2012年6月23日土曜日

母が来たりて、コンラッド

※今日の写真はクリックすると大きくなります※
バナナップルパイ
アッサムティー
冷蔵庫には、昨日作った「バナナップルパイ」。
 
息子はお昼(帰宅は多分1時頃)まで部活で、母の東京駅到着は2時。東京駅で落ち合ってそのまま汐留のホテルに向かって、でもチェックインの時間にはちと早いだろうからホテルのラウンジでアフタヌーンティーでも?というのが本日の予定。
 
「……ありゃ、そしたら、家で昼御飯食べる時間なんてほとんどないじゃん」
息子が帰ってきて着替えたら即出発、って感じじゃん……と、バナナップルパイに思いを馳せる。まさかなぁ、ホテルに持っていくというのも……ちょっと難しいよねぇ。
 
「というわけでね、様々な状況を考慮した結果、"朝御飯にパイを食べるしかない"という結論になりました」
「えええええー!?」
「大丈夫、パンがなければケーキを食べれば良いって格言(?)もあるくらいだから、大丈夫!」
 
息子に驚かれながら、「でも、糖質多いからパワー出るよ?果物もどっさりだし……」とか言いながら、なんともリッチな朝御飯。いつもの紅茶は牛乳多めのミルクティーにするところ、今朝はあっさりめが良いなとストレートのアッサムティーを淹れた。
 
これが、こってり濃厚な酸味のカケラもない「バナナクリームパイ」だったら少しげんなり感があるかもだけど、手元にあるのはパイナップルどっさりの「バナナップルパイ」。見た目よりはずっとあっさりな口当たりなこともあって、今朝改めて、「パイナップルが良い仕事してくれてるわー」と思った。
 
もとよりマンゴーパパイアパイナップルなどのトロピカルフルーツが私の好物なせいもあるけれど……これ、きっと「バナナ+パイナップル」以外にも「マンゴー+パイナップル」とかもすごく美味しいだろうな。甘くて美味しいパパイアも似合いそう。
 
ますます「忘れないうちに復習しなきゃ!」と思いつつ、翌日になってもちゃんとサクサクパリパリのパイを堪能。昨日の試食ほどの「サクッバリッ!」なパイ生地ではなくなったけれど、でもしっかり馴染んだ感じになって、パイがベショベショということもなく、「あ、なんか、ケーキ屋さんで買ってきたケーキ風になった」という感じ。美味しかった~。
汐留 コンラッド東京内「TwentyEight」にて
エキゾチックアフタヌーンティー \3950
で、息子が帰ってくるまでに念入りに掃除して、ベッドのシーツも取り替えて、しばらく行けないかもだから図書館に予約の本を受け取りに行って、あと、仕事もできるところまでやっておかなきゃ……とドタバタの午前中。
 
首尾良く息子もささっと帰ってきてくれて、都心に向かった。
 
混雑する東京駅で母と落ち合った後は今日の宿泊ホテル「コンラッド東京」へ。Expedia経由で予約したら、公式サイトから申し込む金額に朝食が無料でついてくるくらいの割引になったので、そのプランで予約を入れた。
 
14時半頃の到着で本来のチェックイン開始時刻より若干早かったのだけれど、お部屋に通してもらえ、一息ついてから
「お腹空いたー」
「お茶にしましょー」
と、いざいざロビーラウンジに。息子は、学校から帰った時にドーナツ囓っただけで「僕はお茶はいいや、ケーキとか要らない」と部屋でお留守番。
 
大きなガラスの角皿に盛られるこのホテルのアフタヌーンティー、前々から気になっていた。今の時期は「エキゾチックアフタヌーンティー」の企画中ということで、更に輪をかけて独特な内容のようだ。
 
この時間にこれを2セットとって1人前を1人で平らげてしまったら夕飯に差し支えるよね……と、アフタヌーンティーは1セットにして、もう1人はケーキセット(\2200)にすることに。それぞれ母と半分こしながらいただいた。
 
コンラッド東京にて、リンゴのシブースト。でっかいです……♪ チョコケーキ、メロンのショートケーキ、オレンジ風味のチーズケーキなどが並ぶリストから、選んだケーキは「リンゴのシブースト」。
 
「シナモンのカスタードクリームとメレンゲを合わせたフランス菓子を代表するケーキ」だそうで、直径10cmはありそうなボリュームのあるケーキだった。
 
カスタードクリーム部分はもっちりと濃厚な口当たりで、柔らかに風味良く煮上げたリンゴも良い感じ。甘さはガツンとしっかりめ。
 
前々から人気のこのラウンジ、今日は土曜ということもあって予約も立て込んでいるとのこと。宿泊者なんですがー……ということで、滑り込むように入れてもらえた喫煙席と禁煙席の境界あたりに位置するソファ席は、でも海側がちらっと見える気持ちの良い席だった。
 
そして登場のアフタヌーンティープレート♪
 
コンラッド東京にて。独創的なアフタヌーンティーセット。 「アラビア」がテーマということで、見知らぬお菓子が色々揃い、でも「形容しがたい味」といったものは一つもなくて、どれもちゃんと紅茶に似合う味だったしそれぞれちゃんと美味しかった。
 
……でも、スコーンはちょっと小ぶりかな……(んでもってクロテッドクリームは3倍量くらい欲しいな……なんて)。
 
写真の奥の列、左から
・ザクロとカモミールのゼリー
・ピスタチオのバクラバ
・ほうれん草とビーフのサンブーサク
・赤玉ねぎのコンフィを挟んだハルミチーズのサンドイッチ
 
真ん中の列、左から
・チョコの器に固めたライスプディング
・バラの香りのロクム
・デーツとセモリナのクッキー
・ヨーグルトのラビオリ ハイビスカスのドレッシング
 
手前の列、左から
・マンゴーと人参のジャム
・プレーンスコーン
・クロテッドクリーム
・イチジクのスコーン
 
……という感じ。私も母もアッサムティーを選択したら、巨大なガラスのティーポットがやってきた。マメにティーカップに注いでくれるし、お湯さしもしてくれる(どうも茶葉も入れ替えてくれた風)。
 
大ぶりのサイズのティーカップで何杯もお茶いただきつつ、小さなお菓子をあれこれいただくのは、やっぱり楽しいものだった。
 
ほろっと崩れる口当たりのスコーンも素敵だったし、上品な甘さの人参入りのマンゴージャムも新鮮な味わい。聞き慣れないネーミングのお菓子が多く並んでいたけれど、「サンブーサク」は咸點心に通じるような、チャーシューパイ的なものだったりして、馴染みやすいものだった。
 
面白かったのは「ロクム」。東南アジアのデザートにも見かけていそうな、餅菓子風のもの。「ういろう」……というより「ゆべし」……みたいな?
バラの花びらを添えたそのロクム、後味にふわりとバラの香りが漂う、素朴さを残したお菓子で面白いものだった。
 
……という感じで、4時近くまでラウンジでだらだらと。
良い感じに腹も満たされて、なのに母ときたら
「夕飯も素敵なところで食べたいわよねぇ……あの奥のお店は?」
と、ゴードン・ラムゼイを指さすのだった。ええええー、あそこ、このホテルのメインダイニングなんだよ?ディナーはコースで最低でも1万円以上するんだよ?それはさすがに止めようよ~もっと軽め(=値段も内容も)のにしておこうよ~……と、「セリーズ by ゴードン・ラムゼイ」をプッシュする私。
汐留 コンラッド東京内「CERISE by GORDON RAMSAY」にて
TASTE OF SPRING \6800
チーズ盛り合わせ
グラスシャンパン
白ワイン(チリのソーヴィニヨンブラン)
バスルームに大きなガラス窓のついたコンラッド東京のゲストルーム で、夕飯まではお部屋でごろごろ。
 
「広~い!」というほどには広いお部屋ではない(シティビューの一番シンプルな部屋にエキストラベッド入れてもらった)けれど、ガラス張りのバスルームが独特な雰囲気。
 
バスタブにはコンラッドホテルお馴染みの「アヒルちゃん」が置かれていたけれど、東京のアヒルちゃんは黒いくちばしの、やたらパンキッシュな装いだ。
 
パンキッシュなアヒルちゃん 窓際のカウチソファはアジアな雰囲気、お茶セットも和風のもの……と、「日本のホテル」な雰囲気の部屋には、「ライティングデスク」の代わりに大きな丸テーブルが据えてあった。
 
使い勝手の良い場所にLANの口と電源が用意され、でもLANの利用は有線も無線も24時間で1500円と有料。
 
……高級ホテルなのに、こういうところがこのホテルは微妙にみみっちいなー……なんて思ってしまうのだった。
 
夕飯は無事に(?)ゴードン・ラムゼイのインフォーマルダイニング「CERISE by GORDON RAMSAY」で、ということに。
 
予約を入れたら、テーブルが並ぶ入り口付近のコーナーではなく、落ち着いたボックスシートを用意していてくれた。コースは2種類、5000円のものと6800円のもの。
「デザートがマンゴーのパルフェだし、メインディッシュは仔牛だし」
「うん、こっちが美味しそうかも」
と、3人揃って6800円のコースにしてもらった。内容はメインディッシュの魚か肉かの選択だけ可能で、あとは全て固定。
 
いただいたものはこんな感じ~。
久しぶりにワイン1本開けたらすっかり良い気分になってしまった。

カナッペ
「CERISE by GORDON RAMSAY」にて、親しみやすい味のカナッペから。 陽気な外国人スタッフ(フランス語圏の方らしい……「ワタシ、英語はダメね~日本語しか話せないネ~あとちょびっと、フランス語ネ~」とか言いながら皿持ってきた……)が、
 
「これ……タラモ……タラモですネ~。タラモは~」
「あ、タラコですね。大好き」
「Oh~スバラシイですネ~そう、タラコ。スバラシイ」
そのまま「開国シテくださいヨ~」のコントが始まりそうな、謎めいた愉快な接客。
 
で、そのカナッペは、グリッシーニにショットグラスによそったタラモペーストが添えられたもの。
 
「タラコと……じゃがいもなんだろうけど、クリーミーだね。生クリームというよりマヨネーズ的な……?」
「うーん、でもこれ、すごく美味しいね」
「残ったらパンにつけて食べても良いんじゃない?」
と、早速盛り上がる私たち。最初のお酒はグラスシャンパン。
 

焼きホワイトアスパラガス
「CERISE by GORDON RAMSAY」にて、前菜の一皿。 前菜1皿目の料理は、ホワイトアスパラガス……なんだけど、アスパラガス、想像よりもちっちゃくてちょっと苦笑い。
 
料理名は「焼きホワイトアスパラガス うずらの卵とピンクグレープフルーツ」。
 
海老からだしをとった風な褐色のペーストが敷かれた上にうずらの卵のフライ。それを囲うようにアスパラガスが配置され、卵の上にはサマートリュフ。さりげなく皿に模様のように置かれた透明がかった黄色のソースがピンクグレープフルーツの甘いピュレだった。
 
ソースとトリュフごと卵を口に入れると、トリュフのたいそう良い香り。……だけど、これ、「5粒」くらいいただきたかった感じ。あっという間に無くなっちゃった。
 
ここで白ワインを1本注文。
「値段は8000円から9000円くらいな感じで、フルーティーで、でも甘すぎなくて……」
「あ、辛すぎないのね」
と母と2人してお皿を下げに来たスタッフさんに相談したら、ニヤッと笑って
「フルーティーで……中途半端な感じ、と」
と。字面からではイヤな響きにも思えるけど実際は「ふふっそうそう、"中途半端な"感じでね」と、和やかな雰囲気で。
 
「あなたソムリエさんなんでしょう?バッジついてるもの」
と母が問うたら、
「ええ……ペーパーソムリエです。このバッジはインターネットで買いました」
と、またなんだか謎めく接客。始終こんな感じの接客で、なんだか不思議に楽しいディナータイムになった。
 

フォアグラと鴨のコンフィのトルテッリーニ
「CERISE by GORDON RAMSAY」にて、トルテッリーニとヴルーテと。 カプチーノ仕立ての網笠茸のスープの中央に、ころっと指輪型のパスタが入る、前菜2皿目。
 
料理名は「フォアグラと鴨のコンフィのトルテッリーニ 網笠茸のヴルーテ」。
 
このカプチーノブーム、早く終わらないかなぁ……と思っている私は、この泡の食感はあんまり好きではなかったりするのだけれど、でもスープはとても美味しかった。
 
パスタ(トルテッリーニ)の中身は、ほろほろに煮崩れた風の鴨肉のコンフィ。フォアグラもおそらくこの具材に使われているのだろうけれど、あんまりフォアグラの存在感は感じなかった……かな。
 

カルボナーラスパゲティ
「CERISE by GORDON RAMSAY」にて、カルボナーラスパゲティ 卓上にはパンが3種類(プレーンなバゲット、セージ入りバゲット、フォカッチャ)と大きなバター。
 
パンも美味しくいただいたけれど、これまでの前菜の分量だとメインディッシュを食べても「満腹」という感じにはならなさそう。
 
「……僕、カルボナーラスパゲティも食べたい……」
いいんじゃない?カジュアル店だしアラカルトのパスタメニューにそれ載ってたし……と、ここでカルボナーラを追加注文。
 
やってきたカルボナーラは、テーブルでソースをかける珍しいスタイルのものだった。クリーミーな色合いだけれどさっぱりした味わいで、生クリームが入っていないか、入っていても少量な印象。
 
カリッと焼かれた塩気の強いパンチェッタにルッコラも加わり、上には黄身がとろんとろんのポーチドエッグ。全体をテーブルでざざっと混ぜながらいただく。上からはパルミジャーノ・レッジャーノも好みに応じてガリゴリと。
 
結局息子が8割方このパスタを平らげてしまい、「もう1皿ください」と、おかわりしたのだった。2皿目も5割ほどは息子が平らげた。
 

乳のみ仔牛すね肉のゆっくりブレゼ
「CERISE by GORDON RAMSAY」にて、メインディッシュの仔牛すね肉。 そして、メインディッシュは「乳のみ仔牛すね肉のゆっくりブレゼ 山羊チーズのポテトピューレとビアソース」。
 
予想外に、円筒状の不思議な形状をした肉の下にはトマトを使ったソースが敷かれ、奥に見えるのは独特な風味の(でも、"臭い"という感じじゃなく、上品な味わい)山羊チーズ入りのやわらかなポテトピュレ。
 
こんがりと火の入ったパン粉がトッピングされた肉は、ほろほろと柔らかに火が通っていた。味わい深く、でもその食感や外見は、「高級コーンドビーフ」という感じ。御飯に盛って食べるのも似合いそうな感じ……。
 

チーズ盛り合わせ
「CERISE by GORDON RAMSAY」にて、チーズも食べちゃうよー まだ若干ワインも残っていたので、デザートをいただく前にチーズを少し。
 
コンテなどのセミハードタイプと、白カビはカマンベールとブリー、ウォッシュタイプが2種類と、あとは種類豊富な青カビ系……と、品揃え豊富なチーズワゴンはうっとりするような外見。
 
手元にあるのは爽やかな口当たりの白ワインだったので、青カビはちょっと違うかなと、いただいたのは母の好きなカマンベールと赤ワインを使ったウォッシュタイプのチーズ。
 
葡萄やベリー、はちみつや薄切りパンを添えた素敵な盛りつけにしてくださって、母ともちらっと分け合いながら「食後のお酒」も楽しんだ。
 

マンゴーのパルフェ
「CERISE by GORDON RAMSAY」にて、デザートはマンゴーのパルフェ。 デザートは「マンゴーのパルフェ オレンジとスターアニス ブラッドオレンジのソルベ」。
 
マンゴー味濃厚な円筒形のデザートは、セミフレッドのような感じのもの。冷たすぎず、ふわっとした口当たりで「ほのかに凍りかかったムース」のような感じ。
 
色鮮やかな赤いシャーベットはブラッドオレンジのソルベ。焼き菓子や透明なゼリー、卵色のソースなどがテンポ良く配されて、ただでさえマンゴーは好物なので、たいそうわくわくさせてくれたデザートだった。
 
さすがに、スパゲッティもいただいたので、がっつり満腹。ごちそうさまでした……。
 
「何が良いって、こうしてホテルで美味しいもの食べて、そのまま同じビルの中のお部屋行って眠れるというのが最高だわよね」
ご機嫌な母、このところお酒控え気味だったのですっかり酔っ払いの私。
 
部屋に帰るとターンダウンサービスも終わっていて、寝室に面したバスルームのガラス窓のブラインドも綺麗に落とされ、枕元にはグラスと水のペットボトル。アイスペールにも氷が満たされていて、すっかり落ち着いた部屋になっていた。
 
そしてベッドの上には「コンラッドベア」(今日の一番上の写真)。
 
世界各国のコンラッドホテルで「お土産にどうぞ」と渡される1人1個のコンラッドベア、私は香港のものしか持っていないのだけれど、こちらは手のひらにちょうど収まるサイズのふわふわもこもこぬいぐるみタイプ。
 
なんでもバリ島のコンラッドに泊まれば「コンラッドベア」ならぬ「コンラッドモンキー」が貰えるのであるらしい。更に「コンラッドエレファント」などもいるらしい。
 
コンラッド東京のは、クマはクマでもストラップサイズの可愛らしいものだった。和風な感じの縮緬生地のクマは、色とりどりに全部色合いも柄も別々。でもどれも花柄、可愛らしい。
 
ファンシー系グッズにはあまり興味がない私も、このクマはなんだか可愛いなぁと、母と2人「どれを自分のにする!?」と盛り上がるのだった。