2013年7月12日金曜日

パレスホテルのフレンチ

※今日の写真はクリックすると大きくなります※
「アンデルセン」のミルクフランス
ヨーグルト w/宮崎県産マンゴー
カフェオレ
いよいよ地元店舗の閉店が間近に迫ってきた、パン屋さん「アンデルセン」。
 
やはりここはこれを食べておかなければと、昨日買い物に寄った時に私と息子は「ミルクフランス」を当然のように選択したのだった。
「あらやだー、そんな地味なパンでいいの?」
と、母は色鮮やかなマンゴーペストリーなどを購入。
 
今日も飽食の予定なので、軽めを目指した朝御飯。
昨日食べた国産マンゴーの残り(というか種ぎわの果肉とか、最後に種を絞った果汁とか)は、ソース代わりにしてヨーグルトと共に。
大手町「パレスホテル」内「CROWN」にて
 Marché 2×\9240
 食前酒(ミモザ) \2310
 食前酒(ベリーニ) \2310
 ボトル白ワイン(CLOUDY BAY sauvignon blanc 2012) \8085
 グラス赤ワイン(Sotanum les Vins de Vienne 2007) \3300
今回、2泊3日の弾丸上京だった母は、早くも今日秋田に帰還ということで、でも遅めの新幹線に乗ることにしたらしい。
 
「だからね?お昼はどっか素敵なお店で食べてー……その後、東京駅のそばのシャングリラホテルのアフタヌーンティーとか良いと思うの」
などと狂気じみた発言を繰り出すのだった。
 
いやいや、お昼しっかり食べた後に「三段重ね」とか、無理でしょ。それ絶対に無理じゃない……?と愕然としつつも、とりあえずシャングリラのアフタヌーンティーは混むよねぇ、とホテルに一報。案の定ティータイムは満席なのだそうで、「前のお客様のお席が空き次第のご案内になってしまいます……」とのこと。そしてその言葉にちょっと安心してしまった私。
 
うん、やっぱりアフタヌーンティーは難しいみたい。せめて美味しい昼御飯を厳選することにしようよと、母が「一度泊まってみたいのよねぇ。できればお正月とか」と言っていた、大手町、皇居のお堀沿いにある「パレスホテル」のレストランを調べてみた。中華も良さそうだし、でも一番気になるのはメインダイニングのフレンチ「CROWN」。
 
旧パレスホテル時代から続く、1964年創業のフランス料理店、とのこと。予約の受け答えも良い感じで、パレスホテルは、前回お茶に寄った時もすごく気持ちの良い印象があったので、わくわくとお出かけした。東京駅のコインロッカーに母の大荷物は詰め込んで、できるだけ地下通路を歩きつつ、皇居に面したホテルに徒歩で移動。
 
内装は「イブニングドレスをイメージし、曲線を取り入れた柔らかで上品なデザイン」とのことで、なだらかなカーブを描いたソファ席が皇居のお堀を見下ろせる大きな窓に向かって並んでいる。椅子もゆったりと座り心地が良いし、何より眩しすぎない程度の自然光の下でいただく料理はそれだけでも「御馳走感」が高まって、良い感じ。
 
「レストランは、やっぱり眺めも良くなくちゃね」と言う母なので、これは最初から「良いぞ良いぞ」という感じなのだった。
 
ランチコースはプリフィクススタイルで3種類。
 
食前酒にミモザをいただいて、それを飲み飲み考えた。アミューズ・ブーシュと前菜、メイン、デザート、コーヒー(と小菓子)のコースだと6300円。メインに魚と肉両方選べるものだと8400円。更に、前菜の後にスープをつけると10500円。
 
せっかくだからお魚料理もいただいてみましょう、と、8400円の「Marché」コースを選んでみた。プリフィクスだと、「この料理を選ぶと+500円」といったものがありがちだったりするけれど、ここのメニューはそういったものが1つもないのが素晴らしい。そしてどれも美味しそう。
 
今回はネットでメニューも確認できたので、品名ちゃんと記せました。
いただいたのはこんな感じ↓
 
アミューズ・ブーシュ
パレスホテル「CROWN」にて、食前酒と共におつまみ3点。 食前酒と一緒に、ささっとテーブルにやってきたのが、「アミューズ・ブーシュ前の軽いおつまみ」といった感じのもの。
 
アイシングした風の甘いナッツ類と店名頭文字の「C」を模したものなのか、爪楊枝に刺さったチーズ味のクラッカー。そして美味しいグリーンオリーブが4粒。
 
甘いナッツが美味しくて、ついついもぐもぐ。
パレスホテル「CROWN」にて、アミューズ・ブーシュはパプリカのムース。 で、アミューズ・ブーシュは赤パプリカのムース。
 
「一昨日も食べたわね……」
「んー、まぁ、旬なんでしょパプリカ。定番だし」
と、母と苦笑いしつつ、でも一昨日の皿とはまた方向性の違うパプリカのムース。
 
ふわっふわ食感ムースの下は、オマール海老と米型のショートパスタ「リゾーニ」のサラダ仕立て。
 
爽やかな酸味がたいそう良い感じだった。パプリカのムースも、素材の味を活かしつつとても上品な味。
 
前菜:トウモロコシのパンナコッタとアイスクリーム
今日の一番上の写真が、この前菜。
どの料理もうっとりするほど美味しかったけれど、一番驚きがあったのはこの皿だったかも。
 
「コーン尽くし」という風な皿の縁にはウニやポップコーンが乗るタルティーヌが置かれて、「ちょっとごちゃごちゃしているけど、なんか可愛い」風な素敵なお皿。
 
料理の正式名称は「トウモロコシのパンナコッタとアイスクリーム ベーコンのクランブル 雲丹のタルティーヌを添えて」。
 
ねっちりもっちりした食感のとうもろこしのパンナコッタの上に、とうもろこしの甘さをしっかり感じるアイスクリーム。カリカリした食感のベーコンやら、コンソメ風味のジュレやら、組み合わされたもの1つ1つが「手が込んでいるなぁ」という感じ。
 
ちなみに母が頼んだのは「イベリコ・ベジョータの生ハムと白桃のサラダ フレッシュミントとライム、ネクターのエスプーマと可愛いサラダ バルサミコヴィネガーのレデュクション」と、これまた美味しそうなもの。
 
というか、「メインまでにお腹いっぱいになっちゃうから1切れ手伝って?」と言われて貰った生ハム&白桃が、素晴らしく甘くて美味しくて、「あ、こっちの皿でも幸せだったかも」と心から思った次第。
 
前菜、そのほかの選択肢は自家製マリネサーモンとか、鴨フォアグラのポワレとか。あとはスープでトマトのガスパチョ、タイ風コンソメがあって、それぞれどれも魅力的なのだった。
 
魚料理:築地からの本日の鮮魚(銚子産的鯛)
パレスホテル「CROWN」にてお魚料理。ポテト好きとしてはこれを選択。 魚料理は、3択。
 
私が選んだのは、「築地からの本日の鮮魚(銚子産的鯛)をポテト巻きにしてフリット 蜂蜜風味のセロリラブのピュレ 海老のジュにオレンジとカルダモンの香りを添えて」というものを。
 
ポテトは細く細く糸状にしたものを魚に綺麗に絡ませて揚げてある。手前の海老は、ほんのりスパイシーな手長海老で、敷かれたソースも海老ベースのもの。緑色のニョッキが2つ3つ添えられていて、見た目以上に食べ応えがあった。
 
淡白だけれどほくほくとした食感の的鯛が、調理法にも似合っていて、良い感じ。
 
ちなみに母が選んだのは「スズキのポワレ カルナローリ米のリゾットハーブ風味 タプナードとニンニクのタルティーヌ アイオリソース とラタトゥイユのジュ」。残りもう1つの選択肢が「イサキのムニエル アオサ海苔風味のキノア ブロッコリーのクレームとラビオリ コキヤージュ入りヴァンブランソース」だったりした。
 
肉料理:胡桃のクルートを纏ったキャレダニョーのロティ
パレスホテル「CROWN」にて、仔羊!仔羊! メニューを眺めて
「……きゃれだにょー、って、何ですか?」
と聞いてみたら、「仔羊です」とのこと。
 
おお!仔羊!それに決定!と、即決した私のメインディッシュ。骨付き仔羊のことなのだそうで。
 
料理名は「胡桃のクルートを纏ったキャレダニョーのロティ ブルーチーズのサムサ 茄子のピュレとサラダ アリッサヴェール シンプルなジュとハイビスカスのミロワール」。
 
母が選んだのは「北海道産牛フィレ肉のグリエ 2種の調理法で仕上げたカボチャとラール・コロンナータと共に シラー種の赤ワインソース」で、どちらも卓上にお皿を運んでから、
「ソースをおかけいたします」
と恭しく皿にソースが注がれるプレゼンテーションなのだった。
 
もう1つの選択肢も魅力的だった。「大山鶏モモ肉のブレゼとクルヴェット 夏野菜とレーズンのピラフ クレームココナッツカレーソース」と、エスニックな感じ。
 
ほんのりブルーチーズの香りがする揚げラビオリ的なもの(サムサ)とか、とても滑らかな茄子のピュレなど、添え物も凝ったもの。最後に注がれた褐色のソースは肉汁を使った馴染み深い味のもので、その下の赤いソースはハイビスカスがベースのものだそう。で、手前の緑のソースは唐辛子(アリッサ)がベースの香りの良いピリ辛味。
 
ごろっと大きな仔羊はたいそう食べ応えがあった。火入れもばっちりで、断面は綺麗なロゼ色。おいしかったー!
 
本日のデザート:バナナのパフェとマンゴープリン
パレスホテル「CROWN」にて、エスニックなデザート 最後のお楽しみのデザートは4択……だったかな。
 
私が選んだのは「バナナのパフェと滑らかなマンゴープリンをココナッツソースと共に ヴェルベーヌの爽やかな酸味をアクセントに」。
 
母が選んだのは「アーモンド風味のブランマンジェ アプリコットのクーリとラベンダーが香るレモンシャーベットと共に」。
 
オレンジ基調の一見シンプルなデザートは、でもびっくりするほど調和の取れた美味しいものだった。すごく好みな味で、ここ数年で口にしたフレンチのデザートの中で一番好きな部類に入るかも、というくらい。
 
上にこんもり盛られているのが果汁たっぷり滑らか食感のマンゴープリン。その下にはふわっとしたバナナのムース。そしてパッションフルーツの果肉を落としたココナッツミルクベースのソース。
 
マンゴーの果肉とオレンジ風味のサブレが添えられて、で、プリンに添えられたシャーベットがおそらくヴェルベーヌ(レモンバーベナ)の香り。
 
マンゴーとバナナ、ココナッツの組み合わせの妙が幸せで、しかもボリュームもたっぷり。最後まで幸せなお皿が続いて、私はもう大満足。
 
ちなみに他の選択肢は「ライムの香るホワイトチョコムースとハーブのジュレ ピンクグレープフルーツのソルベと共に」「アイスクリーム・シャーベット盛り合わせ」という感じだった。
 
 
ミニャルディーズ
パレスホテル「CROWN」にて、ハーブティー飲み飲み。 食後は大きなカップでハーブティーをいただきつつ、最後に出て来たミニャルディーズ(小菓子)は、こんな感じ。
 
これが2人分で、母と2人、「私、こっち貰う」「じゃあ私はこっち」と適当に分けつついただいた。
 
立方体のモフッとしたものはマシュマロで、奥からバナナ、ストロベリー、バニラ。
一番奥は生キャラメルで、バナナマシュマロの手前が抹茶味のフィナンシェ。苺マシュマロの手前がマンゴーの果汁を固めたフルーツゼリー。
 
マシュマロのフルーツ風味はとても濃厚で、久しぶりに口にしたキャラメルも上品な大人の味わい。
 
調子に乗って食前酒やらグラス赤ワインやらいただいちゃったので、お会計は昼なのに3万円越えというオソロシイ感じなってしまったのだけれど(自腹じゃとても来られませーん……)、でも幸せだった。
 
今日は近くのテーブルがお誕生日祝いだったようで、終盤にロウソクを立てたデザートプレートと、メートルたちによる歌のサービスがあった。
この時初めて気付いたのだけれど、この店の接客担当、全員男性(たまたまそういうタイミングだったのかもしれないけれど)。しかも良い感じの壮年の男性が多く、しぶ~い声での斉唱は、私の萌え心を多いにくすぐってくれたのだった。
 
食後はホテル内のペストリーショップでちらりと買い物して、地階のアーケードでちらりとお買い物。
 
てぬぐい専門店「JIKAN STYLE」で夏らしい柄のてぬぐいを数店購入して、店頭で音色を聞いて一目惚れした風鈴を「能作」で購入。このUFOの風鈴が、個人的にはたいそうツボだったのだけれど、音色はこの「Morning Glory」が最高で(実際、売れ行きナンバー1なのですって)、こちらを買ってみた。
 
今現在、台所に南部鉄器の風鈴ぶら下げてるんだけど、さてどうしようかな。
 
んで、丸の内方面に戻る道すがら、地下通路で開催されていた「丸の内 行幸マルシェ×青空市場」をちらりと覗いて柚子胡椒や枝豆、トマトやとうもろこしを買ってみたり、その後は新スポットKITTEの中をぷらぷら歩いたり。
 
しかし今日も「喧嘩売ってんのか」と思いたくなるほどの酷暑で、地下街やビルの中を歩いていても汗が止まらない始末。水分摂るようにしながらゆるゆる散策してはいたものの、さすがに疲れて、夕飯はお惣菜でお茶を濁させていただくことに。KITTE地階の惣菜売り場で中華料理を買って帰ることにした。
 
今日もあれこれ買い物していた母は、ぎっしり荷物を詰め込んだキャリーとは別にショップのロゴ入りの大きなエコバッグを抱えて、「短かったけど、今回も楽しかったわー」と、すったかすったか新幹線乗り場の方に去って行った。……なんか、私の方が体力が無いみたいで、微妙に悔しい。
「五十番神楽坂本店」の
 春巻
 青椒肉絲
 酢豚
 五目炒飯
ビール(サッポロ黒ラベル)
で、買ってきたのは、KITTEの地下に店舗があった、「五十番神楽坂本店」の中華惣菜色々。肉まんが美味しくて有名なお店だ。お惣菜を買ったのはこれが初めてだったかも。
 
帰宅後早々お風呂に入って、今日の夜には入れ違いでだんなが帰ってくるので、シーツ取り替え&枕入れ替え等々でバタバタ。「お惣菜買ってきて良かった、ほんっとうに良かった……!」と思いながらの夕御飯になった。
 
で、買ってきた料理は、私が2~3割ほど貰うことにして、
「あとは君、たっぷり食べて良いからね。春巻は2本とも食べてくれちゃった方が嬉しいくらい」
と、息子の前の盛り直した皿をずらりと並べてみたりして。
 
どうにも夕方からフラフラしていて
「お酒飲みすぎた?いや、そもそも、ここ数ヶ月、昼御飯はろくなもの口にしてなかったから美味しいものに胃がびっくりしてる……?」
と危惧してのだけれど、どうもこれは軽めの脱水症状に陥っていたのであるらしい。「口にした水分の大半がアルコール」ということは、利尿作用があるわけで、当然体にはよろしくない状態であるらしかった。
 
なのに、「ダメー。喉渇いたー」と夕食にもビールを飲んでしまったていたらくで、もうダメダメな私。ちらっと口にした炒飯や酢豚が良い感じに美味しくて、「あー、万全な舌の時にもっとちゃんと食べたかったー」と思いながらもぐもぐ。
 
そして午後10時過ぎ、だんなも無事に帰宅した。私、ずっと人狼引きこもりで「まともに会話する相手は息子だけ」状態だったから、「家に常に誰かがいる状態」の数日間で、どうも喉が涸れ始めている感じ……。やだわぁ。