんだかんだで6時過ぎ。隣室のだんなも7時半には起きたらしく、しばらく待ってから息子を起こして階下におせち料理をいただきに行った。
 
おせちを好まない人もいるということで、ブッフェ朝食を供する1階レストランでは洋食ブッフェもいただける。おせち料理は2階の宴会場で。
 
噴水公園側が全面窓の明るい宴会場は昨夜年越し蕎麦をいただいた場所で、日中はこんなに明るい宴会場なのねとびっくりした。ホテルの女性スタッフは華やかな着物着用で、やってきたお客さんたちにお屠蘇のサービス。
 
綺麗に盛られたおせちは、朝からたいそうな御馳走。
田作り、紅白かまぼこ、伊達巻き、黒豆、昆布巻き、数の子、紅白なます、菊花かぶなど「おせちの基本」はばっちり入れつつ、栗きんとんは甘みあっさりめで松かさ形に可愛くまとめられていた。あとは昆布締めの鯛とか、金紙でくるまれたほの甘いお餅、鱈の黄身焼き(?)なども。炊き合わせに入っていた見慣れない赤いぷよぷよしたものは、「赤こんにゃく」というものみたい。
 
日本酒を1合だけいただいて、それを飲み飲み、まったりと。ゆっくり楽しんでからお雑煮を出してもらった。
 
お雑煮はこんな感じでした お雑煮は、こんな感じ。
 
焼いた紅白の丸餅と、炙った鶏むね肉。柚子の香りの吸い物で、三つ葉入り。
 
里芋と丸く切った大根、京人参も入っていた。
 
東京の雑煮は「焼いた角餅&鶏と小松菜」が定番だから、それとはちょっと違う感じ。
 
我が家のは秋田風の、鶏の他にごぼうや舞茸も入る、しっかりめの醤油入りのだしの雑煮だから、新鮮だった。
 
食後は、今日はホテル内でゆるゆると。地階のアーケードを覗きに行ったりしつつ、「お昼御飯は要らないよねー」「あとでラウンジでお茶するくらいでいいよねー」ということに。
「パレスホテル東京」内クラブラウンジにて
 マロンシャンテリー
 フィンガーサンド
 スコーン w/クロテッドクリーム・ぶどうジャム
 マカロン
 バニラのムース
 紅茶
母が、「パレスホテル行ったらね、絶対食べなきゃと思ってたの」というケーキがあるらしい。
 
なんでもつい最近、テレビで某歌舞伎俳優が「このホテルのこれが大好きなんです」と言っていたらしく、「絶対食べなきゃ!」とメモしていたのだとか。それが「マロンシャンテリー」。
 
パレスホテルの名物らしいです、「マロンシャンテリー」。 ペストリーショップに覗きに行ったら、噂の「マロンシャンテリー」が並んでいて「これね!」と。
 
お皿とフォークでいただきたいねと、ケーキを手にクラブラウンジに行き、「ここで食べても良いですか?」と聞いてみたら勿論です、とのこと。
 
お皿やフォークを持ってきてくれた。ソフトドリンクはいつでも無料でいただけるので、ありがたいなぁと紅茶を淹れてもらって、お茶の時間を楽しんだ。
 
見た目、「クリームのかたまり」のような、マロンシャンテリー。
 
そぼろ状になった上品な甘さの栗が中に詰まっていて、その外側はひたすらクリーム!という感じのお菓子だった。クリームたっぷりだけれどモンブランのようなねっとり感は薄くて、むしろあっさり。美味しかった。
 
そうこうするうちにラウンジのアフタヌーンティータイムが始まって、カウンターには焼き菓子やスコーンがずらりと。フィンガーサンドも数種類出てきて、これは嬉しいねと、ケーキに続いてサンドイッチやスコーンももぐもぐ。
 
ラウンジには、地階で1個250円ほどで売られていたマカロンも並んでいて、「うわぁ……」と目が釘付け。思わず大きめサイズのそのマカロンも1個。しっかりいただいてしまった。
 
部屋に戻るとお年賀のお菓子が。 そして部屋に戻ると、すっかり綺麗になった部屋のテーブルに折り鶴、カードと共に「お年賀」の箱が置かれていた。
 
そうか、年越し滞在するとこういうのも貰えるのか……と手にしてみたら、浅草「小桜」というお店のかりんとうセットだった。
 
夕方は、ちらっと時間もできたので館内プールでひと泳ぎ。「エビアン スパ 東京」に併設のプールということで、渡してくれるお水も当然エビアン。ロッカールームはそう広くはなく、ロッカー内のシャワーも1つだけではあったけど、タオル類は豊富に使えて良い感じ。明るく清潔なプールは、もうちょっと広いと嬉しいなーという印象だったものの、長さはそれなりにあったので「初泳ぎ」を楽しんだ。
「パレスホテル東京」内クラブラウンジにて
 ローストビーフ・カプレーゼ・スモークサーモンのカナッペ
 スパークリングワイン
 
「パレスホテル東京」にて
 ニューイヤーオーケストラディナー
そして元日の夜は、ニューイヤーオーケストラディナー。
 
始まる前にさらっとラウンジでスパークリングワイン(国産の「勝沼のあわ」というの、美味しかった)を飲みつつ、一口サイズのローストビーフやカプレーゼなどを軽くもぐもぐ。
 
今日の夜は一番ちゃんとした恰好しなきゃねと息子にもスーツを着せて、2階宴会場で開催の会場に向かった。コンサートは第一部と第二部に分かれ、その間の演奏がない時間帯にディナーが供される流れ。10名着席の円卓が会場に20個、申し込み先着200名限定の、希望者全員が入れるわけではないディナーだそう。年越しプランで滞在中のお客は無料で参加できるけれど、そうでない場合は1名26200円だそうだ。
 
「というわけで、料理は多分宴会料理的なものだと思うけど、せっかくなので申し込みました」
と、宿泊予約と同時にとっととこれにも申し込んでいた私。早めの申し込みが良かったのか、チケットに印字されたテーブルナンバーは、ステージ正面の良席だった。
 
「パレスホテル東京」のニューイヤーオーケストラディナー。前菜に瞬間燻製が。 少し早めに到着したところ、コンサート前に前菜がテーブルに。
 
飲み物も含まれていて、スパークリングワイン、白ワイン、赤ワインなどがボトムレスでいただけた。
 
メニュー名が色々すごくて、やっぱり「宴会料理だ……」と笑ってしまいつつ、フォークとナイフが左右にずらりと並び、デザートフォークとデザートスプーンが前に並ぶ光景はなかなか壮観。
 
こういうテーブルセッティングは、それこそ結婚披露宴にでも行かないと最近はお目にかかれないから(高級フレンチも、1皿ごとにフォークやナイフを並べるのが今はあたりまえのスタイルだし)わくわくしてしまった。
 
出てきた料理はこんな感じ。
 
  • 食前のアミューズ・ブーシュ
    アンショワイヤード・軽く燻製にしたサーモンムース・オマール海老のカプレーゼ アンチョビクリーム
  • 帆立貝のカルパッチョ 貝類とセロリのラムラード 青リンゴのジュレ
  • 平目のロティ アワビとコンディマン シトロネルと生姜の香るエミュルジョン クミン風味のジャガイモのニョッキ
  • 和牛フィレ肉のカドリエ コロンナータ村のラルド クレソンとセミドライトマト シラーズのエッセンスたっぷりのソースで
  • ヴァイオリンの協奏曲 トンカ豆のパルフェとライムソルベ 季節のフルーツの庭園仕立て
  • カフェ
 
悪くはなかったけど、ちゃんと美味しかったけど、でも大晦日にいただいた中華や、メインダイニングのレベルを考えると「うーん、やっぱり宴会料理だよねぇ」という感じ。グラスにムースを盛りつけて逆さにし、燻製の煙を満たした前菜のプレゼンテーションなどは面白かったのだけど。
 
でも、コンサートは素晴らしく面白かった。
 
「オーケストラ」とあったからオーケストラの楽曲だけなのかと思ったら、実際は歌い手が6人出てきての、オペラやミュージカルの名曲のコンサート。知っている曲があれこれ出てきて、何より新春早々「オペラ座の怪人」の曲が聴けたのは幸せだった。
 
演目はこんな感じ。
 
第一部
ヴェルディ オペラ《椿姫》第一幕ハイライト
プッチーニ オペラ《トスカ》より「星は光りぬ」
ヴェルディ オペラ《リゴレット》より「女は気まぐれ」
ビゼー オペラ《カルメン》セレクション
第二部
レハール オペレッタ《メリーウィドウ》セレクション
映画《マイ・フェア・レディ》より「踊り明かそう」
ミュージカル《オペラ座の怪人》セレクション
ミュージカル《ウエスト・サイド物語》より「トゥナイト」
タイム・トゥ・セイ・グッバイ
 
パレスホテル東京、ニューイヤーオーケストラディナーにて。とても華やか。 写真は「椿姫」の「乾杯の歌(Libiamo Ne' Lieti Calici)」のシーン。
 
こってり系のオペラは前半に集中して、後半は日本語曲も交えたミュージカル曲を中心に。
 
「オペラ座の怪人」からは怪人のソロの「The Music Of The Night」を日本語でと、ラウルとクリスティーヌのデュエット「All I Ask Of You」を英語で。怪人に扮して、顔半分のマスクをちゃんと付けて歌ってくれたのはバリトン歌手の中西勝之さん。イケメンでした。
 
アンコールは、歌手全員が客席を回りつつ拍手で盛り上がるラディッキー行進曲からの、女性3人の……曲名失念、男性3人のオー・ソレ・ミオ、最後は全員でのトゥーランドット「誰も寝てはならぬ」。ちなみに司会は「モーニングバード!」に出演のアナウンサー原元美紀さん。色々豪華だった。
 
「パレスホテル東京」のニューイヤーオーケストラディナー、デザートにはヴァイオリンが! そうそう、これはデザート「ヴァイオリンの協奏曲」、おお、なるほど!という、この外見。
 
200名分、きっちり綺麗にヴァイオリンが1つずつ盛られていて、なかなか壮観だった。
 
味の方は……「トンカ豆のパルフェ」がずっしり重くてたっぷりで、私はあまりチョコレートチョコレートしたデザートは得意ではないこともあって、むしろ添え物のライムのシャーベットが嬉しかったかな、という。
 
ミュージカル好きの私や母、だんなは楽しめたようだけど、息子はどうだったかなと思えば「すげー楽しかった」だそうで。小学生の頃は「ミュージカルとか、退屈~」という感じだったのに、今日は「いつかまたちゃんとオペラ座の怪人、見たいんだよねぇ」なんて言い出した。
 
殊に母は、良い方向に期待を裏切られたみたい(客席と舞台が近いとか、単なるクラシック音楽じゃなかったとか)で、
「いいわねぇ、こんなのが毎年見られるなら、毎年泊まりに来たいわねぇ」
と御満悦。良い夜でした。テレビを全然見ない大晦日&お正月というのも良いね(録画してきたけどね!)。