2020年11月7日土曜日

充実の京都満喫

今日一番に、びっくりするほど美味しかったのはこの皿かなあ、という。
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「ウェスティン都ホテル京都」内「洛空」にて
 朝食ブッフェ
ウェスティン都ホテル京都」に宿泊のこの週末。
 
てっきりついていないと思っていた朝食、2階のダイニング「洛空」でブッフェスタイルのがいただけるとのことで、当初は「イノダコーヒー本店にでも行ってみる?」と計画していたのは止めることにして。
ホテルの朝食ブッフェ、大好きなんですもの仕方ない。
 
コロナ禍の朝食ブッフェはほんと大変。でも好きなものを好きなだけ。 和風のおかずがいっぱいあるなあ、でも今日はパンケーキとかオムレツとか食べたい気分なのよねと、最初はこんな感じで。
 
コロナ禍のブッフェは、ほんと、大変。ここではほとんどの料理が最初から小分けになってるのに、それをフロアスタッフがわざわざ取ってくれるスタイルになっていた。
 
ブッフェってスタッフを少なくできるのが最大の利点だろうに、ブッフェ台回りにざっと見ただけで10人単位の方が立ち働いていて、これは大変だなあ……と。
 
サラダも、「どれを盛りつけましょう?」と逐一皿に盛ってくれ、そしてお客は木製のトレイを手にブッフェ台を回るように言われていて(もちろんマスク着用も必須)、皿同士すら手渡しにならないような状態になっていた。
 
目の前で焼いてくれるオムレツは炒め玉ねぎとチーズとマッシュルーム入りにしてもらい、そしてケチャップはジャム瓶みたいな小さな容器入り。ジャム類も勿論、大きな容器から好きなだけという形ではなく、小瓶が大量に用意されていて。
 
一口サイズの可愛いジュースは、これもスタッフさんがグラスに入れてくださる、人参と生姜のアイオープナージュース。鮮烈な生姜の香り(でも甘くておいしい)。
 
これ、可愛いし楽しいし美味しいです。すっかり気に入った。 そしてフルーツコーナーにあった、「CAJYUTTA」なるマシンのこれが、とても面白かった。初めて見たわ。
 
グレープフルーツやオレンジに折りたたみ式の泡立て器みたいなこのマシンを刺して、スイッチ入れると果実の中身が攪拌されて、そのままジュースになるという寸法。
 
ぷすっと紙製ストローが刺されて、そのままちゅーちゅーいただける。
 
それほど繊維感は無いし、何よりフレッシュな果実そのままの味のジュースだし、見た目も可愛い。
 
なぜかね……おにぎり食べてますよね…… だんなは和朝食にしていて、おかずが美味しいとかご飯が美味しいとか、すごく喜んでいて。
 
そして皿を下げに来たスタッフさんが、「お米、是非召し上がっていただきたいです」とおっしゃってて「え、そうなの?」と。
 
確かに、米コーナーに大きな看板が出てたけど、このレストランのお米は"八代目儀兵衛のオリジナルブレンド米を使用した白米"なんですって。んでちょうど新米が出てきていて、それがまた格別に美味しくて、お昼のブッフェではお米のオーナーに列が出来ちゃうくらいなんですって。
 
おにぎりも美味しいですよと言われるし、だんなからは「牛しぐれおにぎり最高!」とサラウンドでお勧めされるしで、「え、じゃあ私も食べる……パンケーキは止めとく……」と、おにぎり、貰ってきた次第。
 
目の前で好みの具材で握ってくれるおにぎり、今日は鮭ほぐしが美味しそうだったので鮭おにぎりにしてもらった。お願いして小さめにしてもらい、あとは自家製豆腐と、これまた目の前で次々焼いて仕上げてくれるだし巻き卵も、ついついうっかり。
 
この、だし巻き卵がまた、美味しくて。
 
確かにお米も、旨味や甘みがしっかりあって、たいそう美味しくて。んで具も、よくある鮭フレークじゃない、ちゃんと炭火焼した鮭をほぐした風な香ばしさがあって。
 
漬物は西利だとか、柴漬けは土井志ば漬本舗のだとか、なんだかもう色々こだわりがすごくて、そして多分、"だし巻き卵を目の前で焼いてくれる"朝食ブッフェは、私、これが初めて。
 
果物がどれも甘くて美味しいのも幸せ。 「すごい……京都、パない……和食に対する情熱がすごい……」
 
恐れ入りました、と、なりながら、最後はこんな感じ。
「パイナップル3切れとメロン2切れと」と伝えてわざわざよそって貰ったフルーツに、小分けされたヨーグルト。蜂蜜も小瓶入り。
 
そしてCAJYUTTAおかわりでオレンジも。
 
充実の朝食でした。かなり本気で食べてしまった。
 
で、今日は、旅行プランについてきた「ずらし旅 選べる体験」を使って、レンタサイクルで移動の一日。
 
じゃかじゃか自転車漕ぎましょう、と、四条のターミナルで自転車借りて、返却は二条の別ターミナルでお願いして、結局今日は10kmを越えるくらいは自転車を漕いだことになるみたい。
 
最初の目的地は、「京都水族館」。
 
一番の見頃まであと少しとはいえ、紅葉の寺社仏閣放り出して、私たちの今回の京都目当ては、私がクラゲ、だんなが"てっぱく"だったりするのだった。
お互い、「そっちも見てみたい」ということで、別行動はせず、午前中に水族館、午後に鉄道博物館を巡ることに。
 
クラゲ好きにはなかなかたまらない空間でした、クラゲワンダー。 京都水族館では、今年の7月に「クラゲの世界を体感する新展示エリア「クラゲワンダー」が誕生」とのこと。
 
そのニュースも知っていたから尚のこと来てみたかったのだけど、なるほど、所見のクラゲも何種類もいてなかなか楽しかった。
 
"西日本最多となる約20種5,000匹"だそうだけど、そうなのかな?大阪の海遊館もなかなかのクラゲへの力の入れようだった気がするけれど。
 
とても綺麗なクラゲだった、「クリサオラ プロカミア」。舌噛みそうな名前です。 こちら、多分所見だった、「クリサオラ プロカミア」というクラゲ。
 
アカクラゲに少し似ているけれど、口腕のフリルみたいなぴらぴらさがアカクラゲとちょっと違ってなんとも言えない色っぽさ。
 
美しいオキクラゲや、えのすいよりも小ぶりで可愛いパシフィックシーネットル、サムクラゲ、カギノテクラゲ、カブトクラゲ、ギヤマンクラゲ、お馴染みのブルージェリーフィッシュに、あとは大量てんこ盛りのミズクラゲ、と、期待以上に楽しめた。
 
私の好きなクラゲ3本の指に入るアカクラゲさんは今日も美しい。 そしてやっぱりアカクラゲは綺麗。
 
展示コーナーにはラボルームが併設されていて、飼育中のクラゲやら何やらが見られるようになっていたのも良い企画だったと思う。
 
面白かったのが、パネル展示の、「飼育スタッフのマル秘メモ付きクラゲワンダー大図鑑」。
図鑑風の真面目な解説に添えられたマル秘メモが愛情に溢れていて、たとえば、こんな感じ。
 
サルシアクラゲ
4本の触手を伸ばし、水中を漂う姿が風鈴みたいでキレイ!一方で「宇宙人みたい」と言う飼育スタッフもいるが、認めない。
 
パシフィックシーネットル
水流に向かって力強く泳ぐパワー系クラゲ。なんでもよく食べるので、健やかに大きく育ってほしいと心から思う。
 
キャノンボールジェリーフィッシュ
力強く泳ぎ回る姿は、まさに"大砲"。そんな彼らに魅了され、「飼育したい!」と懇願し、飼育が始まった(スタッフ談)。
 
エボシクラゲ
ごはんをあげると、胃袋がパンパンになるまで食べるのでたまに泳げなくなっている。頼むから食べ過ぎないでほしい。
 
思わずじっくり眺めてしまい、でも案外とお魚展示の種類自体はそれほどには多くなく、昼食まで時間が出来てしまったので子供連れなどに混ざってイルカショーも見たりした。
アザラシやオットセイも居る、街の中の水族館。
 
ここは日本初の完全人工海水利用型の水族館なんだよね。来られて良かった。
京都 梅小路京都西「とんかつ一番」にて
 当店自慢のクリームコロッケ(2ケ) \880
 とんかつ \1000
京都水族館から徒歩3分ほど。驚きの大人気店でした。 そしてお昼は、水族館からたった200mほどの距離にある、「とんかつ一番」という店に。
 
だんなが、水族館webサイトのバナーから近隣の飲食店ガイド的なもに辿り着き、「あ、ここ美味しそう」と思った店なのだそう。
 
「デミグラスソースで食べるとんかつなんだって」と言われ、へえ、面白そうだね?と。
 
混雑したら嫌だなあと、開店早々くらいのタイミングで伺ってみたら、もう既に残席はカウンターに2席だけみたいな状態になっていた。
 
滑り込むように着席して、そして食事を終えて出てみたら店頭には20人ほどの行列が出来ていてびっくりした次第。
 
お店への曲がり角に「お店はこちら」的なポスターがあったのを帰り際によくよく眺めてみたら、この店、『ミシュランガイド京都・大阪+岡山2021』のビブグルマン掲載店だったのであるらしい。まさかの大人気店にするっと入って食べることが出来て、何よりだった。
 
え、なにこれ、すごく美味しい、なんだこれ美味しい、ってなってたクリームコロッケ。 料理は全て単品で、250円の追加でご飯と味噌汁、漬物がついてくるとのこと。
 
「コロッケも食べたくない?」とだんなに言われて「食べたい!」と即答し、代わりに私はご飯のセットはつけないことにした。
 
米飯食べるよりコロッケととんかつを満喫したかった所存。
 
品名にわざわざ「当店自慢の」とついている、「当店自慢のクリームコロッケ」は、2個880円。自家製ポテトサラダと千切りキャベツ(ドレッシングかかってる)と、コロッケの下にはオーロラソース。
 
具材はシンプルに玉ねぎと海老だけだそうで、とろんふわんとしたホワイトソースは食感も風味もびっくりするほど美味しくて。
 
そしてこの店、揚げ油がラードなのね。だから衣の香ばしさが最高に幸せ。カロリーとは幸せのこと。仕方ない。
 
懐かしいような味のデミグラスソースが敷かれたとんかつ。これも絶対美味しいやつ……! そして1000円のとんかつ。
 
これは1人1皿貰って、だんなは定食にしてもらっていた。
 
1500円の名代とんかつでも良かったかな……と一瞬思ったけど、いやでもこの1000円とんかつで既にボリュームたっぷり。
 
添えられたナポリタンと共に、デミグラスソースはほんのり昭和な味わいで、レトロな店内の雰囲気もあいまって、初めて口にするのに懐かしいような感じもするとんかつだった。
 
このデミグラスソースを使ったオムライスやポークチャップなどもあるそうで、メニューにあったカツカレー、ソースカツ丼あたりにもいかにも美味しそう。
 
また京都水族館に来るときには、この店もセットだな……と思ったのだった。
 
京都鉄道博物館、蒸気機関車がずらりと並ぶ、圧巻の転車台。 そして午後は、いざ、「京都鉄道博物館」へ。
 
ここには実際に使われていた扇形機関庫と転車台があって、機関庫にはずらりと明治から昭和にかけての代表的な蒸気機関車が並んでいる。
 
更に初代新幹線やら、子供の頃よく乗った懐かしい特急車両やらトワイライトエクスプレスやら何やら、車両現物がてんこ盛りに展示されているのだった。
 
子供も喜びそうなジオラマとか操縦体験なんてブースもあるけれど、モーターについてとかパンタグラフについてとか、かなり突っ込んだ難しい展示もあったりして、鉄道好きな大人(だんなとか……)が存分に楽しめるような博物館。
 
あー、ブルートレインのA寝台~!(寝台車と言ったら私にとってはこれ) とはいえ私も、寝台列車が大好きで、子供の頃に母の郷里の秋田に行く時に頻繁に乗っていた上野~盛岡間のブルートレインの車両を見つけて、そうそうこれこれこれこれと喜んでいたりしたのだった。
 
車両に対して直角にベッドが並ぶ3段のB寝台も良いけど、私にとっての寝台列車は車両と並行に2段ベッドが並ぶA寝台なんだなあ。
 
懐かしの冷水器。そうそうこれこれ! 初代新幹線の車両を見る時には、密を避けて車両入口前で並んでいる時に
 
「この頃の列車って、水飲み機あったよね」
「ああ、コップついてるやつ」
「うすっぺらーい、折りたたみの紙のコップのやつ!」
 
とだんなと盛り上がっていたら、係員さんがちらりと車両の中を見に行って戻ってきて、
 
「その冷水器、ありますよ」
と。
右手覗いてちょっと奥だけど見てください、と言われて、見たら、あった。
そう、これー!
紙コップはこんなのでした。おお懐かしい。
 
最後はちょっと疲れて座りたいというのもあって、子供らに混じってジオラマショーも眺めてみたり。
京都 御池烏丸「イノダコーヒー本店」にて
 栗のタルト セット(アイスコーヒー) \1040
 プリン \420
 アイスカフェオレ \620
を、2人で
今日は夕方から天気がちょっと崩れるみたいで、その前にレンタサイクルを返せると良いね、と。
 
でもお茶くらいしましょうかと、自転車こぎこぎ、「イノダコーヒ 本店」に向かってみた。
 
イノダコーヒーは創業80年の老舗(京都だと80年は老舗じゃないのかな)の喫茶店。駅ビルなどあちこちに支店はあるけれどやっぱり本店の雰囲気は別格らしいと聞いていた。
 
なんだろう、東京で言えば銀座ウエストみたいな位置付けなのかな?いやもう少し若干カジュアルめ?という風な印象。
 
2階建ての本店は、吹き抜けの1階奥の席の雰囲気も良いし、2階はどうなのかなと気になるし、化粧室に至る通路なんかも可愛いし(そして何故かオウムが3羽飼われてるし)、色々とレトロで可愛らしかった。
 
「イノダコーヒー」本店で、栗のタルトを。 栗が大好きな私は、期間限定栗のタルトを。
 
"胡桃の香ばしさ、食感をお楽しみください"と品書きにあって、え、胡桃も好物!とこのケーキにした。
 
栗のワイン煮かな?深い色の栗も塊でごろりと入っていて、そして上にはたっぷりの胡桃がトッピング。濃厚な栗の味漂う、素敵なケーキだった。
 
甘さも、老舗の味らしく、しっかり甘め。
 
このプリン絶対美味しいと思わない?と言ったらだんなが頼んでくれました。 そして、メニューの写真を見た時から「これはきっと美味しいプリンだわ」と思っていたプリンはだんなが注文してくれて。
 
これがまた、カスタードプリンとはかくあるべし、みたいなお手本みたいな味がした。
 
つるんと綺麗で、無駄に柔らかいこともなく、固すぎるということもなく。
 
このお店、アイスコーヒーやアイスカフェオーレなんかはデフォルトが甘いらしく、「甘くしてお出しして良いですか?」と聞かれるのがなんだかコメダっぽくて面白かった。
 
小雨パラつき始めた頃、首尾良く自転車返してホテルに帰還。
でも夕飯はタクシー送迎だから安心だね。
五条「馳走 陽雅」にて
 特選 陽コース
 日本酒 たっぷり
京都の夕御飯、せっかくなら美味しいのを食べたいし、日本酒の品揃えが良かったら言うまでもないし。
 
で、蛇の道はなんとやらで、「LITTLE SAKE SQUARE」さんで「京都でお勧めのお店ありますかー?」と聞いてみたのだった。
 
お店の常連の方にもいくつか教えていただいて、ご飯もちゃんと食べられると嬉しいなあなんて感じで、決めたのが、「馳走陽雅」さん。
 
Go To Eatの予約割引使えるかななんて調べたら、MKタクシーが提供している「お食事とタクシー送迎のセットツアー」を見つけてしまった。店主が笑いながら「えげつないプランですよね」とおっしゃってたけど、ほんと、えげつない……というか制度の上手いところをついてきたなという、サービスで。
 
「馳走 陽雅」さんにて。綺麗な八寸。何から何まで美味しかったなあ……。 通常の、"特選 陽コース"が税サ別の13000円。
 
メルセデスのワゴンやら、セダンやらの高級車による送迎(だからタクシーより、ホテルリムジンの送迎に感覚は近い)がついて、税込20000円。
 
GoToトラベルの割引適用で支払い金額は13000円になって(この段階で従来食事代より安くなる)、更に地域共通クーポンが3000円。これは今回、お店での飲み物代に充当できる。
 
クーポンが適用されない飲食店も中にはあって、その場合は、夕食の場合は行きの車内でクーポン貰って食後から日付が変わるまでに何が何でもクーポンを使い切らないといけないというミッションが発生するわけだけど、それにしても……うまいGoToトラベルの使い方だよなあ、という感じ。
 
というわけで、想定よりも相当にお安く飲み食いしたうえに送迎までお願いできてしまったのだった。ありがとうGoTo。
 
カウンターのみ7席くらいが限界のお店。
店主一人で料理も接客も全部こなしていて、目の前で料理されていくその様も御馳走という風で。
 
地元はこちらだけれど、少し前まで恵比寿の割烹料理屋さんで修行されていたそうで、今もお客の8割ほどが関東からのお客様なのだそう。
京都の人がやってくる時は、関東の人からの紹介で連れて来られるという面白い事になっているのだそうだ。
 
そういう経歴もあってか、ややしっかりめの味つけは酒の肴として最高で、そして出てくる料理どれもこれもが美味しくて。
合計4合のお酒が出てくる(最初にミニビールも出てくる)"酔い良いセット"5400円を貰って、古酒まで貰って、クーポンは綺麗に消えたのだった。
 
いただいた料理とお酒は、こんな感じ。
 
  • 林檎のお湯割り
  • むかごの五穀粥
         日本酒:広島 中尾酒造 幻 純米吟醸 八反錦
  • 八寸
    秋鮭の白子の味噌漬け
    菊菜のおひたし
    かますの寿司
    焼き栗
    鯖の燻製とアーモンド
    孫芋
    柿に見立てた卵黄の味噌漬け
  • 胡桃豆腐 ワタリガニの仕立て
         日本酒:兵庫 本田酒造 龍力 特別純米 生酛仕込み 山田錦
  • 甘鯛の熟成 つるむらさきの花と温野菜
  • 鰹の炙りと雲丹
  • 子持ち鮎の笹巻き 城陽の落花生 丹波の黒豆 骨煎餅
         日本酒:滋賀 竹内酒造 唯々 茜空の約束 純米吟醸 山田錦 2019BY
  • 岩もずくと牡蠣、白子
  • 熟成鰤トロのカマ下
  • 鰤の霜降り 大徳寺納豆
         日本酒:兵庫 白鷹 悦蔵 生酛造り 特別純米 一ッ火 山田錦
  • 鰤の霜降り 肝とおろし添え
  • 炊き込みご飯 鮭といくら キャベツ 漬物盛り
         日本酒:兵庫 太陽酒造 太陽 秘蔵酒 常温熟成特別純米原酒 30BY
         日本酒:和歌山 吉村秀雄商店 車坂 山廃純米 2015BY
         日本酒:詳細不明 常温熟成古酒
  • 焼き茄子のシャーベット
  • 和菓子 栗拾い・亥の子餅 抹茶
         日本酒:福井 美川酒造場 舞美人 純米 酒粕再発酵酒
 
多分余さずメモ残せてたと思うけど、まあよく食べたしよく飲んだ。
 
料理の写真で伝わるかと思うけど、綺麗だけれどこねくりしすぎない塩梅が好みな感じだったし、何より本当、何もかもが美味しくて。
 
大手酒造メーカー、白鷹の本気のお酒は本気で美味しかったのでした。 おまかせでのお酒も、一口飲むまでは絶対に瓶を見せて来ないところも好感が持てた。
 
あれこのお酒美味しい?ええ?あの大手の白鷹のお酒なんだ?という楽しい驚きもあったりして。
 
このお酒、「白鷹の創始者、辰馬悦蔵の酒造りへのこだわりを凝縮させた特別純米」なんですって。白鷹って、切れ味重視のすっきり辛口系という、大手にありがちな印象以上のものは抱いていなかったけど、これは味がしっかり乗っていて、食中酒として料理の邪魔もしない、ほんと、良い酒。
 
上の写真の端に写ってるけど、お猪口も選ばせてくれて(なんなら酒の方向で変えてくれという感じで)、途中で「あかん、これは飲み過ぎる」と小さなお猪口に変えさせてもらったり、お燗で熟成酒出してくれた時にはじゃあ香りを楽しめるようにと平杯に変えてみたり。
 
合羽橋では買えない類の酒器だそうです……(すてきだなー) 酒を注いで出してくれた片口がどれも片口好きとしてはメロメロするものだったけど、お燗の酒を入れて出してくれたこの徳利が、私の心を鷲掴み。
 
「えー……合羽橋で見つけたら絶対買うのに」
と呟いたら、合羽橋では買えませんねえと笑われた。買えませんかー。(見るからにお高そうだもんね)
 
今日食べて一番に感動……というか驚いた皿は、今日の一番上の写真の、シンプルな牡蠣と白子と岩もずくの盛り合わせ。
 
白子も牡蠣もさんざん食べてきた食材だけに「なにこれうまっ!」という感動がすごくって。
 
白子は、買ってきたらすぐ○○に漬けてできれば毎日取り替えて数日間。時間なければ1日でもいいから、そして新しい○○に漬けたまま温度上げすぎずに火を通す……のだそう。
 
「80℃以上は駄目ですよー」
「わかります。蛋白質変成しちゃうもの」
低温調理器使ってるからわかります!なんてそんな会話をしつつ、次からは我が家の白子はもっと美味しく食べられるようになるかな?
 
で、実際には何度を目指してるってとこまでは教えていただけなかったわけだけど、そこに至るまでのヒントをいただけただけでも大収穫。
 
これも鮮烈な美味しさだった、鰤の肝和え。 そして、いーい感じに酔っ払ってきたところでの、熟成鰤をゆがいたものに、鰤の肝を添えたものが、やたらめったら美味しかった。
 
なんだろ、魚の味のレバーペースト?なんだけど、イカの塩辛などよりももっと濃厚に磯の味で、でも臭みはなくて。
 
「白子より大変です。血抜きに3日かかります」
とか何とか、聞いたような。もうこの肝舐めてるだけで一升瓶が飲み干せてしまいそう。
 
でね、〆のご飯は土鍋炊きなんですよ。食べてまうやろー!! んで、〆のご飯は、お客さん毎に土鍋で炊かれるという、贅沢さ。
 
事前にメールでやりとりしていて、「白いご飯と季節の炊き込みご飯と、どちらが良いですか?」と聞かれていたので、「炊き込みご飯!」とお願いしていた。
 
炭火焼にした鮭をほぐして炊き込んだご飯に、炊きあがってからキャベツといくら!
 
ご飯に火を入れ始めてからおもむろにキャベツをざっくざく刻み始めたから「……味噌汁?じゃないよね?」と思っていたら、まさかの土鍋インなのだった。驚いた。
 
これは食べてまうやろ……!と思いつつ、でも2合ほど炊かれたご飯、だんなと2人では食べきれなくて、そうしたら最後におにぎりにしてお土産にしてくれた。
 
食後の甘味その1、「焼き茄子」 ほろ酔いでお食事終了(いやでもまだ熟成酒飲んでた)、そして出てきたのは「焼き茄子です」と。
 
へ?焼き茄子?胡麻アイスじゃなくて?と思っていただいたら、確かに茄子の風味……?ふんわり甘くて、香ばしくて、言われたら茄子……?いや言われてもあんまりわかんないかも……?という不思議なスイーツ。
 
驚きで酒の酔いも冷めそうな。
 
そしてぱぱっと抹茶を点ててくださって、最後に練り物。2種類、"栗拾い"と説明があったのと、あとオリジナルの"亥の子餅"。シナモン風味がオリジナルなのだそうで、これもだんなと半分こ。
 
「ああ……八つ橋みたいですね」
と呟いたら、そう、八つ橋をイメージして、ですって。
 
調べたら、ちょうどこの季節の和菓子なんだね。冬の到来を告げるお菓子なんですって。
 
食事時間、きっかり3時間。
迎えの車も時間通りに来てくれて、手間なくホテルに戻ることができた。
 
んでホテルで続きをまりまり食べてる私たち……。 んで、部屋に戻ってから、
「車に揺られたら、なんかもちょっと食べられる気がしてきたよ?」
と、お茶淹れて(室内のバーコーナーには湯飲みも日本茶ティーバッグもあった、ありがたや)、1人2個ずつまりまりとおにぎりを頬張った私たち。
 
食べきれなかった最後の1個はそっと冷蔵庫に入れておいた。
明日の朝、起きたらきっと食べてしまうんだわ。