2012年8月8日水曜日

オペラ座と脱出と

「サンジェルマン」のミートパイ
白桃
アイスカフェオレ
「8月のキャンペーン商品」だとかで、いつもよりお値打ち価格だった「サンジェルマン」のミートパイが今日の朝御飯。ミートパイを買うのは久しぶり。
 
しっかりオーブンで中まで温めて、いつもと同様、アイスカフェオレと一緒にいただいた。ミートパイはなんだか朝から「御馳走」という感じ。
銀座 「ひょうたん屋」にて
 肝焼き
 鰻重上
 ビール
「8月に帰省したら、絶対"ひょうたん屋"に行かなくちゃ!」
と鼻息を荒くしていただんな。今日は昼からお出かけの予定だったので、これ幸いとまずは銀座に寄って「ひょうたん屋」の鰻を堪能することにした。息子は部活なのでだんなと2人で都心に向かう。
 
「あらー、いらっしゃい。夏休みなの?」
と、馴染みの奥さんに声をかけてもらい、カウンター席で久しぶりの「上鰻重」。早めに伺ったので肝焼きもいただけた(肝焼き、すーぐに売り切れちゃうのよ……)。そして休みの醍醐味、「昼ビール」。
 
大幅な値上げがあって、「ちょっとした御馳走」だったのが「すごい御馳走」になってしまった感のあるひょうたん屋の鰻。でも、関西風の「蒸さずに焼く」スタイルの、しっかり歯ごたえのある香ばしい鰻の美味しさはなかなか他では得られないもので、だんなも私もここの鰻が世界一好きなのだった。
 
関東の蒸すタイプのに比べると「野趣あふれる」というか、悪い表現だと「"上品"とは違ったベクトルの」鰻なのだけれど、そこが良いんだなぁ。タレの味も大好き。若干硬めに炊かれた御飯も美味しいし。
 
「でもさ、スーパーの、やっすい鰻を買っても1300円とか1500円とか普通にしちゃうわけだから……それ思ったら"だったら倍払ってここの上鰻重食べに来るよ!"って思っちゃうよね」
などと話ながらもぐもぐ。
 
御馳走なお昼御飯食べたので、食後はがっつり歩きましょうと、食後は銀座1丁目から汐留までてくてく歩いた。
カレッタ汐留内「茶寮都路里」の
 抹茶ソフトクリーム \350
そして目指したのはカレッタ汐留の劇団四季劇場。今日は「オペラ座の怪人」だ。
 
劇団四季の会員対象の無料イベント、「ファントム・ミュージカル・アカデミー」が今日も目的だったのだけれど、せっかくだんなも一緒に来られるタイミングだったからということで、けっこう良い席を押さえてみた。まずは無料イベントの整理券を入手。
 
今日の劇場到着は12時を少し過ぎたところで、整理券の列はおおよそ20人強といったところだった。12時半に整理券を配布しはじめて、開演は13時半。
 
「まだまだ時間あるね」
と、屋根はあるものの建物外の屋外に並んでいたこともあって、観劇前にソフトクリームを食べてひんやりしてから劇場に入ることにした。
 
一度食べてみたかった、カレッタ汐留内の甘味屋さん「茶寮都路里」の抹茶ソフトクリーム。だんなは玄米茶ソフトクリームを選択して、交換しながらいただいた。
 
抹茶味のアイスは何かと口にしたことがあるけれど、ここのソフトクリームはかなり濃厚な抹茶味。甘さ控えめで、お茶の味が驚くほど濃く感じられた。玄米茶の方も、「甘いけど、でも甘さ控えめですごく玄米茶だ!」というちょっと不思議な味わい。甘ったるいソフトクリームだと却って後で喉が渇いてしまうのでちょうど良い甘味だった。
 
そしてお楽しみの観劇♪
 
今日の配役は←こんな感じ。
 
信頼と実績の高井怪人に、6月に観劇して度肝を抜かれた新人・土居クリスティーヌ。
 
以下、備忘録がてら鬱陶しい観劇感想……。
 
  • 1ヶ月半経って、「色々とド新人」な感じだったクリスティーヌが思った以上に良くなっていて一安心。少し余裕が出てきたのか、歌も自然に聞ける感じになっていた。まだまだまだまだ「声は素晴らしい だけどまだまだ道は遠いぞ」とファントムが言うそのまんまな状況、という感じ。がんばれークリスがんばれー。
     
  • カルロッタも、長らくの定番だった河村さんから新キャストの浅井さんに。いかにも「オペラのプリマドンナ」という感じで声も素敵。良かった良かった。
     
  • 高井怪人(タ怪人)は、なんだかお疲れ?熱演だったけれど、最後の「我が愛は終わりぬ~」のあたりがなんだかちょっと苦しそうだった。声裏返ってたし。
     
  • 今回は、平日マチネということもあってあっさりチケットを取れたのだけれど、「シャンデリアが落ちてくる真下にいたい」と、6列目(実質4列目)のど真ん中にしてみたら、これがたいそう良い感じ♪最前列も良いけれど前すぎて舞台の端や上部が見えにくいので、このくらい(か、もう少し後ろくらいでも)の場所がやっぱり見やすいかも。シャンデリアが落ちてくるシーンは、まさに「頭上に降ってくる」感じに降りてくるので最高だった。
 
で、終演後一度客席を出て、十数分してから再入場。今回、「第二回・前編」になる「ファントム・ミュージカル・アカデミー」のお題は、劇中劇の「イル・ムート」「シーンを順番にピックアップしていき、その秘密を俳優と掘り下げていく」という趣向の会員向けイベントだ。
 
  • 俳優さんたちは、終演後のジャージ&すっぴん姿。クリスティーヌ、カルロッタ、メグ・ジリーなどの主要キャストも含め、10人以上の役者さんたちが説明を交えながらシーンを再現してくれて、それだけでも最高に贅沢な感じ。音楽も、「練習用のピアノ伴奏」な感じで、これもなんだか裏舞台を見ているようでわくわくする。司会進行役は、ムッシュ・レイエ役の林和男さん。
     
  • 「イル・ムート」は、英語で言えば「The mute」。「口きかないで、おしゃべりしないで」という歌詞が出てくるのだけれど、タイトル自体が「無音の」「無言の」という意味なのだそう。
     
  • いかにもなモーツァルト風のパロディ作品、クリスティーヌ扮する「セラフィーモ」(奥様の浮気相手の女装する小姓)は、「フィガロの結婚」に登場するケルビーノに通じるところがある。
     
  • 19世紀中頃が舞台とされている「オペラ座の怪人」の中で支配人たちが「舞台も観客も古くなっていない」的な台詞を言い合うが、この手の喜劇オペラ「オペラ・ブッファ」は18世紀に流行したスタイル。実際に、懐古趣味的な感じで19世紀に改めて演じられた歴史がある。
     
  • 衣装は、フリルやレースをふんだんに使用したロココ調(マリー・アントワネットの時代的な)。ドレープたっぷりのドレスは、産業革命で織物産業が盛んだったという背景もある。靴の甲部分などにも大ぶりの飾りがついていたり、かなり忠実に時代考証をしている衣装。
     
  • メイクの白塗りも「白ければ白いほど美しい」という流行。当時は蜜蝋の上に白い粉をはたいたりしていたが、「白い粉は水銀入りだったりした」→「水銀で歯が黒くなる」→「黒い歯をごまかすために扇子で顔を覆っておしゃべりする」という文化がうまれた。
     
  • 更に、顔粉には鉛も入っていたので、「鉛の影響で肌に染みができる」→「それを誤魔化すために"つけぼくろ"が流行する」という文化も化粧に表現されている。髪は「盛り髪」、結った髪は1~2週間ほどかずにいるため、汚れを誤魔化す意味もあって「髪粉」で今で言うところの「カラーリング」をしていた。当時は小麦粉などを使ったりしていたらしい。
     
  • 最初に「オホホホホ」と笑いながら登場し、奥様におべっかを使う男性2人女性2人の4人組は、左から「ヘアドレッサーの男(台本に「女々しい男」のト書き付き)」「奥様の相談役女性」「宝石商(男)」「宝石商の付き添い(メグ・ジリー)」という役割で、ちゃんとそれぞれ名前もついている。
     
  • ヘアドレッサーの男は奥様に髪粉をかけ(粉よけに木製のマスクのようなものを奥様の額に掲げる)、相談役はおべっかつかいつつ扇で奥様を仰ぎ、宝石商は「今日のお召し物にこの宝石はいかがですか」と勧めたりしている。「緑の指輪を勧めたが奥様に嫌がられ、新たに大きなダイヤの指輪を渡して満足いただく」という小芝居がちゃんと展開されている。
     
  • ドン・アティーリオ役は瀧山久志さん。厚い化粧で素顔がわからない役なのだけれど、中身はかなりな美丈夫、背も高く格好良い人だった。もっと年配の方がやってるのかと思っていた……。
     
  • 大道具のベッドの奥行きは130cmほどと、舞台での見た目よりかなり薄い作り。遠近法を使って奥行きがもっとあるように見せている。
     
  • カルロッタの声が出なくなった後に急遽バレエのシーンに切り替わるが、「急げ!」とばかりに止めきれずに落としてしまう背景の幕と、「ファントムがそのへんにいるんじゃないか」と脅えてゆっくりおろす幕の2種類がある。
     
  • バレエのシーン、ダンサーの女性たちは「森の精」、男性は「森に迷い込んだ人間の男」という設定。ファントムが影を使ってあれこれちょっかいを出すのだけれど、「異変に気づいて周囲のダンサーに知らせるダンサー」「事態を知っても最後まで踊ろうと責任感のあるダンサー」「事態に気づいて、びくびくして出だしが遅れるダンサー」など、ちゃんと個性がある。
     
  • 最後は質問コーナー。事前に参加者に質問を投稿してもらい、そこからいくつか抜き出して。解答者は田中元気(森の男)・浅井美波(カルロッタ)・土居愛実(クリスティーヌ)・中里美喜(メグ)・瀧山久志(ドン・アティーリオ)・」林和男(ムッシュ・レイエ)の6人。
     
  • 「イル・ムートはモーツァルト的な楽曲だが、これまでにモーツァルト作品を歌ったことは」
     
  • 「衣装の早替えについて」
    →劇中の最高速の早替えは、メグの「支配人オフィス」(バレリーナチュチュ姿)から「イル・ムート」(劇中劇、宝石商の付き人)の16秒。4人がかりで衣装、髪型から靴まで取り替える。
     
  • 「劇中、伴奏なしでの歌い出しの場面があるが、あれは役者がオーケストラに合わせているのか、その逆か」
    →私はまだ舞台に立ち始めて間もなくて、最初のうちは皆さんが全面的に私に合わせてくれている感じだった(土居)
    →たとえば、エンジェル・オブ・ミュージックの出だしは、メグがクリスティーヌの肩をたたくところがきっかけになっている(中里)
     
  • 「休暇に旅行に行ったりするか。行って良かった場所とか、行きたい場所があれば」
    →自分はオーストラリアのシドニーに長く住んでいたので、愛着がある。食べ物も美味しい。ハンバーガーとか。(田中)
    →李香蘭の公演で中国とシンガポールに行ったが、そこの記憶がやはり強い(林)
     
  • 「休憩中(マチ・ソワの間など)は何をして過ごすのか」
    →体冷やすと動かなくなるから冷やさないように……あと弁当はファミリーマートで(田中)
    →10分15分でも仮眠すると楽になる(浅井)
    →本読んだり(土居)
    →楽屋でアロマ炊いたり、リラックスできるようにする(中里)
    →とにかく寝ます。寝起きは低い声出やすいです(瀧山)
     
  • 「劇中劇ということで、特に意識することはあるか」
    →アンサンブルとして出るときは、"平らに歌う"といったことをしていたりする(瀧山)
 
以上、細かな表現は微妙に違うかもだけど、ばばばーっとメモ帳に走り書きした内容から自分の備忘録がてら抜き出してみました。
 
そんな感じの1時間ほどのイベント。予定では45分とあったけれど、前回・前々回よりも充実した内容で劇場出たのは17:40くらい。17:30を目処に息子と待ち合わせしていたので、「ごめんごめん劇場携帯の電波も入らないんだよー」と急ぎ連絡とって合流した。
 
次回のこのイベントのお題は、私の大好きな「ドン・ファンの勝利」。これもたーのしみ~♪
カレッタ汐留内「SUBWAY」にて
 サブウェイクラブ
 ジンジャーエール
ざっくりルートを書いて「というわけで、カレッタ汐留までいらっしゃい」という指示で、息子は微妙に迷いながらも無事カレッタまで来てくれて合流。
 
本日第2のイベントを前に、「腹ごしらえしてからいかなくちゃ」「でもあまり時間ないんだよね」ということで、カレッタ汐留の「SUBWAY」でささっと軽めの夕御飯……というか、遅めのおやつにした。
 
私が選んだのは、ターキー・ローストビーフ・ポークハムが入ったゴージャスな「サブウェイクラブ」。
 
レタスにトマトに玉ねぎピーマンピクルス、オリーブ……と、野菜たっぷりのコールドミートサンドがうりのSUBWAY、地元にあったらちょいちょい行くだろうくらいに気に入っているのだけれど、あいにく電車に乗って行く距離じゃないとお店がないので頻繁には口にできないのだった。
 
一休みして英気を養ったところで、次に向かうは東新宿。友人夫妻と一緒に、リアル脱出ゲーム「アジトオブスクラップ第二弾 ある牢獄からの脱出」に挑戦してきた。
 
閉じ込められた10人。脱獄のカギは仲間。
あなたは脱出不可能と称される「アジト刑務所」に捕えられた。
周りを見渡せば怪しげな看守、謎の暗号。
なんとかここから脱出しなければあなたは処刑されてしまう。
脱出を一人でするのは不可能。
仲間と力を合わせてこの難攻不落の牢獄からあなたは脱出することができるだろうか?
公式サイト説明より)
 
という、マンションの部屋丸ごと使ったリアル脱出。家具でもなんでも、分解することができるものはどうやっちゃってもOK、の、さわり放題なリアル脱出ゲームは、パソコンゲームの「脱出ゲーム」を思い出させる楽しいイベントだ。
 
うちの家族3人+友人夫妻+初対面の2人姉妹+初対面の3人グループの女性 という構成で、脱出に挑戦した。……のだけれど、さすがの難易度の高さ。謎自体はじっくり考えれば解けるものがほとんどだったけれど、それ以外の要因がいろいろ絡んで、攻略はたいそう難しいものだった。
 
すご~く楽しかったけれど、攻略ならず。残念でした……。
新宿 「東京麺通団」にて
 ひやかけ(小)
 半熟卵天・ゲソ天
 おつまみセット
 ビール(プレミアムモルツ)
残念ながら「祝勝会」ではなく「反省会」になっちゃったけど、
「焼き肉とさぬきうどん、行くとしたらどっちがいーい?」
「さぬきうどん、行ったことないからそっちがいいでーす」
ということで、夜9時近い遅めの夕飯は「東京麺通団」で。
 
500円の「おつまみセット」は、おつまみ2品とお酒のセットで、お酒単品を買うよりもちょっとお安いサービス価格。今日のおつまみは、揚げぴっぴ(=スティック状の揚げうどん)と、昆布と椎茸の煮物。お酒は銀河高原ビールにしてもらった。
 
もう疲れちゃって、最初のビールはものの数分で飲み干して、お代わりはプレミアムモルツで。
 
息子がもくもくと、「たらい」のような器に入った3玉分のうどんを食べているのを横目に、私とだんなはビール飲み飲み、友人夫妻はたっぷりの天ぷらを前に、セルフサービスのうどんに興味津々な様子だった。
 
「こういう感じのうどん好きだったら、本場香川に行くとすごく幸せだよ~」
「すごい美味しい!だしが美味しい!」
と、友人たちも気に入っていただけたようで何より。みんなで香川行ったら楽しいだろうなぁ……。
 
で、シメにはいつもの「ひやかけ」と、天ぷらもいつもの「半熟卵天」、そしてたまにはこれをと「ゲソ天」を。
 
今日はちょうど茹でたての麺があがったところで、水にさらしたばっかりのツヤツヤの麺がいただけた。だしのいりこ臭さもいつも通りな良い具合で、何より。
 
もう大変に盛りだくさんな一日。帰宅は日付が変わるか変わらないかな頃合いだった。