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2012年10月6日土曜日

秋休み:お伊勢詣で

鳥羽 「錦浦館」にて
 鰺の干物
 しらすおろし
 昆布の佃煮・貝の佃煮・海苔の佃煮
 焼き海苔・生卵
 あさりとわかめの赤だし
 御飯
 漬物
 お茶
昨夜あんまり早くに寝たせいで、案の定超早起きをしている私。まだ暗いうち、5時にならない頃に目が覚めてしまって、ぽちぽちと昨日の日記をつけたりしていた。
 
6時になったところで温泉に入りに行って、昨日買ってきておいたフルーツ牛乳飲んで、部屋出しの朝御飯はちょっと遅めの8時にお願いしておいた。
 
宿のおばちゃん曰く、
「明日神宮に行かれるんですかぁ?すごく混みますよ~、うちの宿のみなさん、けっこう早くにお発ちになりますよ?」
 
8時じゃちょっと遅いかも……だそうだけれど、まぁ帰りの列車は4時過ぎとけっこう遅めだし、早くから歩き回っても午後にスタミナ切れ起こしちゃいそうだしね、と、我が家はのんびり行くことに。
 
たいそうな格安プランの宿泊だったけれど、それでも朝御飯は「焼き魚と味噌汁は温かくいただけるように」と卓上簡易コンロで温める仕組みになっていたりして、かなり満足なものだった。
 
鰺の干物にしらすおろし、昆布に貝にあさりに……と、今日も朝から魚がたくさん。
「わーい、生卵だ!」
「卵かけ御飯が食べられるね」
と、朝から家族揃って御飯お代わりしてしまいながらもりもり平らげた。
 
で、宿をチェックアウトして鳥羽駅から近鉄に乗って15分ほどの伊勢市駅に。
 
駅のコインロッカーに大きな荷物を預けたら、まずは近くのスポットから……と、豊受大神宮別宮の月夜見宮(つきよみのみや)に参拝に。
 
今日は折しも「伊勢まつり」開催の日だったようで、駅界隈には屋台が並び特設ステージが組まれ、子供達が可愛い半被を着て行き来している。月夜見宮界隈は特に賑やかだったけれど、それでも鳥居をくぐると空気が変わる感じ。
 
日本の神社の総本山的な伊勢神宮そのものは、それはもうあからさまに「神域とはこういうものです」という独特な雰囲気があったけれど、内宮・外宮から少し離れた別宮でも、やっぱり同じような空気が流れていた。
 
お参りして朱印いただいて、じゃあ外宮に行こう、とてくてく。途中通りかかった麹のお店「糀屋」で、醤油糀(420円なり)をお土産に購入したりした。
 
そしていよいよ伊勢神宮。
伊勢市駅近くにあるのは豊受大御神(とようけおおみかみ)を祀っている外宮(げくう)。そこから車で(バスがばんばん通っている)15分くらいの距離にあるのが内宮(ないくう)。こちらのご祭神は天照大御神(あまてらすおおみかみ) 。
 
観光バスなどを使うと内宮のみの参拝になったりもするけれど、本来は外宮→内宮の順に参拝するのが正しい作法、なのだそうだ。
 
伊勢神宮の社殿、正殿は、別宮も含めて、とても質素に見えるもの。豪奢すぎるくらいに豪奢な日光東照宮のような建物を期待して参拝したりすると「ええっ!?」と肩すかしをくらうような、「木と紙でできています」という風な茅葺きの屋根と檜の柱が印象的なたたずまいだ。
 
なのに、正殿まで来ると「あ、もう普通の人間はここから向こうは行っちゃダメなんだ」という空気が流れている。次々と観光客が押し寄せてくる、「観光地」そのもののようなところなのに、橋を越えて鳥居を越えて進んでいくうちに、なんだか空気が違っていくのだった。明治神宮でも似たような気分になるけれど、明治神宮のそれが日本酒のアルコール度なら伊勢神宮のそれは焼酎くらいに感じるほどに濃度が違う。
 
朝早く、参拝客が少ない時に来たら、またとんでもない清浄な空気なんだろうなぁ……なんて思ったりした。
 
外宮参拝後は、首尾良く鳥居のすぐ近くにあるバス停から臨時バスに乗ることができて、ささっと内宮に移動。
伊勢 「寶来亭」にて
 ステーキ牛丼セット(松阪肉) \3,000
 地ビール(伊勢角屋麦酒・ブラウンエール) \1,000
内宮到着は、そろそろ12時になろうというところ。参拝前に腹ごしらえだ!と、
「ここね、松阪牛食べられるみたいだよ?……でも、それは値が張るから、たとえばフツーの和牛の牛丼とかでも良いかなって思ったんだけど」
と、バス停からほど近いところにある「寶来亭(ほうらいてい)」というお店のメニューを見に行ってみた。
 
ステーキ牛丼セット、「上」なら1700円、「極上」なら2400円、「松坂肉」なら3000円。
せっかくだから極上くらいにしておいてみる?いやいやそれだったらもう松坂にしちゃった方が?と家族会議の結果、家族全員「松坂肉」に。
 
瓶入り地ビールも1本もらってだんなと半分こ。更に近鉄の周遊切符「まわりゃんせ」の提示でソフトドリンクも1杯ずつついてきて、豪華なランチになった。
 
出てきたのは、珍味の小皿(牛しぐれ煮、きゃらぶき)と、伊勢海草の佃煮の小鉢。赤だしと香の物、そしてデザートに抹茶アイス。ステーキ丼にはレタスとフライドポテトと人参のグラッセ、というちょっと洋風な添え物がついてきた。
 
ちなみに伊勢海草は「あらめ」と呼ばれるものなのだそうだ。
 
「なにこれ!?この肉、超うま!」
息子が悶絶していたステーキ丼の肉は、「ステーキというにはちょっと薄っぺらいかなぁ?」という風ではあったけれど、確かに「ここ数年、こんなお肉は食べていなかったわ~」と感じるたいそう上質なものだった。口に入れるととろけていくような口当たり。サシがしっかり入った脂の旨味も上品で、「ほら、ここ3食魚ばっかりで肉ひとかけらも食べてなかったからさ?」なんて叩いていた軽口が「おいしい……」以外の表現できなくなってしまううくらいだった。
 
で、お腹も充実したところで内宮に参拝。
 
外宮も内宮も、正殿に来ると、最後の鳥居の前や石段の前あたりで「写真撮影はここまで」と決められたラインがある。
 
ここに掲載した写真も、当然そのラインの外側、撮って良いエリアのぎりぎりでカメラを構えたものだけれど、伊勢神宮は多くの鳥居や社殿の前に、木製の衝立があるのだった。
 
「この衝立みたいなの、東京とかの神社じゃあんまり見ないものだよね?」
「何か防ぐ意味があるのかね?」
と不思議に思っていたのだけれど、後に調べるところによると「蕃塀」と呼ばれるものなのだそう。
詳しくは、こちらのブログに詳しく掲載されていて、たいそう勉強になった。メインの目的は「不浄除け」ということになるのかな。
 
巨木が多いので森林浴という意味でも気持ちが良い伊勢神宮参拝。生えている木も、「全てが神木」という風に堂々としているのが印象的だった。
伊勢 おかげ横丁「団五郎茶屋」にて
 赤福氷 2×\500
 甘夏練乳氷 \500
参拝後はお買い物!とばかり、門前に広がる「おかげ横丁」をぷらぷら。
 
もう季節は10月だけれど、今日は半袖でも汗ばむほどの陽気で、おやつ時の横丁はそここでコロッケや串焼きものを食べ歩きする人で溢れている。かき氷やソフトクリームを売っている店もあちこちに。日本酒をさらっと飲める立ち飲みスタンドもあちこちに。
 
今日はあいにく、だんなは夜に車を運転する必要があったのでお酒は控えて「じゃあかき氷だ!」と、「赤福氷」がいただける「団五郎茶屋」に寄ってきた。
 
「餡と餅は赤福そのままではなく、冷たい氷になじむよう特製いたしました。抹茶蜜のかかったかき氷の中に入っています。夏季限定の商品です。」という赤福氷。甘めの抹茶蜜のかき氷の中に、こしあんのあんこがたっぷりと詰まっていて、氷に埋もれても固くならない餅が数切れ埋まっているというものだった。あんこの感じが赤福そのものなので、「宇治金時」とは違う感じ。
 
そして、実は赤福氷よりもツボだったのが、息子が頼んだ「甘夏練乳氷」。
 
「甘夏だよ?みかんよりほろ苦いんだよ?君、グレープフルーツ苦手じゃん……あと、柑橘と練乳が似合う風にも思えない……」
「いや、でも、注文している人けっこう多いみたいだし。お勧めメニューだし、美味しくないってことはないんじゃないかなぁ?」
僕は頼んでみるよ!と息子が頼んだその氷は、甘夏特有のほろ苦さも多少あるものの、練乳ともよく似合う不思議な美味しさだった。しっかり甘いし、でもさっぱりと食べやすい。
 
ミルクセーキに甘夏のほろ苦さを加えたような、どこか「ミックスジュース」的な美味しさも感じる不思議なかき氷で、汗をかいた散策後にはこれがすごく美味しかった。
 
食後はひきつづき横丁をぷらぷら。招き猫のお店「吉兆招福亭」で白猫のマグネットやストラップを買い、お香の店「くつろぎや」で「五十鈴川」の名を冠したお香を買ってみたりした。
 
最後に、まだぎりぎり時間がありそうだと皇大神宮別宮の「倭姫宮(やまとひめのみや)」も参拝。
 
こちらも質素なたたずまいの別宮。「内宮からも外宮からも車移動」という不便な立地もあってか、人気は全くなく、とても静かな気持ちで参拝できた。この別宮一つとっても、都心にあったりちしたら「強力パワースポット間違いなし」という雰囲気。風景に溶け込むような木の色そのままの鳥居も、神さびたような神々しさが漂っていた。
 
ああ、お伊勢詣で楽しかったなー。またぜひ来たいけれど、なにしろ遠いね。
京橋「鶴橋風月」にて
 とんぺい焼き \480
 ねぎごましょうゆ焼きそば \850
 チーたまぶたモダン \1150
 牛すじねぎ月見玉 \1050
 ジンジャーエール 2×\250
 ラムネ \250
伊勢を後にして近鉄特急に乗り込んで、今日は大阪に移動。
 
「近鉄は鶴橋で降りるから、そこで焼き肉とか食べる?」なんて話をしていた……んだけど、もう疲れ果てちゃって、荷物も多いし「あんまり繁華街を大荷物でぷらぷらしたくないね」という結論に。
 
だったら、乗換駅の京橋駅近くにお好み焼きの「鶴橋風月」があるからそこにしちゃう?と、お好み焼きをさらっと食べてから帰ることになった。
 
各テーブルに鉄板があって、でもお店の人が焼いてくれるスタイルのお好み焼き屋さん。私が選んだのは「牛すじねぎ月見玉」、息子はチーズ入り、だんなは「2人がソース味だったら醤油味のにしようかなと思って」と醤油味の焼きそばを。あとは「とんぺい焼き」などなどで。
 
なんとなく「ソース味のものが食べたい」という気持ちで盛り上がっていたので、満足だった夕御飯。仕上げに葱をぶわっとかける、半熟目玉焼きが乗った「牛すじねぎ月見玉」は、醤油系の味ではなく、普通にお好み焼きソース+マヨネーズの味付けだったのだけれど、それもまた良い感じ。店員のお姉さんが手際よくさささささーっと焼いてくれて、私も久しぶりに焼きたくなってしまった。
 
そして今日はだんなが一人暮らししている大阪の家にお邪魔することに。
「仮住まいだしさ、モノできるだけ増やさないであるもので頑張ろうとしているわけよー」
と、あちこち工夫している家の様を見させてもらいつつ、「あああ、あのへんとかこのへんとか片付けたい、代わりに片付けたい、でももう疲れて動けない……」と、早々にお風呂に入らせてもらって早々に就寝。

2012年10月5日金曜日

秋休み:今日は鳥羽巡り~

近鉄特急車内にて
 駅弁「名古屋コーチンとりめし」
 お茶
今日から息子、体育の日の連休を挟んで5日間の秋休み。
 
「良い機会だから大阪の父ちゃんに会いに行こう!」
ということになったのだけれど、
 
「せっかくだから、伊勢神宮に行ってみない?1日くらいなら休めそうだし」
「どうせだからさぬきうどんも食べないか」
「だったら、帰り1日は父ちゃん仕事だから、母ちゃんと2人で京都を散策しないか」
と、詰め込めるだけ詰め込んだらなんだか節操のない旅程になった。
 
「というわけでね、金曜は始発で出るよ。4時半起きで、5時の電車ね♪」
「へ?」
「6時の新幹線に乗るからね」
「……うん」
 
なかなかの強行軍になってしまって息子を驚愕させたのだけれど、そんな感じで今日から旅行。私は朝4時、まだ真っ暗なうちに起きてベランダの花の世話と猫の世話をして、息子をたたき起こしたあと身支度調えて、いざいざと始発に乗って東京駅に向かった。東京で乗った新幹線も始発、「のぞみ1号」。
 
朝6時の新幹線だというのに車内はなかなかの混雑で、お茶だけ飲み飲み移動して、朝御飯は乗換駅の名古屋で弁当を買うことに。名古屋を出る近鉄特急は朝8時10分発、ちょっと遅めの朝御飯にはちょうど良いくらいの時間の便だ。
 
で、私が買ったのは「だるま」という弁当屋さんの880円なりの「名古屋コーチンとりめし」。息子が選んだのも同じく「だるま」の「絶品ひつまぶし」。
 
わーい名古屋だ名古屋だ♪とばかりに、調子に乗って「旅行中におやつに食べよう」と、「世界の山ちゃん手羽先味しっとりせんべい」とか「みそ煮込みたまご」なんかも一緒に買ってしまった。ただでさえそこそこの大荷物なのに、食べ物たっぷり追加して乗り込んだ特急電車。
 
竹皮の包みにくるまれた、ちょっとレトロな外見の「とりめし」は、なかなか良い感じ。照り焼き風の鶏が3切れと甘く煮付けた椎茸と人参、山菜、そして鶏スープで炊いたご飯と沢庵2切れという内容で、やや軽めの内容が朝御飯にもちょうど良かった。
 
息子の「ひつまぶし」も、「2膳目は薬味を添えて、3膳目はお茶漬けで」の説明もちゃんとついていて、お湯に溶かせばOKの粉茶やおろしわさび、海苔も別添でついてくるという凝ったもの。あいにくお湯は手に入らなかったので「鰻茶漬け」は食べられなかったのだけれど、息子はたいそう満足したみたいだ。
 
名古屋を出る時はけっこうな混雑だった特急も途中駅で空いて、伊勢市に到着の頃はかなりガラガラ。大阪からやってきただんなともこのあたりで落ち合って、無事に鳥羽駅に到着した。
 
……で、最初に訪れたのは「鳥羽水族館」。
 
クラゲの飼育に力を入れている水族館のうちの1つと聞いていたので、いつか機会があれば行ってみたいなーと思っていた水族館だ。一般的には、「海獣がたくさんいる」ことで知られている水族館。建物自体は歴史を感じさせる古いものだったけれど、展示コーナーはあちこち手が加わっていて、見応えのある綺麗な水槽も多かった。
 
「おゆきさんはクラゲ見たいでしょ?まずクラゲ行こうよ」
と、特に順路が設定されていない水族館だったこともあって、最初に目指したのはクラゲコーナー。展示されていたのはブルージェリーフィッシュとタコクラゲ、ギヤマンクラゲ(かなーり小さい……)、ミズクラゲ、カブトクラゲ、サカサクラゲ、エダクダクラゲ(これまた、ちーっちゃい)、といった感じ。
 
小さめクラゲがやや多めだったのがちょっと残念だったけれど、今日の展示はタコクラゲがたいそう綺麗だった。足がちぎれてしまいがちなタコクラゲ、地元で採取しやすい地域の水族館ということもあってか、綺麗に足が揃っているのが多くてとても綺麗。カブトクラゲも美しかった。
 
あとは、さすがの海獣の充実ぶり。
「セイウチショー見ようよ。千葉や東京でセイウチが見られるところってあんまりないんだよ。ましてやショーが見られるところってあんまり聞かないし」
と、ちょうどタイミングも合ったので見てみることにした「セイウチ パフォーマンス笑(ショー)」は、さすが関西圏のショーという風で、期待以上にたいそう楽しいものだった。何が楽しいって、司会の飼育員さんたちのやりとりが楽しい。セイウチの挙動も楽しい。
 
「セイウチは犬や猫と同じで、人に興味を持つと匂いを嗅ごうとしまーす!噛みついたりはしませんが、身に危険を感じたら!逃げてくださーい!」
 
特に柵も何もなく、セイウチ水槽の前にブルーシート敷いてその周囲に椅子を並べただけのショーコーナー。
「セイウチにキスされたら、かなーり臭いです!思っている臭さの5倍くらい臭いですから逃げてくださいねー!」
なんて事前説明の後、目の前にセイウチたちがやってきた。
 
「はいはーい!いっぱい動画撮ってくださいねー!youtubeとかに挙げてくださいねー!写真撮ってブログに載せてくださいねー!」
もうノリノリで、ひたすら「餌をくれ」と飼育員にバシバシと前足でツッコミを入れ続けるオスセイウチと、愛想良くポーズを決めていくメスセイウチと。
 
最後は客席の前をゆっくり移動してくれて、「どうぞ、どうぞ撫でてみてくださいねー」言われて、初めて「セイウチ肌」を撫でさせてもらった。むっちむちしていて巨大で(体重500kg超!)、外見はいかにも脂身が多そうな感じなのに、実際はかなりな筋肉質。
 
短い茶色い毛が生えてはいるけれど、いかにも「海の生き物」という感じにツルンとしている。で、ほ乳類だから、やっぱりちゃんとあったかい。愛嬌のある顔のセイウチ、たいそう可愛かった。
 
他にも、アシカ、アザラシ、スナメリ、パンダイルカ、ジュゴンにマナティ、ペンギン、ラッコにビーバー、カワウソ、カピバラなどなど、魚以外の海獣や動物がなかなかたくさんいた水族館は見応えたっぷりで楽しかった。いつか来てみたいと思っていた水族館だったから、大満足。
鳥羽「七越茶屋」にて
 天丼セット \800
「鳥羽も、明日行く伊勢も、まぁ観光地だから観光地飯が多いよねー……」
と、お昼御飯は事前にちらっと調べておいたお店に行ってみることに。
 
鳥羽水族館からほど近い「七越茶屋」というお店は、手頃な価格でこの地域の名物の伊勢うどんや手こね寿司をいただけるみたい……と伺ってみたら、平日限定ランチはなんと800円。なかなかお得な感じだったし、味も良かった。私にとってはこれは人生発の伊勢うどん。
 
ミニ丼と、ミニサイズの伊勢うどん(か、手打ち麺のわかめうどん)、ミニサラダがセットになって800円のセットは、カツ丼・天丼・海老フライ丼(カツ丼のカツを海老フライに変えた感じ……みたい)・ねぎとろ丼からの選択。
 
僕カツ丼ね、俺天丼ね……という感じで、家族全員このセットをいただくことにした。手こね寿司とうどんのセットもあったのだけれど、手こね寿司はまた食べる機会があるかなと今は見送りで。
 
地方に寄って特色あるうどん、「伊勢うどん」もまた独特な感じのものだった。さぬきうどんの「醤油うどん」ともまた違う、やや甘さのあるトロリとした醤油だれが少量絡んだうどんは、うどん自体が「煮込みすぎです、てか、煮込みすぎるにもほどがあります」というほどにくてんくてん。コシもへったくれもなく、太めのうどんが芯までてろんてろんに煮込まれている。
 
そのうどんの食感も独特だし、甘さのあるタレの味もやっぱり独特。今日のうどんはそれほどの甘さはなかったけれど、話によると「みたらし団子のタレ並に甘い」というものもあるらしい。息子はそれを聞いて「僕はわかめうどんがいいや……」と伊勢うどんではない方にしたのだけれど、この店のうどんは私のを分けてやると「なんだ、普通に美味しいじゃん」だそうだ。そういう意味では初心者向けの食べやすい伊勢うどんだったのかもしれない。
 
天丼は、大きな海老と舞茸の天ぷらも乗っていて、ミニサイズながらうどんと一緒に平らげるとしっかりお腹いっぱいになった。
 
今回の鳥羽伊勢巡りは、近鉄が出している「まわりゃんせ」というパスポートを使ってやってきた。名古屋や大阪からの往復特急券にエリア内の電車バス船乗り放題、観光施設の入場券つき。
 
「鳥羽エリアだと、ここに無料で入れるみたいねー」
と案内見ながら、観光船乗って、ついでにミキモト真珠の施設にも寄ることにした。
 
昼御飯後、ちょうど船が出るタイミングだったので乗ってみたのが「鳥羽湾めぐりとイルカ島」。鳥羽湾一周するついでに、途中に「イルカ島」なる島に寄る。「いつでもイルカやアシカたちとふれあえる」がウリの、イルカやアシカのショーが見られる島だそうで、「まぁでも、イルカに御飯、とか、イルカに握手、とかはばっちりお金取るわけよ」と一応立ち寄ってみたら、これが思った以上に鄙びた施設で苦笑い。
 
「あと20分でアシカショーが始まりますよぅ!」
と案内されたけれど、そのショーを見るためには往復500円のリフトに乗らなければならず(スキー場でも今時滅多にみかけないシングルリフト……ちょっと怖い……)、海の水をそのまま引き込んだような水槽は、水がどんよりと緑色に濁っている。
 
ただ眺めるだけなら無料だったイルカたちも、なんだか微妙にストレスを抱えているような挙動をしていて、「あららぁ」と、島内ではジュース一杯飲むこともなく(ペットボトルの自動販売機は500ml1本200円とお高かったし)、30分後の次の船で元の船着き場に戻ったのだった。
 
イルカ島に向かった船は普通の小ぶりの連絡船だったのだけれど、帰りの船は観光船「竜宮城」。これがまた、船内あちこちに浦島太郎の像が飾られたなんだか笑っちゃうような仕掛け満載の船で、なかなか楽しかった。船内でかき氷とか生ビールいただけるようになっていて、ちょっと良いなと思ったり。
 
「普通に入場すると、大人1500円取られるらしいよ」
「マジでか!」
なんて言いながら最後に立ち寄ったのは「ミキモト真珠島」。
 
養殖真珠の作り方の紹介やら、世界の真珠装飾品の展示やら、創業者の逸話やら、そんな展示満載の島。養殖真珠、時間をかけて育てれば育てただけ大きなものになるのかと思いきやそうではなくて、中に埋め込む「核」のサイズで真珠のサイズが決まるのだそうだ。大きな核は育成に失敗するリスクも大きくなるので、それが希少性に繋がるのだとも。
 
ふーん、ほー、へー、と、眺めて歩き、最後に「海女の実演」も見てから島を後にした。
 
目の前の海に船から飛び込んで素潜りし、「貝採れました~♪」とアピールしながらの10分ほどの実演ショー。紐のついた樽は貝を入れる以外にも浮き輪のような役目を果たしている風で、「急に息をつかないように」と口笛を吹きながら潜るのだという文化もこれで初めて知ってみたり。
 
なんだかノリが修学旅行のような感じになってきた。明日は神社巡りだしね。
鳥羽 「錦浦館」にて
 焼きサザエ・焼き帆立
 刺身盛り(マグロ・タイ・サザエ・イカ・ボタン海老)
 伊勢海老のタルタルソース添え
 伊勢海老の鍋仕立て
 カレイの南蛮漬け
 昆布の酢の物
 茶碗蒸し
 手こね寿司
 吸い物
 漬物
 メロン
 ビールたんまり
さて、そろそろチェックインできる時間になったしね、と、駅の売店で風呂上がりに飲む用のフルーツ牛乳やらビールやらを買い込んで、駅近くの宿に。
 
今回の旅行、緊縮財政励行中の折りでもあるので、「宿はとにかく安いとこ!」を条件に選んでみた。あまりにも評判が悪いところは避けて……と、選んでみたのが「錦浦館(きんぽかん)」。
 
金曜日の平日宿泊なら、1泊2食つきの「リーズナブルプラン」が3名1室で1人6,800円。駅近だしお風呂も天然温泉だそうだし、と、ここに泊まってみることにした。
 
そんな格安プランだったのに、用意してくださっていたのは角部屋のツインベッドルームつきの部屋。洗い場つきのバスルームとトイレがそれぞれちゃんと個室でついていて、8畳部屋に絨毯敷きの間がついて椅子とテーブル、そして海が見えるベッドルーム。
 
建物自体は古いものだったものの、お風呂も充分広いし、宿の方の対応も良いし、部屋の冷蔵庫も外から買ってきたものを入れられる場所があったし、「こりゃいいね♪」と家族全員御満悦。
 
そうそう、線路脇に立つホテルだから、「全室海側眺望」イコール「全室近鉄眺望」という感じ。期せずして、行き交う近鉄線がよく見える「トレインビューの部屋」ということになって、「お、あれ豪華な特急だ」「2階建てなんだねーいいなー」なんて、のんびり列車を眺めてみたりもした。
 
夕飯が、まんまwebサイトの写真の内容同じだったのには笑ってしまったのだけれど(1品も違えることなく同じというのはある意味すごい……)、さすが伊勢志摩エリア、夕食には1人1尾分の「伊勢海老」が。
 
肉食いの息子には貝や海老に「やったぁ!」という感じではなかったかも……だけど、私とだんなは「うひょー♪」という感じ。部屋出しで、テーブルにずら~りと料理が並ぶいかにもな「温泉旅館の夕食」的なこの光景、私は案外嫌いじゃなくて、「どれから食べよう♪」とビール飲み飲み全部しっかりいただいた。
 
伊勢海老、半身はタルタルソース添えで、半身は鍋で。刺身はごくごくフツーな感じだったものの、でっかいボタン海老のお刺身は美味しかった。で、お昼に食べなかった「手こね寿司」がここで出てきて、「あ、なんか名物口にできちゃったわ」と。
 
手こね寿司、つまりは「づけ丼」みたいなものなんでしょ?と思っていた。
 
鰹や鮪などの赤身の魚を醤油を中心としたタレに漬け込んだ後、寿司飯へと合わせて食べる。好みにより、大葉や生姜、海苔などをちらす。観光案内では漁師が漁の合間に食べた食事がもとであり、考案したのは志摩町和具の漁師とされ、沖での忙しい鰹漁のさなかの食事として、獲れた鰹を千切りにして醤油を付け、炊きたてのご飯に手で混ぜて食べたのが始まりとされる
wikipedia より
 
だそうで、宿で出てきたのは、「醤油だれをまぶしたおにぎりの上にづけまぐろを乗せた風なもの」といった感じのもの。まぐろのづけだれに刻み大葉も混ぜてあった。
 
でっかくて甘くて美味しかったデザートのメロンを平らげたところで、もう一同疲れて「もうダメだ~」と。二度目のお風呂に行く気力もなくなってしまって、9時頃まではそれでもなんとか起きていたものの、早々に布団に入ったのだった。我が家、旅行に出るとやたらと就寝が早くなる(そして私は超早起きになる……)。